MBC野球発信局-袖番号96 伊東勉のページ。

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CK32 花巻東センバツ準優勝。次の目標に向けて歩いていこう。/思い出した1993の夏。

 こんばんは。伊東です。
 4月1日にちなんだ記事書ければよかったのですが、いかんせん言う事聞かない体抱えるとつらいんですよ…。で、気づいてみたら2日経ってしまい、決勝戦も終わっていました。

 結果から言えば、岩手から出場していた花巻東は準決勝で利府高校に5-2で勝ち決勝進出。決勝戦では長崎の清峰高校と対戦し、花東・菊池雄星投手と清峰の今村投手で熾烈な投手戦になりましたが、7回に2アウトからランナーを出してしまい、直後の打者(橋本遊撃手)に二塁打を浴び1失点。その一点が決勝打となり、花巻東は善戦及ばず準優勝に終わってしまいました。

 選抜された32校の中で、4回勝ち抜いての準優勝。
 どうにもその熱意とは別に軽く見られがちな岩手の野球を「俺たちはやればできる」とがんばり、ここまでの結果を出した花巻東野球部には、多くの人が元気付けられ、励まされたのではないでしょうか。その健闘に心から敬意を表します。
 とはいっても、当事者のコメントを見る限り「悔しい」という言葉が多く出ていましたね。
 自分は「勝ち負け」には強くこだわらないで記事を書いてきましたが、その一方で「試合に臨む際は『その試合に勝つこと』を目的」とする事に関しては当たり前だ、という立場でもモノを書いてきました。それは、たとえ対戦相手が一枚、二枚上手でも同じ事。
 シンプルな考えですが、それを徹底さすという事は実に大変です。
 花巻東野球部に集った今回のメンバーは『このメンバーで全国を制する』という強い思いを抱いて集まった、という話です。一人一人ではくじけそうになる事もあったかとは思いますが、それでもたくさんの人が支え、支えられて頑張ったことでしょう。
 そうしてリベンジを狙う夏ですが、岩手県もそう簡単には勝たせてくれるチームはありません。

 前年代表で、金沢、伊東の二本柱を軸にたたかう盛岡大附
 万全の投手力センバツ漏れの悔しさ晴らさんとする一関学院
 個々のメンバーに力を持つ専修大北上、盛岡中央。
 公立勢でも力のあるチームは多い。
 中学優勝メンバーの大半が集結。全国出場狙う福岡。
 文武両道。08年夏に旋風起こした主軸が残る盛岡一高

 そして“最後の夏”をいい結果残そうと牙を研いでいる各高校。
 こういうチームとのつばぜり合いが、より高く、自分を高めてくれる。
 どこかのマンガで30何年連続で甲子園に出場し、予選はほとんどお遊びというチームもありましたが(※1)正直この高校がとる行動のどこに面白さがあるのか。つまんない青春だな、と思ってみていました。
 この岩手の構図を見る限り「つまんない青春はない」と思いますね。
 個々の高校が持つ「強い思い」が集まる夏の大会、今から楽しみです。

※1 桐山光侍さんが週刊少年サンデーに連載していた「戦国甲子園」。作中に登場する「石田高校」は30年連続で甲子園に出場し、予選大会はスコアを調整して遊ぶ様子も描写されていました。準決勝のPLをモチーフにした名前の高校相手に7回コールド50-0、決勝は「31大会連続出場」から大阪桐蔭高校をモチーフにした名前の高校相手に31-0で勝った。
 主人公の在籍している「徳川高校」は、過去に一度石田相手に接戦を演じた事もあったが、天候不良もあり試合中断、敗退。その子供たちが親の無念を晴らす、というのが話の筋です。
 左の好投手に強い思いを抱いて集まったメンバーたち。
 この話を聞くと、思い出すのは私もそうですし、花巻東の佐々木監督も同じ時間をすごした1993年の岩手高校野球を思い出します。
 この年本命視されたのは久慈商業高校(統合されて今は久慈東高校)。
 左の好投手・宇部秀人を擁し、久慈地区では有数の強さを持った久慈中の主要メンバーが「このメンバーで甲子園を」と久慈商に集まりました。
 二年の夏に県ベスト4。秋、春と岩手県を制したチームの夏の大会の組み合わせは、一言で言えばとんでもないものでした。

 勝ち進めば、対戦する高校がみな「甲子園を争うチーム」ばかり。
 実際、2回戦から見てみますと…
 二回戦 前年甲子園出場の一関商工(現・一関学院)。
 三回戦 「大物食い」「スキのない野球」が売りの花巻東
 四回戦 花巻地区の有力チーム花巻北。
 準々決勝 チーム力強化果たし強豪の仲間入りした盛岡大附属(※3)。
 準決勝 夏に入り勢いつけた強力打線住田。
 決勝 まとまりある野球で力つけた古豪盛岡一高

 一試合勝つだけでも大変だというのに、それを連続で勝ち抜かなければならない中、久慈商は商工に完勝、花巻東に競り勝ち、花巻北にはコールド。盛大附相手に逆転勝ち。住田には1-0でせり勝った後、決勝は12-3とスコアは広がりましたが、8回までは2-3とリードを許していたのを逆転するという、厳しい戦いを勝ち抜いて、甲子園出場を果たしたのでした。
 そして、甲子園。
 いまやメジャーリーガーとなった川上憲伸投手の徳島商業に、8回まで7-0とリードしていましたが…。野球の厳しさを乗り越え、つかんだ甲子園で、また別な厳しさを味わう大逆転の敗退。

 この頃の岩手高校野球は、私立高校といえど絶対の差があるわけではなく、いわば甲子園に出られるという意味での候補はかなり幅広くあった状態でした。私の知り合いの方は「有力選手が分散しているから甲子園では勝てない」と語っていましたが、それでもどのチームがどのチームと対戦してもかなり熱いたたかいを見せられる、こういうものがあった、当時の状況が好きでした。

※3 チーム力強化果たしたのはすごいのですが、レギュラー全員が岩手県外出身にも驚きました(背番号9の選手が県内出身ですが、ライトのレギュラーは背番号10)。
 この年と次の年はベスト4がすべて公立高校(※2)。95年からは私立高校が甲子園に出場という状態がずっと続いている岩手の野球ですが、公立私立というよりも、強い思いを抱き、一つ一つの試合に強い思いを抱いてたたかった結果が残ればそれでいい。今回の花巻東が残した結果は、準優勝という結果がすごかったのもそうですが、それ以上に全国の強豪と呼ばれるチームに対して臆せず挑み、結果を残した。その事が心震わせる事になったのではないでしょうか。

 何かに挑む、挑戦するということが、難しく、あるいはその行動に対して躊躇させられるような状況が起きやすい世にあって、「挑戦すること」にぶつかった、野球の花巻東、新体操の盛岡市立(選抜大会優勝)他多くのチャレンジャーに改めて敬意をもち、これからの『挑戦』に堂々とぶつかってください、とエール送らせていただきます。

 なんか、いつものごとくグチャグチャになってしまいましたし、もっと花巻東にフォーカス当ててモノ書ければ良かったのでしょうが、ま、そこはついつい「他の人とは違う視線でモノを見る」私の悪癖が顔出してしまいまして…。どうかご勘弁ください。

※2 93年 久慈商、住田、盛岡一高、花北商業(現・花北青雲)
   94年 一関一高、高田、大船渡、盛岡第四。 
 という事で、今日も1つ拙文書かせていただきました。
 いつもお読みいただきありがとうございます。
 今日はここで失礼します。


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