この項では日本選手権の東北地区最終予選大会に関して触れさせていただきます。9がつ9月27日に行われた大会第3日目の3試合については、先日記事にして書かせていただきました。その部分も含めて、この大会全体を振り返ります。
◎日本選手権東北2次予選
※秋田八橋→八橋、県立秋田こまち→県立。
一回戦・八橋 七十七銀行 11-0 三菱製紙八戸 ※7回コールド
一回戦・八橋 日本製紙石巻 7-2 フェズント岩手
一回戦・県立 きらやか銀行 10-0 ALL北嶺 ※8回コールド
一回戦・県立 NTT東北M 9-4 由利本荘BC
二回戦・県立 TDK 1-0 七十七銀行 ※延長13回
二回戦・県立 日本製紙石巻 22-1 会津BBC ※7回コールド
二回戦・八橋 NTT東北M 8-1 JR盛岡
二回戦・八橋 JR東北 2-2 きらやか銀行 ※延長14回引き分け
二回戦再試合・県立
◎日本選手権東北2次予選
※秋田八橋→八橋、県立秋田こまち→県立。
一回戦・八橋 七十七銀行 11-0 三菱製紙八戸 ※7回コールド
一回戦・八橋 日本製紙石巻 7-2 フェズント岩手
一回戦・県立 きらやか銀行 10-0 ALL北嶺 ※8回コールド
一回戦・県立 NTT東北M 9-4 由利本荘BC
二回戦・県立 TDK 1-0 七十七銀行 ※延長13回
二回戦・県立 日本製紙石巻 22-1 会津BBC ※7回コールド
二回戦・八橋 NTT東北M 8-1 JR盛岡
二回戦・八橋 JR東北 2-2 きらやか銀行 ※延長14回引き分け
二回戦再試合・県立
JR東北 2-0 きらやか銀行
準決勝・県立 TDK 9-2 日本製紙石巻
準決勝・県立 JR東北 9-2 NTT東北M
決勝戦・県立 TDK 5-0 JR東北
最優秀選手 大原慎司投手(TDK)
敢闘賞 森内寿春投手(JR東北)
打撃賞 石井大祐外野手(TDK)
まず、結果からいえば優勝を果たしたのはTDKでした。
緒戦となる二回戦で七十七銀行と延長13回の激戦の末サヨナラ勝ちで緒戦を突破すると、都市対抗予選では苦戦した日本製紙石巻の若手投手陣を攻め崩し大勝。決勝でもJR東北のエース・森内投手を攻略。5回までに5-0とし、そのまま快勝。3年ぶり8度目の全国大会進出を果たしました。
この大会では若手選手の登用も多く見えました。
投手陣でいえば大原、豊田両投手。彼らの好投を田口、阿部正大両投手が支えるという構図が見えました。打線でも鷺宮から移籍してきた佐々木外野手がイキのいい動きを見せていました。統合初年度、という事で色々と気苦労もあった事とは思いますが、それでもひとつの結果を出したことに恐れ入る次第です。
JR東北は後一歩が届きませんでしたが、東北3強の名に恥じぬたたかいを見せました。緒戦、手堅い野球をする山形きらやか銀行に延長14回を引き分けで終えましたが、次の日の再試合を西野投手の奮闘と適宜押さえた打力で勝ち抜き、NTTマークスの成長株・遠藤投手を打ち崩し決勝へ進出も、TDKには惜しくも及びませんでした。しかし、今大会で見せ所作った西野、猪原各投手はじめ、投手陣に成長の芽、打線も手ごわい存在というのには変わりません。来年への成長に期待です。
七十七銀行は組み合わせの不運もあり、二回戦でこのトーナメントを去る事となりました。それでもTDKに一歩も引かぬ試合をしたのは紛れもない事実。ここ2年で相沢さん、海老澤君、小河さんと一時代を築いた選手がグラウンドを離れました。新旧交代という難しい時期でも、なおかつ結果を出す事ができるあたりこのチームの強さを感じます。
来年は体制が変わるとか言う声も聞こえます。
どういう体制になっても、このチームの強さは変わらないでしょう。
続いては“東北三強”を追いかけるチームから。
一番輝きを放ったのは山形・きらやか銀行ではないでしょうか。
