今晩は。間もなくクラブ野球選手権東北二次予選が始まりますが、大会直前の企画として「現行予選形式19周年記念-東北二次予選をあらゆる角度から振り返る」と題してお送りします。その第一段は「各県出場チーム勝敗表」。短評も加えて記していきます。
なお、調査対象は
1)99年に東北二次予選が現行の方式になって以降。80年代に一時期行われていた「最終予選」は含まない。
2)06~08年予選で同時開催されていた「東日本クラブカップ進出戦」は含まない。
とします。
76年に始まったクラブ野球選手権。当初は東北を3~4ブロックに分け「福島」「宮城」「岩手」「山形・秋田・青森」で各々1チーム代表を決めていました。それが解消され6県代表で4枠を争うようになったのは99年からです。そこからの積み重ねを見てみます。
左からチーム名、東北大会勝敗、東北大会進出回数、同優勝回数、本大会進出回数。
【青森県】
弘前アレッズ 8-2、3/1/2
三菱製紙八戸 4-9、5/0/0
ブルーズYF 3-2、2/0/1
全弘前倶楽部 2-6、6/0/1
金木BLZ 1-8、5/0/1
オール青森ク 0-1、1/0/0
※金木BLZ→03年の羽柴ファイターズを含む。いまはキングブリザード。ブルーズYF→~ヨシフォレスト
青森県で最近力をつけてきた弘前アレッズ(写真左・17年都市対抗山口投手)。社会人野球にも精通する今関監督のもと昨年は全国一勝。それ以前に青森クラブチームを支えたのは全弘前。時に企業を破り青森代表として他県強豪と渡り合った。近年解散したオール青森も一度東北に。
キングブリザードは「羽柴秀吉」氏の支援を受けた03年に全国大会進出。吉幾三氏が立ち上げたブルーズヨシフォレストも一度全国に進出したが無理がたたったのか縮小&解散。三菱製紙八戸(写真右・13年クラブカップ)はクラブ化以降参戦も全国にあと一歩までは行くが…アレッズに追い付くか。
【秋田県】
Gリバース 22-8、10/4/7
能代松陵ク 5-5、4/0/1
大曲BBC 3-4、3/0/1
NA大校友ク 3-3、2/0/1
由利本荘ク 2-2、2/0/1
秋田王冠ク 2-2、2/0/1
※Gリバースはユーランドクラブを含める(別チームだが前身チーム)NA大→ノースアジア大
秋田の代表格はユーランド→Gリバース(写真左・13年クラブカップより)。本大会進出7回、東北優勝も4度。一度他チームの進出やチーム形態変更で苦しんだがTDK卒業選手の受け皿に。他に5チーム東北進出経験を持つがいずれも全国の舞台を一度は踏んでいる。勝ち抜いたチームの強さが見える。
能代松陵(写真右・13年クラブカップ東北予選より)は県内上位進出の頻度高い古豪。NA大クも長年の歴史有り。近年結成の由利本荘、大曲も本大会の経験有り。大曲は柳葉敏郎氏の後援もある。秋田王冠は秋田銀行の主力選手加入刺激に一度全国に進出。互大設備、秋田BCが名を連ねるか。
【山形県】
新庄球友ク 8-18、13/0/2
鶴岡野球ク 1-8、6/0/0
三川クラブ 0-1、1/0/0
※三川ク→マリーンBC酒田に変わった後廃部。
最大期7チームいたが5チーム(三川ク→MBC酒田、米沢ク、ニューイースト、東海大山形ク、日大山形ク)が活動休止。古くからの歴史を持つ新庄球友(写真左・14年クラブ選手権予選 高橋投手)、鶴岡ク(写真右・17年都市対抗東北予選 冨樫投手)が粘り強く活動。00年代初期は鶴岡が優位も半ば以降は新庄が優勢に。この間に2回新庄が全国に進出した。10年代は両者激しいつばぜり合い。きらやか銀に続いて地元快挙なるか。
【宮城県】
東北マークス 19-3、7/4/7
TFUクラブ 9-11、9/0/3
白山クラブ 2-7、5/0/0
HOKUTOBC 2-4、2/0/0
青葉クラブ 0-2、2/0/0
※東北マークス→10年までNTT~呼称。TFUクラブ→東北福祉大クラブ、HOKUTO→北杜学園ク
