MBC野球発信局-袖番号96 伊東勉のページ。

17年9月から移籍。こちらでは社会人野球など野球中心の記述をします。

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2018社会人野球 ウイン北広島、二度の大差を跳ね返し一勝!−クラブ野球選手権1日目の結果と2日目出場チームの見所。

 かなり遅くなってしまいましたが、クラブ野球選手権1日目の結果をお伝えいたします(情報基:日本野球連盟 jaba.or.jp)。本来であれば四日間15試合をまとめてお送りすべきですが、私が実際に見たウイン北広島−ロキテクノBCの試合は独立した記事として詳細にお送りするので、クラブ野球選手権の記事としては「大会1日目結果&2日目に出場するチームの紹介」で一記事、「大会2、3日目の試合結果」「大会4日目の試合結果」という3段階に分けてお伝えいたします。そもそも今何月だという話ですが、ま、何も書かないよりはマシだと思ってどうぞどうぞお付き合いくださいませ(土下座)。記事内は敬称略します。

◇和歌山箕島球友会 4−1 弘前アレッズ

 敗者決定戦を勝ち上がって全国大会に進んできた弘前アレッズはエース山口が先発も、経験に勝る箕島が三回に先制。四回にアレッズが根深のタイムリーヒットで追いつくが、すかさず箕島は突き放し六回にも駄目を押して逃げ切った。アレッズは箕島の7長打の猛攻、さらに4エラーがありながらも必死に堪えたが届かなかった。

◇ビッグ開発BC 5−4 REVENGE99

 念願の初全国大会となったREVENGE99は勢いそのままに先手を取り、五回までに3−0でリードする。しかし一昨年の全国優勝チームビック開発も逆襲し八回までに3−3と同点に追いついた。REVENGEが九回に勝ち越し、元プロ選手中川→同高木の継投で抑えにかかったが、ビッグ開発が底力を見せ直し逆転サヨナラ勝ち。REVENGEはあと一歩まで迫った勝利を逃した。

◇ゴールデンリバース 2−0 所沢グリーンBC

 地元開催でいいところを見せたい所沢グリーンは柄澤、 ゴールデンリバースも前年一勝をあげた小沼と企業チームでも奮闘した両エースが登板、予想通りの接戦となった。リバースは長年チームを支える岩見、今期TDKから移籍してきた強打菊池の適時打で2点を奪い、小沼はそのまま所沢打線を封じ完封勝利。所沢に在籍する元フェズント岩手・土岐は2安打放つも届かなかった。

◇ウイン北広島 11−8 ロキテクノBC

RBC 8=021005000

北広島 11=10110035A

 最初にも記しましたが第4試合のウイン北広島たいロキテクノの試合は別に記事を起こして期待することにします。この後は『大会2日目』の見所として書いた記述ですが、試合は3ヶ月前にとっく終わったので『チーム紹介』として見てやってください。

◆第1試合 富士通アイソテック−MSH医療専門学校

 東北マークスすらコールドで破り東北王座を勝ち取った富士通は、6月以降の公式戦で本間以外の投手を重用して戦い高橋などが成長。打線もこれまで村島や八百板の影に隠れていた鈴木が個人表彰受ける活躍を見せるなど、チーム力は増している。都市対抗ではJR盛岡に前年の復讐をくったが、2年前は最終日まで勝ち上がった経験も。目指すは92年準優勝の郡山BBC以上、全国制覇だ。

 MSH専門学校は13年以来2度目の出場。柔道整形福祉士などを育成する専門学校で、近年は年上年代のチームに苦しんだが、今年はク選予選(福山大会)で中国クラブ最上位につけ中四国二次予選進出。その間に都市対抗二次予選進出戦は敗退したが、ク選二次予選はMJG島根を返り討ちにすると松山にも2本塁打で5点叩き込み本大会を決めた。前回以上を狙う。

◆第2試合 大和高田ク−茨城ゴールデンゴールズ

 かつての“欽ちゃん球団”から、今や稲敷市密着の野球チームとして片岡安祐美監督を先頭に頑張る。今年は都市対抗の北関東地区予選にも進出、ク選では強豪が集まるブロックに入るも、オール高崎にコールド、YBC柏に勝ち抜き本大会に。片岡と並ぶ象徴的な存在の二刀流岩田も活躍する一方で新たに門をたたく選手も多く、変わらぬ力を維持している、13年大会の全国優勝チームは今年も最良の結果を求めて戦いに挑む。

