6月6日から開幕した都市対抗野球東北二次予選、今日はきたぎんボールパーク、花巻市営球場2会場で第一代表決定トーナメント一回戦が行われました。試合の結果は下記の通り、花巻球場分は直に見た感想、きたぎん部分は一球速報ホームページ(https://baseball.omyutech.com/CupHomePageTop.action?cupId=20240008658)から情報を得て記すことに感想を記すことにします。
▽第1代表T一回戦 JR秋田 11-9 弘前アレッズ
試合前半は大人しい展開だったが、折り返しの六回以降は激しい打撃戦に。アレッズは七回に同点に追いついた。JR秋田は八回に7得点の猛攻をあげ勝負ありに見えたが、アレッズはコールドには持って行かせず九回裏に5得点をあげ2点差まで詰め寄るなど激しい追い上げを見せたがJR秋田が逃げ切った。
▽第1代表T一回戦 七十七銀行 3-2 エフコムBC
初回の本塁打の応酬による得点の差がそのまま試合結果につながった。エフコムは初回に本塁打で先制したが、その裏に七十七銀行は四番打者の3点本塁打で逆転。エフコムは四回に1点を返し、試合全体を通じても七十七銀行をより安打数が上回ったが、七十七銀行の粘り腰の方が勝った格好になった。
▽第1代表T一回戦 JR盛岡 17-0 オールいわき
初回先制機を逸したオールいわきはその裏にJR盛岡に先制点を許すと、以降もJR盛岡打線の攻略を受け毎回の17失点。三、六回には打者一巡の猛攻を食らった形となった。攻めてもニ回にランナー2人出し、三回には三塁に置いたがいずれもあと一押しができず、無念の大敗となった。JR盛岡は若手選手が場数を踏み二回戦に。
▽第1代表T一回戦 水沢駒形倶 8-2 B-net/YAMAGATA
B-net/YAMAGATAは初回に3安打2長打で2点を先制。その後もランナーを出して攻めにかかるが、駒形の都市対抗本大会経験投手はじめディフェンスの粘りの前に攻めあぐねる状態に。駒形は試合のペースを握り、試合後半に登場したB-net/YAMAGATA若手投手陣から六回に1点、八回には駒形捕手の満塁本塁打など8点あげ大逆転。駒形投手は九回約120球を投げ切り完投勝利を上げた。
今日の試合からは2項目3点申し上げます。
まずオールいわき-JR盛岡の試合ですが…オールいわきは出場選手の編成に苦慮した様子も見えますがそれでもある程度の戦いはできるだろうと。しかしJR盛岡が積極的に攻めて出て毎回自立的に得点し試合を支配、いわきにつける隙を与えない戦い方をしました。
では試合全体を支配すればそれで勝てるのか、と言うとそうではないと示したのが水沢駒形の大量得点。七回あたりまではB-net/YAMAGATAが試合を支配していた雰囲気でしたが、駒形が守備で相手の攻勢を防ぎとめて流れを徐々に持ってくると六回以降の攻撃に…ことに八回の大量得点に結んだものと思われます。
山形はきらやか銀行野球部経験者もいますがB-netネットになってからの新人選手も出場。資質と意欲の高さは見えましたが社会人野球の厳しさというものも味わった試合となりました。これからの健闘を願う次第です。
もうひとつ。B-net/YAMAGATAは先発投手に高卒新人が登板。試合前半駒形打線相手に好投しましたが、それを助けたのは周りの社会人野球歴の長い先輩です。
昔、マガジンで掲載されていた「8月のアウトロー」という漫画でキャッチャーのフレーミングの話がありました。フレーミングが効果を発揮するのは1試合に1球か2球程度。しかしその1球でピッチャーはいい調子になるという趣旨の発言がありましたが、それを思い起こす場面が。