宮城での古豪は石巻日和が有名、ただチームの動態も激しい。20世紀末頃には大学の強豪東北福祉大のOBチームが、企業卒業組も加え躍進。白山クも選手の受け皿となっていたが東北予選では苦戦も。青葉クは七十七から小河捕手加入刺激に二度東北に。
そこに強力なチームが。NTT東北マークス(写真左・16年東北クラブカップより)がルール変更などもありクラブ選手権に参戦。不覚とる時もあるが東北に進出すれば全国行き10割。駒形と「東北2強」形成。ここ2年の不出来を取り返す。北杜→HOKUTO(写真右・15年東北クラブカップより)は学生主体のチーム。13年はドームにあと一歩。
【福島県】
オールいわき 7-8(5/0/3)
郡山BBC 4-9(6/0/1)
富士通Iク 4-4(3/0/2)
全白河クラブ 3-8(6/0/1)
福島硬友ク 3-5(3/0/1)
いわき菊田ク 2-4(4/0/1)
福島クラブ 1-5(4/0/0)
北斗野球ク 1-2(1/0/0)
須賀川クラブ 0-5(3/0/0)
二本松クラブ 0-3(3/0/0)
オール喜多方 0-2(1/0/0)
昨年全国ベスト4進出の富士通アイソテック(写真左・16年都市対抗予選 田積投手)。13年に活動を開始してから福島の中心的存在として活動し、今年の都市対抗では七十七銀行をも破った。当然郡山BBC以来の全国優勝を狙いにいく。だがそれまで福島を支えたチームをきちんと見ておきたい。
クラブ選三度全国に進出しているのはオールいわき(写真右・14年クラブ選手権予選 本田投手)。長年にわたり力を維持。同じいわき市からはいわき菊田クも06年にいわき対決を制し第5代表として本大会。福島市からは福島硬友が03年東北準優勝で西武ドームに。古豪福島クラブも雌伏経て東北一勝。県南の須賀川は10年周辺に強さを見せたがクラブ選では苦戦。二本松クは三度、喜多方、北斗も東北に進んだが突破ならず。全白河と郡山Bは共に6度東北に進出。共に一度ずつ全国の舞台も踏んだ。県No2評価とも言われる郡山EJはじめ東北未踏組も来年以降虎視眈々と狙う。
【岩手県】
水沢駒形倶 35-13(16/4/15)
オール江刺 17-15(10/0/6)
久慈クラブ 13-6(7/1/5)
赤崎野球ク 12-5(6/3/3)
高田クラブ 4-5(3/0/1)
赤べこ軍団 3-1(2/1/1)
オール不来方 1-1(1/0/0)
盛岡球友倶 0-2(1/0/0)
釜石野球団 0-1(1/0/0)
宮古倶楽部 0-1(1/0/0)
岩手県はこれまで41度の大会全てに代表を送り出している46都府県唯一の県。その中でも大正時代に作られた古豪水沢駒形(写真上左・15年都市対抗予選より)は調査18大会のうち15大会本大会に進出する強さを見せる。同じ奥州市のオール江刺(写真下左・左から藤野、村岡両選手)は03年初出場後6度全国に。駒形と岩手2強を形成する。
奥州2強に対抗してきたのは沿岸の強豪。久慈クラブは00年代序盤に、赤崎野球ク(写真上右・15年クラブ選手権予選 山本投手)は同半ばに最盛期を迎え、久慈は全国ベスト4一回、赤崎は東北優勝三度成し遂げている。高田クラブは10年に「三度目の正直」で全国進出を経験したが、翌年の大震災で多大なダメージを受けた(写真下右・10年岩手アマ王座決定戦より 震災で犠牲になった金野潤也選手)。
06年に結成された「赤べこ軍団」は県内強豪を軒並み破りクラブ選ダントツ優勝。しかし翌年は未登録選手出場で没収試合の憂き目に。全国経験ある釜石、00年代序盤に不来方、同後半に宮古、14年に盛岡球友が東北に挑んだが各々に壁を越えられず涙をのんだ。
という具合で書いてきました。では各県ごとの数字を見てみます。
岩手県 85-50(48/9/31)
秋田県 37-24(23/4/12)
宮城県 32-27(25/4/10)
福島県 25-55(39/0/9)
青森県 18-28(22/1/5)
山形県 9-27(20/0/2)
以上東北二次予選特集第一段をお送りしてきました。第二段は99~16年の18回の予選を振り返ります。お付き合いありがとうございました。