 結成してから20年余の大和高田クは5年連続17回目の出場。都市対抗予選と兼ねた県予選優勝。都市対抗こそ京都・滋賀・奈良一次最終予選で2連敗したが、ク選の二次予選はOBC高島に3−1、三菱京都DPに7−0と勝ち、東近畿地区を突破した。

 10年には都市対抗本大会、11年にはク選本大会優勝。応援団も“やーやどー”から始まるコールは名物の域。ライバル箕島越えて優勝を目指す。

◆第3試合 東北マークス−NOMOク

 21世紀初めにNTT野球部が東西2チームに統合、各地でクラブチーム化も図られ、その中でも独自性をもって発展を見てきたのが東北マークス。NTT東北や廃部したJTの選手が移り、個々の力強さで企業に対抗、クラブで勝ち上がる様子を見ていたがその選手たちもだんだんに引退。入れ替わりで入ってきた腕自慢の選手たちが新たな東北マークスを作り続けている。一関大会優勝で強さを見せる反面、東北の企業チームやクラブ選手権の上位にその壁を感じさせられる戦いを見るときも。去年は箕島に侮辱的なコールド敗退も、今年こそは全国で勝ち上がり箕島に復讐を果たしたい。

 NOMOベースボールクラブは野茂英雄投手が音頭をとり03年に結成。05年にはクラブ選手権優勝&都市対抗出場など、この時期起きた「クラブチームムーブメント」の先陣を切ったが、活動地域を兵庫に移転するなど雌伏の時期もすごし、10年ぶりに本大会に帰ってきた。

 都市対抗は関メディ学院に敗退。ク選二次予選、箕島には3−9で敗退も、泉州野球団、兵庫県警桃太郎相手に勝っての本大会、まずは一勝を目指す。 

◆第4試合 全足利クラブ矢場とんブースターズ

 クラブ野球といえば、すぐ名前が出てくるのが足利。本大会に出てくるのが当たり前とみられている中で近年は全栃木やコットンウェイに苦しむも、関東地区予選で2試合コールドで本大会に。去年は関東予選敗退で本大会を逃したが、04年大会以来の優勝を目指す。都市対抗でも北関東4強の一角を担う強豪は、市民応援団のバックアップを受けながら戦っていく。

 矢場とんブースターズは16年以来2度目の出場。都市対抗二次予選では企業チームに2連敗という結果だったが、ク選愛知予選では初戦であたったエディオン愛工大ブリッツに競り勝つと、ジェイグループとの同業対決に勝ち東海二次予選に。二次予選では三重高虎に苦しんだが、浜松ケイスポーツに競り勝って本大会進出を決めた。前回出場時は山口防府に集中打をくらい敗戦。今度こそ全国一勝をめざす。

―2日目登場8チームの紹介は以上。2〜4日目の試合結果はエントリを改めて行います。おつきあいいただきありがとうございます。

2018社会人野球-岩手県各チームの戦いを振り返る(後編)

 思ったより文字数が多くなりすぎてエントリを分けざるを得ませんでした。後半部分スタートです。記事中は敬称略します。

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◆MKSI BC 5勝5敗

都市県四回戦、ク選県二回戦、CC県準決勝

毎日秋ク二回戦、北上二回戦

◆赤崎野球クラブ 4勝5敗

県知事一回戦、都市県四回戦、ク選県準決勝

一関一回戦、CC県二回戦

◆一戸桜陵クラブ 4勝5敗

都市県三回戦、ク選県二回戦、CC県三回戦

弘前一回戦、毎日秋ク二回戦

◆北上REDS 4勝4敗

都市県二回戦、ク選県準決勝、CC県三回戦、北上一回戦

◆遠野クラブ 4勝4敗

都市県三回戦、ク選県二回戦、CC県二回戦、北上大会準優勝

《表彰選手》

 佐々木隆也(北上敢闘)

→県内大会で見せどころをつくった5チームから。MKSIは参加5大会でコンスタントに勝ち星。去年は都市対抗県ベスト4など経験を積み重ね熟成中のチームは来年さらなる脱皮を目指します。一戸桜陵クも各種大会で存在感。特に中心打者の中道、築館に投手でも米田、川向各選手が成長。岩手県北の雄として弘前大会にも出場し12年クラブカップ以来の東北行きを目指します。