三回に駒形が2アウトながらランナー一塁三塁と攻め立て打者は四番。4球目のストライクが「その1球」だったのではないかと思います。試合は駒形の爆発的加点でこの通りの結果となりましたが、B-net/YAMAGATAが勝ったらこの1球が効いたのではないかと、思わせるプレーでした。
では6月7日に行われる第1代表決定トーナメント二回戦の見どころは以下の通りです。
きたぎんボールパーク 10時開始予定
▽第1代表T二回戦 TDK-JR盛岡
2020年代の戦いでは有力選手の台頭で東北部分をリードしたTDKだが、昨年は多く積み重ねた公式戦の疲弊が影響したのか第1代表T決勝に進出するもそこから2連敗。日本選手権では本大会出場するもエネオスに敗れる結果となった。今シーズンは静岡大会、東北大会で予選リーグ1勝2敗。県内では春季大会、一次予選と優勝したがやはり目標は前年逃した本大会都市対抗本大会出場。地力を見せていきたい。
JR盛岡はたびたび大きな壁として立ちはだかる5強との対戦になるが、一回戦の試合で自ら機を作り出して結果を残す戦いができた。若手投手陣の奮闘によりエース級の投手も温存。念願の5強越えを果たすことができるか。
▽第1代表T二回戦 JR東北-水沢駒形倶
2010年代には一時期スランプに陥ったこともあったJR東北が安定した実力で東北のトップレベルに君臨。前年都市対抗では東北王者になり、本大会でも日生に一勝。今シーズンはスポニチ東京、日立市長杯、東北大会ともに予選リーグ1勝2敗。県予選でも決勝で石巻に敗れるなど不調を囲っていたが、都市対抗で爆発力を見せるか。
水沢駒形は終盤の猛攻撃 がクローズアップされるが、それ以前に粘り強い守備で勝機を探り寄せてた戦いぶりも評価したい。より 強敵となるJR東北相手にその戦い方を貫徹できるか。
花巻市営球場 10時開始予定
▽第一代表T二回戦 日本製紙石巻-JR秋田
2010年以降のバックアップ強化以降東北強豪の一角を占める日本製紙石巻だが、ここ数年は選手能力の評価と裏腹に勝負強さに悩まされ上位大会進出を逃す場面が多かった。前年都市対抗ではトヨタに連敗しあっという間に大会を終え周りを驚かせた。今シーズンは日立市長杯で3敗、東北大会で1勝2敗も宮城県予選では七十七、JR東北に勝ち県王者として東北に臨む。今度こそ壁超えたい。
JR秋田は試合後半大量得点を掴む戦いができた収穫と、その後に猛反撃を許した反省点を省みて強敵石巻に挑みたい。長年活動してきた底力を見せにいく。
▽第一代表T二回戦 トヨタ自東-七十七銀行
本日注目カード。チーム創設の翌年から岩手県内では無類の強さを見せ今年の優勝で12年連続岩手王座となっているが、今シーズンのJABA大会は東北大会のみ参戦(北海道はこの後)メンバーの入れ替わりも多くなっている中ではあるが昨年大会では第2代表決定準決勝まで進出。近年成長している基幹的選手の周りを経験を積んだ選手たちが盛り立て、地元岩手で6年ぶりのドーム進出を目指しに行く。
七十七銀行は先制を食らった直後に主軸打者の本塁側で試合はひっくり返したが試合全体通じて3安打に終わった攻撃力が反省点。ディフェンス力に定評があるだけに自らを優位に持っていく戦い方をどうしていくか見て行きたい。
最後に自分自身毎日新聞を購読していないので、催し事があることを知らなかったんですね。今回も仙台ターミナルビル社ご協力もあり、試合折り返し地点での楽しみ抽選会、そして球場近くにキッチンカー。グルメショッピングも楽しめる都市対抗となっています。正直、東北の社会人野球でこの光景を見られると思ってもみませんでしたが、それで野球場を来られた方が少しでも楽しめれば何よりです。
最後に。大会係員として岩手県内クラブチームの方々が尽力されていました。日常生活忙しい中のご協力ありがとうございます。今日も天候など様々気をつけて野球場にご来場ください。長いおつきあいありがとうございました。