[PR]クラブ野球選手権東北予選は11日開幕、山形県鶴岡市、酒田市を会場に行われます。お気軽にお越しください。
なお、調査対象は
1)99年に東北二次予選が現行の方式になって以降。80年代に一時期行われていた「最終予選」は含まない。
2)06~08年予選で同時開催されていた「東日本クラブカップ進出戦」は含まない。
とします。
76年に始まったクラブ野球選手権。当初は東北を3~4ブロックに分け「福島」「宮城」「岩手」「山形・秋田・青森」で各々1チーム代表を決めていました。それが解消され6県代表で4枠を争うようになったのは99年からです。そこからの積み重ねを見てみます。
左からチーム名、東北大会勝敗、東北大会進出回数、同優勝回数、本大会進出回数。
【青森県】
弘前アレッズ 8-2、3/1/2
三菱製紙八戸 4-9、5/0/0
ブルーズYF 3-2、2/0/1
全弘前倶楽部 2-6、6/0/1
金木BLZ 1-8、5/0/1
オール青森ク 0-1、1/0/0
※金木BLZ→03年の羽柴ファイターズを含む。いまはキングブリザード。ブルーズYF→~ヨシフォレスト
青森県で最近力をつけてきた弘前アレッズ(写真左・17年都市対抗山口投手)。社会人野球にも精通する今関監督のもと昨年は全国一勝。それ以前に青森クラブチームを支えたのは全弘前。時に企業を破り青森代表として他県強豪と渡り合った。近年解散したオール青森も一度東北に。
キングブリザードは「羽柴秀吉」氏の支援を受けた03年に全国大会進出。吉幾三氏が立ち上げたブルーズヨシフォレストも一度全国に進出したが無理がたたったのか縮小&解散。三菱製紙八戸(写真右・13年クラブカップ)はクラブ化以降参戦も全国にあと一歩までは行くが…アレッズに追い付くか。
【秋田県】
Gリバース 22-8、10/4/7
能代松陵ク 5-5、4/0/1
大曲BBC 3-4、3/0/1
NA大校友ク 3-3、2/0/1
由利本荘ク 2-2、2/0/1
秋田王冠ク 2-2、2/0/1
※Gリバースはユーランドクラブを含める(別チームだが前身チーム)NA大→ノースアジア大
秋田の代表格はユーランド→Gリバース(写真左・13年クラブカップより)。本大会進出7回、東北優勝も4度。一度他チームの進出やチーム形態変更で苦しんだがTDK卒業選手の受け皿に。他に5チーム東北進出経験を持つがいずれも全国の舞台を一度は踏んでいる。勝ち抜いたチームの強さが見える。
能代松陵(写真右・13年クラブカップ東北予選より)は県内上位進出の頻度高い古豪。NA大クも長年の歴史有り。近年結成の由利本荘、大曲も本大会の経験有り。大曲は柳葉敏郎氏の後援もある。秋田王冠は秋田銀行の主力選手加入刺激に一度全国に進出。互大設備、秋田BCが名を連ねるか。
【山形県】
新庄球友ク 8-18、13/0/2
鶴岡野球ク 1-8、6/0/0
三川クラブ 0-1、1/0/0
※三川ク→マリーンBC酒田に変わった後廃部。
最大期7チームいたが5チーム(三川ク→MBC酒田、米沢ク、ニューイースト、東海大山形ク、日大山形ク)が活動休止。古くからの歴史を持つ新庄球友(写真左・14年クラブ選手権予選 高橋投手)、鶴岡ク(写真右・17年都市対抗東北予選 冨樫投手)が粘り強く活動。00年代初期は鶴岡が優位も半ば以降は新庄が優勢に。この間に2回新庄が全国に進出した。10年代は両者激しいつばぜり合い。きらやか銀に続いて地元快挙なるか。
【宮城県】
東北マークス 19-3、7/4/7
TFUクラブ 9-11、9/0/3
白山クラブ 2-7、5/0/0
HOKUTOBC 2-4、2/0/0
青葉クラブ 0-2、2/0/0
※東北マークス→10年までNTT~呼称。TFUクラブ→東北福祉大クラブ、HOKUTO→北杜学園ク
宮城での古豪は石巻日和が有名、ただチームの動態も激しい。20世紀末頃には大学の強豪東北福祉大のOBチームが、企業卒業組も加え躍進。白山クも選手の受け皿となっていたが東北予選では苦戦も。青葉クは七十七から小河捕手加入刺激に二度東北に。