今年の夏から再び会社が責任を持つチームになったこのチーム。元々手堅い野球とキビキビとした動きには定評がありましたが、JR東北との2試合ではまさにチームの力を生かして、互角に戦った様子がうかがえます。
部員が16人でしたか。選手層が薄く、JRとの試合では投手が指名打者として出場する状態ですが、その指名打者として出ていた土谷投手が、次の日に好投。星選手も再試合につなげる思い切った打撃を見せました。
これからは補強も…という声もあるので、どういうチームを作るのか楽しみです。
一方、夏-都市対抗-では見せ所を作った日本製紙石巻は、フェズントに中盤以降優勢に立ち勝利、会津には2本塁打22得点をかまして圧勝と、ここまでは「夏の勢いそのまま」だ、と思いましたが、復讐に燃えるTDKには逆に現時点での欠点があぶりだされる事となってしまいました。
それでも指導陣、会社・応援団の支援強化、若手選手の加入などで成長見せているのも確か。あの熱意ある応援団のバックアップの元、更なる飛翔を期したい所です。
NTT東北マークスはベテランの域に達する吉田、高卒3年目の遠藤両投手が軸となり、中盤以降の攻撃で由利本荘、JR盛岡を破りましたが、JR東北には少しの隙をつかれ、予想以上の大差をつけられ敗退。
が、クラブ選手権の項でも触れましたが、遠藤投手は今年一年を通じて大きな成長を見せたのではないでしょうか。高卒ルーキーの加藤選手、ブランクあれども一年間セカンドを守りきった槙選手等、伊藤真志選手を筆頭としたマークスの将来を担う選手たちの成長、見ものですね。
そして、岩手のチーム。
真っ先に語れば、悔しい結果しか残せなかったのではないでしょうか。
東北三強を追いかける石巻、マークスに結果、大差をつけられての敗退でした。
JR盛岡はここ数年の成長著しく、都市対抗では東北大会でも一勝をあげ足場を作りましたが、この大会ではNTTマークスに最終回に大差をつけられ、1-8で敗れる結果となりました。一方、フェズント岩手も中盤までは競りましたが、終盤に突き放され、こちらも2-7での敗退という結果に。
どうしても大きい大会になればなるほどテンション上げて臨んで来る各チーム。普段から全国区チームとも争ってる石巻、マークスも「強い相手に挑み、道を切り開くため」というのを考えてたたかっているのでしょう。
もちろん、岩手のチームも「より上のたたかいに挑みたい」という思いでたたかっているのは当たり前すぎるほどの事実。この大会での悔しい結果をどう生かすか、楽しみにしたいですね。
高くジャンプするには、一回屈まなきゃ、という事で。
紹介しきれなかった4チーム。
由利本荘は07年のクラブ東北予選・同選手権以来の上位大会の進出。
終盤に突き放されもしましたが、途中まではNTTマークスと接戦を演じていました。ゴールデンリバース、秋田王冠、能代松陵とライバルに事欠かない秋田球界の中でどう見せ場作るか。工藤監督以下メンバーの頑張りに期待。
三菱製紙八戸は七十七銀行に0-11と大敗。
中々一勝するのも大変な青森勢。以前は八戸水道局が選手権に出場したという記録もありますが、どこが次の壁を破るか。自衛隊、ブルーズ、弘前、金木、青森との切磋琢磨を経て突破していただきたい所です。
ALL北峰と会津BBCは共に悔しい結果となりました。
これまで多く東北大会にコマを進めてきた中で、北峰も会津も久しぶりに名前を見ましたが、残念な結果となってしまいました。混戦状態が続く福島、県内での激しい争いを東北地区での結果につなげたいところです。
こうして勝ち抜いたTDKでしたが、選手権本戦では大和高田クラブに4-6で敗退。大和高田打線に15安打を食らい、打ち負けた格好となりました。
大和高田も支援体制は非常に厚く(都市対抗に補強が出せるほど)ここも普段から強豪チームとたたかっている事が影響している事とは思いますが、何にしても唯一の東北代表が結果を出せなかったのばかりが非常に残念でした。
