10月26、27日に花巻市営球場で行われた岩手県アマチュア王座決定戦は、これまでと変わった形式で行われました。
アマ王座決定戦のクラブの部はクラブ野球選手権県優勝の水沢駒形、東北連盟会長大会県予選準優勝のオール江刺、東北クラブカップ進出の盛友クラブに開催地から花巻硬友倶の4チームトーナメントで優勝を争います。また、トヨタ自動車東日本とJR盛岡で争われる企業の部は2試合の対抗戦に。そして何よりもこの大会のルールで目を引いたのは「七回以降は試合時間が2時間を経過していた場合、そのイニングで試合終了」という規定です。一球速報ホームページ(baseball.omyutech.com)を元に試合結果を記します。
・10月26日開催
▽クラブの部一回戦 水沢駒形倶 10-5 花巻硬友倶
今年もクラブ東北準優勝・全国一勝果たした駒形が優位と思われていた対戦カードだが、近年復調を見せている花巻は駒形に食らいつく駒形は二回に3点をあげ突き放すかに見えたが、花巻は三、四回に4点をあげ5対7と食い下がる。しかし場数を踏んでいる駒形が6、8回に追加点をあげ8回終了で逃げ切った。
▽クラブの部一回戦 オール江刺 4-2 盛友クラブ
今シーズン前半に活躍を見せた盛友と秋の東北連盟岩手予選で意地を見せた江刺の対決は予想通り鍔迫り合いの展開に。しかし試合の折り返し六回以降、得点力を見せたのは江刺。六、八回に1点ずつ取ると、中盤以降盛岡の攻撃を抑え、八回終了で勝ち切った。
▽企業の部第1戦 トヨタ自東 9-4 JR盛岡
序盤2イニングは無得点で迎えた三回にトヨタが3点先制するとJR盛岡もすかさず同点に。この日のトヨタはその後の追撃を見せ四回に1点、六回に5点をあげると試合を掌握。JRは七回に1点を返したが、一歩届かず試合終了となった。
・10月27日開催
▽企業の部第2戦 JR盛岡 2-1 トヨタ自東
前日の接続を晴らそうとJR盛岡は三回に先制。その後前日を攻略を受けたトヨタ攻撃陣を抑え込んだ。トヨタは六回に1点を返したが反撃が利かず、八回時間切れで敗退。2試合合計の得失点差が効いてトヨタの優勝と相成った。
▽クラブの部決勝戦 オール江刺 1-0 水沢駒形倶
奥州市の宿命のライバルの対決は両者相手の攻撃力を潰す投手戦に。その中で先制したのは五回に1点をあげたオール江刺。試合後半も投手戦は続いたが、駒形に得点を許さず、江刺が優勝を勝ち取った。
▽毎日旗争奪戦 トヨタ自東 2-1 オール江刺
企業、クラブ各々に優勝の両チームで争う毎日旗争奪戦は両者点を取り合いでスタートするもトヨタは三回に追加点。その後は江刺投手陣も奮闘しトヨタ打線に得点を許さなかったが、トヨタ投手陣は江刺を抑えきり八回で時間切れ試合終了。毎日旗を獲得した。
この時期、私は野球に一切目を向けなかったので、「7回以降2時間オーバーイニングで試合終了」システムを知りませんでした。後日、目を向ける余裕ができた時に岩手日報で試合結果を確認したとき、「何でコールドの点差でもないのに七、八回で試合終わってるんだ」とはてなマークをつけながら閲覧してましたが、負担減考えればそれも一手法ですね。
近年、JABA・日本野球連盟管轄でない独自大会は12月でも開催する事例も見ます。だいぶ前に12月に九州連盟大会が行われていた様子を発見して驚きましたが、気候の変化はこういう状況を産むんですね。ただ、岩手はじめ東北では10月が限界です。
この大会で目を引いたのは花巻硬友倶。よくよく選手名簿・出場選手を見るとここ数年の間に入ってきた選手が着実に頑張っている様子が見えています。苦戦期から東北大会行きを果たした住田硬式クラブの初めの一歩と似たような感じに見えるんですね。あとは関わる人たちがどうチームを支え、つくっていくか注目していきます。
花巻の野球というと花巻東高校の男女野球部や元赤べこ軍団で都市対抗野球本大会本塁打経験者の安田慎太郎監督のもとチーム力を増している富士大学が目を引きますが、社会人野球では目立っていない部分もあります。かつては都市対抗野球本大会に出場した谷村新興があり、一時期は複数のクラブチームが存在した時期もありました。軟式や早起き野球まで目を向けるとかなり盛んな地域と言え、潜在的な熱意はあるところです。
花巻硬友倶は1997年に、前年解散した高清物産花友クラブメンバーを中心に結成。「トップクラスを追いかける存在」だった花巻東野球部出身の目を引いた選手と花友時代からのベテラン選手が融合。駒形や一関三星倶を追撃する立ち位置として激しく争ったチームは長年の活動の中で苦労もしながらチームは存続し歩みを進めてきました。今後の伸長を願うものです。
他のチームに関しては…実績を積んだ水沢駒形をオール江刺が突き破り、その江刺がトヨタ自東に公式戦2勝目になるかという場面もありましたが残念ながら一歩及ばず。企業2チームはこの大会を最後に人事異動・勇退する選手が関係者から発表がされ、多くの該当選手が「最後の一花」咲かせていました。ここまで長年の尽力に頭が下がる思いです。
今回の一連の記述ではここまで記してきました。まだ東北連盟会長大会岩手県予選の記述が残っていますが、この記事に関してはイニングスコアまで記す必要が出てきたので、年を越すことになってしまいました。2024年シーズンのまとめなどとともに早めに記述できるように努めます。