 北上REDSは何と言ってもクラブ選手権県予選準決勝進出。高橋郡投手が三連投し勝ち上がりましたが、高橋一人では負担かかる、と後半戦では他の投手も後に続こうとする様子も見え奮闘。84年県クラブ選手権、00年北上大会以来の3度目の優勝狙います。遠野クは平均的に力を発揮できる打線で都市対抗2勝。途中足踏みをしましたが、シーズン途中から加入した佐々木隆也投手の奮闘で北上大会ではオール江刺をも破り準優勝に。

 赤崎野球クラブはつなぎの攻撃陣の威力は相変わらず投手も右投手四人揃え、都市対抗で2勝を挙げ駒形にも善戦。クラブ選手権では準決勝進出、一関大会では全国屈指の強豪全足利とも戦い、クラブカップ→交流大会進出をを目指しましたが、釜石野球団の怒涛の攻撃の前に夢破れました。投手陣で佐々木純一投手の復帰、宮田投手の加入もあり、来年は重要なポジションで選手加入もあるようでここ数年間の苦戦を突破して存在感を見せたいところです。

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◆前沢野球倶楽部 3勝5敗

都市県三回戦、ク選県一回戦、CC県二回戦

毎日秋ク三回戦、北上三回戦

◆高田クラブ 3勝4敗

都市県三回戦、ク選県三回戦、CC県二回戦(棄権)

震災交流試合1敗

宮古倶楽部 3勝4敗

都市県二回戦、ク選県三回戦、CC県三回戦、毎日秋ク二回戦

◆盛友クラブ 2勝5敗

県知事一回戦、都市県二回戦、ク選県一回戦

CC県三回戦、毎日秋ク三回戦

◆花巻硬友倶楽部 2勝5敗

都市県二回戦、ク選県一回戦、弘前一回戦

CC県二回戦、北上二回戦

◆久慈クラブ 1勝4敗

都市県二回戦、ク選県二回戦、CC県一回戦、毎日秋ク一回戦

◆オール不来方 1勝2敗

ク選県二回戦、CC県二回戦

◆黒陵クラブ 1勝2敗

ク選県二回戦、北上一回戦

◆盛岡倶楽部 1勝2敗

都市県二回戦、ク選県二回戦

◆盛岡桜窓クラブ 1勝2敗

ク選県二回戦、CC県一回戦

→今シーズンは多くのチームが入れ替わり立ち代わりに存在感を見せた年となりました。前沢倶は毎日旗秋季大会でクラブ準決勝進出。北上大会でも富士大学に食らいつくなど高橋直人選手を中心に継続して勢いを保っています。高田クラブは都市対抗1勝、クラブ選手権で2勝、震災交流試合に招待され、全国出場の東北マークス相手に近年加入した選手が貴重な経験を積みました。宮古倶楽部はクラブ選手権で水沢駒形に食らいつくと、クラブカップでも2勝あげるなど投手陣の再構成も進み、上位進出をにらみます。

 一方で有望投手2人が加入し上位進出もあるのでは、と見られていた花巻が終わってみれば年間2勝。前年東北・北海道交流大会に進出した盛友クラブは番狂わせ敗退を相次いで起こし、マークを受ける厳しさというのを再び実感させられることとなりました。しかし秋の戦いでは持ち直す場面も見せるなど手強いチームの一つとであることは間違いありません。

 年間1勝は5チーム。久慈クラブはクラブ選手権で、オール不来方、黒陵クラブ、盛岡倶楽部、盛岡桜窓クも1勝に止まりました。後援体制を作って、より多くの大会でお目にかかりたいところです。

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◆一関BBC 0勝3敗

都市県二回戦、ク選県一回戦、一関大会一回戦

◆住田硬式クラブ 0勝3敗

都市県一回戦、ク選県一回戦、CC県一回戦

◆雫石クラブ 0勝3敗

ク選県一回戦、CC県二回戦、毎日秋ク二回戦

◆福高クラブ 0勝3敗

都市県二回戦、ク選県一回戦、CC県二回戦

富士大学 JABA大会3勝0敗

北上大会優勝

《表彰選手》

 山城 響(北上最優秀)

 黒島投真(北上首位)

盛岡大学 JABA大会1勝1敗

 定期戦2位

《表彰選手》

 高橋優樹(定期戦敢闘)

◆青葉クラブ 北上大会二回戦

能代松陵ク 北上大会二回戦

 残念ながら未勝利は4チーム。投手陣の再構築に迫られた一関、チーム加入条件を緩和した福高ク、選手の入れ替えも進む雫石クに新人近年加入選手がチームをもり立てている住田と並びます。前沢や一戸など、以前は年間1勝をあげるかどうかという部分で苦しんだチームが活動を継続し続けて、今ではしっかりとした存在を見せるチームになっています。このチームも「キッカケさえあれば」という部分はあるので、その発揮に期待します。

