この項では東北地区連盟会長旗争奪野球大会を扱います。
この大会は1994年に始まった大会で、感染症の影響や大震災など開催条件が厳しい中でも開催をつなぎ今年で30回目を迎えました。企業の部は当初各県代表チームが出場していましたが、数年前から参加資格のあるチーム全てが出場するという形態をとっています。まずはその企業の部6試合の様子をお伝えします。
◎10月12、13日開催 会場:石巻市民球場
▽一回戦 JR東北 4-0 トヨタ自東
秋の日本選手権東北最終予選では不覚を取ったJR東北が試合序盤から攻勢をかけ、二回までに4得点。トヨタ自東は小刻み継投でJR東北の攻勢を三回以降はくい止めたが、攻撃陣がJR東北の2投手を打ち崩せず完封負けを喫した。
▽一回戦 七十七銀行 11-1 JR秋田
JR秋田は途中もつれ込む展開を見せたが、七十七銀行が地力を発揮。六回の7得点で一気にコールドに持って行った。JR秋田は3点を取られた二回に1点を開始したがもう1本追撃が欲しかった。
▽一回戦 TDK 1-0 JR盛岡
JR盛岡は躍進が期待される大船渡出身の投手が先発。この後全国大会を控えるTDKを相手に堂々のピッチング投球を見せ、五回の1失点のみに抑える。打線が援護したかったがTDK投手陣から得点を奪うことができなかった。
地元の日本製紙石巻とJR東北の戦いはシーソーゲームに。全般的に先手を取っていたのが日本製紙石巻。そこにJR東北が食らいつくという展開だが延長八回表に日本製紙石巻が1点リード。しかしその裏にJR東北が2点を逆転しサヨナラ勝ちを収めた。
▽準決勝 七十七銀行 3-0 TDK
TDKは主戦と目される投手が先発したが七十七銀行は二回に先制。その後も小刻みに点を重ね逃げ切った。TDKは反撃を期したかったが七十七投手陣の前にそれがならなかった。
先制したのは初回に先制したJR東北。その後しばらくはゼロ行進が続いたが、七十七銀行は五回に追いつくと六回に勝ち越し、七回にはだめを押し大差をつけた。JR東北は二回以降の攻撃に悔いを残した。
一方でクラブの部は10月12、13日にかけて河南中央公園球場で開催。こちらの方は6県の代表でトーナメントを争う形になりますが、選出方式は秋季の大会を利用してあるいはクラブ野球選手権の結果を元にした推薦など各県によって様々です。以下に結果を記します。
◎10月12、13日開催 会場:河南運動公園
▽一回戦 東北マークス6-0 全弘前倶楽部
地元開催かつ投手陣容が揃ったことで好勝負も期待された地元の全弘前だが、東北マークスが初回に先制すると毎回のように加点。全弘前はコールドには持ち込ませなかったが無得点終わった。
▽一回戦 エフコムBC 6-2 B-net/YAMAGATA
クラブ選手権全国準優勝の実績を引き下げ登場したエフコムはこの試合もYAMAGATAに先行。YAMAGATAは三回に1点を返すも、エフコムは中盤に畳かけて試合をリード。YAMAGATAは六回にも1点を返したが、若手投手陣が全国準優勝の洗礼を浴びた。
▽準決勝 水沢駒形倶 10-5 東北マークス
クラブ選手権全国を経験している両チームは予想通りの激しい鍔迫り合いを見せマークスが一時リード→駒形が追いつく展開に。5対5で迎えた七回に駒形が一気に5点勝ち越し。その裏のマークスの攻撃を抑え決勝進出。今シーズン途中に入部した投手が奮闘した駒形が決勝進出。
▽準決勝 エフコムBC 4-3 能代松陵ク
前日の余勢をかるエフコムだが能代は臆せず挑み、初回に2点先制。リードされた五回にも1点をあげ追いすがったが、エフコムは四回にも2点を加えリードすると能代の猛追をかわし決勝進出。
▽決勝戦 水沢駒形倶 4-2 エフコムBC
駒形は今季移籍してきた経験豊富な投手を先発に立て初回に先制。エフコムは二回に追いつきその後0行進を重ねるが、次の一手を踏んだのは駒形。六回に2得点をあげると先発投手が完投し7月のクラブ選予選の借りを返した。
東北の社会人野球はこの大会が納めの大会という位置づけになります。この後日本選手権出場チームや岩手県の場合はアマチュア王座決定戦がありますが、あちこちで「今年で上がり」かと思われる光景を目の当たりにしたりします。
最近は気候変動の影響で主催がJABAではない大会は12月にも開催されたりしていますがさすがに東北は無理です。日本選手権の最終予選も8、9月。野球シーズン全体考えると10月に行われるこの大会が締めとなって次へと向かっていく貴重な場です。引き続いて開催されればと願っております。