ダルビッシュ有投手がいた頃の東北、菊池雄星投手を中心にまとまりのあった花巻東など、全国に出してもどーんと勝ち進むチームもありますが、どうしても「東北は弱い」というレッテル貼られやすい地域でもあります。
それだけに、試合の結果は結果としては仕方がないとしてたたかう場面では「相手の強さ受け止めた上で、それを上回る」という強い意志、そのための準備…など、打てる手全部売って、このたたかいに挑んでいただきたい、と切に願います。
釈迦に説法の類でなんですが、あえて。
ここまでずらずらと日本選手権・東北予選の結果を記させていただきました。
拙文・長文。お読みいただきましてありがとうございました。
準決勝・県立 TDK 9-2 日本製紙石巻
準決勝・県立 JR東北 9-2 NTT東北M
決勝戦・県立 TDK 5-0 JR東北
最優秀選手 大原慎司投手(TDK)
敢闘賞 森内寿春投手(JR東北)
打撃賞 石井大祐外野手(TDK)
まず、結果からいえば優勝を果たしたのはTDKでした。
緒戦となる二回戦で七十七銀行と延長13回の激戦の末サヨナラ勝ちで緒戦を突破すると、都市対抗予選では苦戦した日本製紙石巻の若手投手陣を攻め崩し大勝。決勝でもJR東北のエース・森内投手を攻略。5回までに5-0とし、そのまま快勝。3年ぶり8度目の全国大会進出を果たしました。
この大会では若手選手の登用も多く見えました。
投手陣でいえば大原、豊田両投手。彼らの好投を田口、阿部正大両投手が支えるという構図が見えました。打線でも鷺宮から移籍してきた佐々木外野手がイキのいい動きを見せていました。統合初年度、という事で色々と気苦労もあった事とは思いますが、それでもひとつの結果を出したことに恐れ入る次第です。
JR東北は後一歩が届きませんでしたが、東北3強の名に恥じぬたたかいを見せました。緒戦、手堅い野球をする山形きらやか銀行に延長14回を引き分けで終えましたが、次の日の再試合を西野投手の奮闘と適宜押さえた打力で勝ち抜き、NTTマークスの成長株・遠藤投手を打ち崩し決勝へ進出も、TDKには惜しくも及びませんでした。しかし、今大会で見せ所作った西野、猪原各投手はじめ、投手陣に成長の芽、打線も手ごわい存在というのには変わりません。来年への成長に期待です。
七十七銀行は組み合わせの不運もあり、二回戦でこのトーナメントを去る事となりました。それでもTDKに一歩も引かぬ試合をしたのは紛れもない事実。ここ2年で相沢さん、海老澤君、小河さんと一時代を築いた選手がグラウンドを離れました。新旧交代という難しい時期でも、なおかつ結果を出す事ができるあたりこのチームの強さを感じます。
来年は体制が変わるとか言う声も聞こえます。
どういう体制になっても、このチームの強さは変わらないでしょう。
続いては“東北三強”を追いかけるチームから。
一番輝きを放ったのは山形・きらやか銀行ではないでしょうか。
今年の夏から再び会社が責任を持つチームになったこのチーム。元々手堅い野球とキビキビとした動きには定評がありましたが、JR東北との2試合ではまさにチームの力を生かして、互角に戦った様子がうかがえます。
部員が16人でしたか。選手層が薄く、JRとの試合では投手が指名打者として出場する状態ですが、その指名打者として出ていた土谷投手が、次の日に好投。星選手も再試合につなげる思い切った打撃を見せました。
これからは補強も…という声もあるので、どういうチームを作るのか楽しみです。
一方、夏-都市対抗-では見せ所を作った日本製紙石巻は、フェズントに中盤以降優勢に立ち勝利、会津には2本塁打22得点をかまして圧勝と、ここまでは「夏の勢いそのまま」だ、と思いましたが、復讐に燃えるTDKには逆に現時点での欠点があぶりだされる事となってしまいました。