そこに強力なチームが。NTT東北マークス(写真左・16年東北クラブカップより)がルール変更などもありクラブ選手権に参戦。不覚とる時もあるが東北に進出すれば全国行き10割。駒形と「東北2強」形成。ここ2年の不出来を取り返す。北杜→HOKUTO(写真右・15年東北クラブカップより)は学生主体のチーム。13年はドームにあと一歩。
【福島県】
オールいわき 7-8(5/0/3)
郡山BBC 4-9(6/0/1)
富士通Iク 4-4(3/0/2)
全白河クラブ 3-8(6/0/1)
福島硬友ク 3-5(3/0/1)
いわき菊田ク 2-4(4/0/1)
福島クラブ 1-5(4/0/0)
北斗野球ク 1-2(1/0/0)
須賀川クラブ 0-5(3/0/0)
二本松クラブ 0-3(3/0/0)
オール喜多方 0-2(1/0/0)
昨年全国ベスト4進出の富士通アイソテック(写真左・16年都市対抗予選 田積投手)。13年に活動を開始してから福島の中心的存在として活動し、今年の都市対抗では七十七銀行をも破った。当然郡山BBC以来の全国優勝を狙いにいく。だがそれまで福島を支えたチームをきちんと見ておきたい。
クラブ選三度全国に進出しているのはオールいわき(写真右・14年クラブ選手権予選 本田投手)。長年にわたり力を維持。同じいわき市からはいわき菊田クも06年にいわき対決を制し第5代表として本大会。福島市からは福島硬友が03年東北準優勝で西武ドームに。古豪福島クラブも雌伏経て東北一勝。県南の須賀川は10年周辺に強さを見せたがクラブ選では苦戦。二本松クは三度、喜多方、北斗も東北に進んだが突破ならず。全白河と郡山Bは共に6度東北に進出。共に一度ずつ全国の舞台も踏んだ。県No2評価とも言われる郡山EJはじめ東北未踏組も来年以降虎視眈々と狙う。
【岩手県】
水沢駒形倶 35-13(16/4/15)
オール江刺 17-15(10/0/6)
久慈クラブ 13-6(7/1/5)
赤崎野球ク 12-5(6/3/3)
高田クラブ 4-5(3/0/1)
赤べこ軍団 3-1(2/1/1)
オール不来方 1-1(1/0/0)
盛岡球友倶 0-2(1/0/0)
釜石野球団 0-1(1/0/0)
宮古倶楽部 0-1(1/0/0)
岩手県はこれまで41度の大会全てに代表を送り出している46都府県唯一の県。その中でも大正時代に作られた古豪水沢駒形(写真上左・15年都市対抗予選より)は調査18大会のうち15大会本大会に進出する強さを見せる。同じ奥州市のオール江刺(写真下左・左から藤野、村岡両選手)は03年初出場後6度全国に。駒形と岩手2強を形成する。
奥州2強に対抗してきたのは沿岸の強豪。久慈クラブは00年代序盤に、赤崎野球ク(写真上右・15年クラブ選手権予選 山本投手)は同半ばに最盛期を迎え、久慈は全国ベスト4一回、赤崎は東北優勝三度成し遂げている。高田クラブは10年に「三度目の正直」で全国進出を経験したが、翌年の大震災で多大なダメージを受けた(写真下右・10年岩手アマ王座決定戦より 震災で犠牲になった金野潤也選手)。
06年に結成された「赤べこ軍団」は県内強豪を軒並み破りクラブ選ダントツ優勝。しかし翌年は未登録選手出場で没収試合の憂き目に。全国経験ある釜石、00年代序盤に不来方、同後半に宮古、14年に盛岡球友が東北に挑んだが各々に壁を越えられず涙をのんだ。
という具合で書いてきました。では各県ごとの数字を見てみます。
岩手県 85-50(48/9/31)
秋田県 37-24(23/4/12)
宮城県 32-27(25/4/10)
福島県 25-55(39/0/9)
青森県 18-28(22/1/5)
山形県 9-27(20/0/2)
以上東北二次予選特集第一段をお送りしてきました。第二段は99~16年の18回の予選を振り返ります。お付き合いありがとうございました。
[PR]クラブ野球選手権東北予選は11日開幕、山形県鶴岡市、酒田市を会場に行われます。お気軽にお越しください。