10月14、15日に行われた北上市長杯大会ですが、大会初日こそ好天に恵まれましたが、大会2日目は同じ“こうてん”でも荒い方の荒天の中での開催となりました。行われた9試合の結果を一球速報ホームページ(https://baseball.omyutech.com/)情報を元に雑感を記します。
▽一回戦 北上REDS3―2 青葉クラブ
地元開催でいいところを見せたい北上が三回に先制をすると、六回にも追加点。青葉クラブが七回に同点に追いつくが、北上はすぐ裏に勝ち越し。以降の青葉の反撃を許さず北上が一回戦を突破した。
▽一回戦 花巻硬友倶 2―0 黒陵クラブ
今シーズン1勝と意気込む花巻がこれまでの敗因だった大量失点を防ぐ戦いぶりを見せたが、黒陵が二回に先制、五回にも追加点をあげ試合を掌握し、花巻打線を完封し逃げ切った。
▽二回戦 能代松陵ク 4―3 遠野クラブ
▽二回戦 一戸桜陵ク 9―2 北上REDS
1日2試合を戦う北上は、今シーズン勢いを見せている一戸相手に中盤までは2―3と競り合ったが、一戸は終盤に攻撃力を見せ七回に2点、八回に4点をもぎ取り、八回コールドで2日目に進出した。
▽二回戦 矢巾硬式ク 12―3 盛岡球友倶
初回に3得点をあげた矢巾が、三回には打者一巡の猛攻を見せ一気に9点奪取し試合を掌握した。盛球は三回裏に1点、七回にも2点を返したが、劣勢を盛り返すことができず無念の敗退。
▽二回戦 盛友クラブ 4―3 黒陵クラブ
こちらも1日2試合目に臨んだ黒陵は激しく盛友に食らいついたが、四回に奪われた3点で流れを明け渡す格好に。九回に2点を返し激しく追い上げたが、大会2日目進出までは届かなかった。
大会初日は遠野―能代の試合が延長12回まで行われた影響で、北上―一戸の試合終了が日暮れ以降になったのが印象的でした。この時間だと見に行けたかもしれないなと思いましたが、情報を得る力が落ちてますね。申し訳ないです。
そして大会2日目ですが、天気が一転雨祭りの模様の中、気温も低くなる状況での試合となりました。
▽準決勝 能代松陵ク 7―4 一戸桜陵ク
前回大会チャンピオン一戸は今シーズンの実績で上回る能代にもひるまず挑み、四回まではリード。しかし能代は五回に同点に追いつくと、七回に一挙四点をあげ試合の流れを持ってくる。一戸も諦めずに反撃はしたが、九回にダメを押され、能代が決勝進出。
▽準決勝 矢巾硬式ク 11―1 盛友クラブ
これまでの実績を鑑みれば接戦を期待されたカードだが、矢巾は二回に六点をあげると、終盤七回にも大量5点をあげ、一気にコールドに持っていった。盛友は初回先制したが、2度の大量失点が響いた。
悪天候の中始まった試合は、能代が先手をとっては矢巾が追いつくという展開が六回まで続き、七回に矢巾が3点を取りリードしたかと思ったが能代が八、九回の攻撃で優位に。しかし矢巾は諦めず九回裏に逆転サヨナラでこの大会初優勝を決めた。
例年、この大会には奥州市の強豪水沢駒形、オール江刺も参加していますが、近年は他大会日程の事情もあり不参加。「内陸チームのステップアップを目指す大会」となっています。
矢巾は東北クラブカップ優勝の実績も持ち、地理的に盛岡、花巻の有力校出身者も加わりやすく、独立リーグにも選手を輩出したチームですが、県内を突き抜ける成績までは残せていない状況が続いていました。しかし今大会で3試合勝ち抜いて優勝した、というのは同じ3連勝でも自信になるのではないでしょうか。
前回優勝チームの一戸は都市対抗東北を経験した能代に一歩及ばず。盛友クラブも1勝しましたが矢巾に集中的な攻撃を食らって敗れました。遠野、花巻は緒戦で敗れましたが、今年のうっ積を晴らす戦いはできた、と見ます。地元の北上REDS、黒陵クラブはともに一回戦を勝利し、1日2試合を戦った経験が次年度に生きればと思っております。感染症対策で県をまたいでの大会参加が自重されていましたが、今年は久し振りに秋田から能代松陵、宮城から青葉クラブが参加しました。能代も決勝進出まで戦えたことは来年の布石になるでしょう。
社会人野球はどうしても都市対抗だの日本選手権、クラブ選手権といった「全国につながる大会」がクローズアップされますが、どのチームにも活躍する芽があるという趣旨で運営している大会もあります。この北上大会もしかり。見に行けなかった分際で言うのも難ですが、こういう場で一生懸命戦ったことが後に生きていただければ、と願っております。
おつき合いいただきありがとうございました。次回は東北連盟大会について記述します。