それでも指導陣、会社・応援団の支援強化、若手選手の加入などで成長見せているのも確か。あの熱意ある応援団のバックアップの元、更なる飛翔を期したい所です。
NTT東北マークスはベテランの域に達する吉田、高卒3年目の遠藤両投手が軸となり、中盤以降の攻撃で由利本荘、JR盛岡を破りましたが、JR東北には少しの隙をつかれ、予想以上の大差をつけられ敗退。
が、クラブ選手権の項でも触れましたが、遠藤投手は今年一年を通じて大きな成長を見せたのではないでしょうか。高卒ルーキーの加藤選手、ブランクあれども一年間セカンドを守りきった槙選手等、伊藤真志選手を筆頭としたマークスの将来を担う選手たちの成長、見ものですね。
そして、岩手のチーム。
真っ先に語れば、悔しい結果しか残せなかったのではないでしょうか。
東北三強を追いかける石巻、マークスに結果、大差をつけられての敗退でした。
JR盛岡はここ数年の成長著しく、都市対抗では東北大会でも一勝をあげ足場を作りましたが、この大会ではNTTマークスに最終回に大差をつけられ、1-8で敗れる結果となりました。一方、フェズント岩手も中盤までは競りましたが、終盤に突き放され、こちらも2-7での敗退という結果に。
どうしても大きい大会になればなるほどテンション上げて臨んで来る各チーム。普段から全国区チームとも争ってる石巻、マークスも「強い相手に挑み、道を切り開くため」というのを考えてたたかっているのでしょう。
もちろん、岩手のチームも「より上のたたかいに挑みたい」という思いでたたかっているのは当たり前すぎるほどの事実。この大会での悔しい結果をどう生かすか、楽しみにしたいですね。
高くジャンプするには、一回屈まなきゃ、という事で。
紹介しきれなかった4チーム。
由利本荘は07年のクラブ東北予選・同選手権以来の上位大会の進出。
終盤に突き放されもしましたが、途中まではNTTマークスと接戦を演じていました。ゴールデンリバース、秋田王冠、能代松陵とライバルに事欠かない秋田球界の中でどう見せ場作るか。工藤監督以下メンバーの頑張りに期待。
三菱製紙八戸は七十七銀行に0-11と大敗。
中々一勝するのも大変な青森勢。以前は八戸水道局が選手権に出場したという記録もありますが、どこが次の壁を破るか。自衛隊、ブルーズ、弘前、金木、青森との切磋琢磨を経て突破していただきたい所です。
ALL北峰と会津BBCは共に悔しい結果となりました。
これまで多く東北大会にコマを進めてきた中で、北峰も会津も久しぶりに名前を見ましたが、残念な結果となってしまいました。混戦状態が続く福島、県内での激しい争いを東北地区での結果につなげたいところです。
こうして勝ち抜いたTDKでしたが、選手権本戦では大和高田クラブに4-6で敗退。大和高田打線に15安打を食らい、打ち負けた格好となりました。
大和高田も支援体制は非常に厚く(都市対抗に補強が出せるほど)ここも普段から強豪チームとたたかっている事が影響している事とは思いますが、何にしても唯一の東北代表が結果を出せなかったのばかりが非常に残念でした。
ダルビッシュ有投手がいた頃の東北、菊池雄星投手を中心にまとまりのあった花巻東など、全国に出してもどーんと勝ち進むチームもありますが、どうしても「東北は弱い」というレッテル貼られやすい地域でもあります。
それだけに、試合の結果は結果としては仕方がないとしてたたかう場面では「相手の強さ受け止めた上で、それを上回る」という強い意志、そのための準備…など、打てる手全部売って、このたたかいに挑んでいただきたい、と切に願います。
釈迦に説法の類でなんですが、あえて。
ここまでずらずらと日本選手権・東北予選の結果を記させていただきました。
拙文・長文。お読みいただきましてありがとうございました。