 岩手県連盟加入チーム以外の成績ですが、北上大会に参加した青葉ク、能代松陵クはともに初戦敗退。大学チームでは富士大が北上大会に参加し優勝。盛岡大はJR盛岡を破り定期戦2位に食い込むなどの成果をあげました。東北トップクラス全国で戦い続ける富士大の存在感は相変わらずですが、盛岡大も群雄割拠の北東北大学リーグの一部になんとかのし上がれるようになればと思います。

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 ここまで各チームの戦いぶりを見てきました。先にも言いましたがトヨタ東日本の都市対抗本大会進出と、クラブ選手権岩手県勢連続出場ストップと大きなエポックが続いた一年でありました。都市対抗の県予選開催形式も変わりより多くの試合をこなすことと実力のあるチームを上の大会に送り込むのとを両立させようと、さまざまな工夫がなされてる様子もずっと見てきました。

 その中で沿岸県南部チームにとって気がかりなのは、以前大槌大会(94〜10開催)がになっていた「経験の場」を失っていること。赤崎ク、高田ク、住田クといった気仙勢は8月にシーズンを終了してしまいました。大槌大会の復活を、というのも考えましたが、大槌球場は現在住宅地になり、大槌町自体が街をつくり直している最中でそういうのを考える余力はつくれない、と見ます。そこを踏まえて、沿岸南部地区のチームの戦う場をつくれないものかどうか。せっかく野球連盟に参加したのだから多く試合をしたいというのは言うまでもない当然のこと。探求は続けていこうと思います

 るる振り返ってきましたがいかがだったでしょうか。去年と違って今年は早々と継続するということは決めています。あるチームの一員という立場ではありますが、来年も一つでも多くのチームの戦いぶりを見続けられるように努めてまいります。

2018社会人野球-岩手県各チームの戦いを振り返る(前編)

 年始の忙しい中いかがお過ごしでしょうか。恒例の―まあ10年代前半はサボってましたが、黒歴史は忘れることにして―まとめ記事を記していきます。例年は年間勝利数の順番でチームの戦いぶりを書いていますが、今年に関してはここ30年成し得なかった偉業を達成したという部分を踏まえてトヨタ自東を先頭に記していきます。今年も岩手県の社会人野球を支えたのは企業でトヨタ自動車東日本、クラブで水沢駒形倶楽部。この2チームの戦いぶりから振り返っていきます。

◎省略→県知事(県知事旗春季)都市(都市対抗)ク選(クラブ選手権)CC(クラブカップ)毎日秋(毎日旗秋季大会、クor企は各々の部)自治体名は大会名省略、日本選手権は「東北予選」省略。アマ王座戦は開催しませんでした。

トヨタ自動車東日本 13勝13敗

静岡予選L敗退、東北予選L敗退

県知事旗優勝、震災交流試合1敗

都市県予選優勝、東北優勝、本大会一回戦

岩手定期戦優勝、日本選手権準決勝

毎日秋企優勝・毎日旗戦敗戦、東北会長一回戦

《表彰選手など》

 阿世知暢(年間B9、県知事最優秀、秋季企業最優秀)

 小野勝司(年間B9、都市県打撃、都市東北首位、秋季企業打撃)

 北見昂之(年間B9、都市東北最優秀)

 大谷龍太(年間B9、県知事打撃)

 後藤洋祐(年間B9、都市県打撃)

 林 竜希(都市東北打撃)

 中里優介(定期戦最優秀)

 関口 翔(定期戦打撃)

 三鬼賢常(年間監督賞)

 藤本泰輔(年間コーチ)

 応援団(都市東北特別賞)

◆水沢駒形倶楽部 15勝8敗

県知事二回戦、一関準優勝

都市県準優勝、東北第2T一回戦

ク選県優勝、東北敗者T決定戦、

毎日秋ク優勝・毎日旗戦勝利、東北会長準優勝

《表彰選手》

 横倉怜武(年間B9、都市県敢闘)

 菅原瑛真(年間B9、ク選県最優秀、一関敢闘、一関首位)

 玉城宏二(年間B9、ク選県打撃)

 松本智広(秋季クラブ最優秀) 

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 トヨタ自東はJABA静岡、同東北大会では予選リーグ敗退。しかし例年よりも早くチームの活動を始められたことから都市対抗県予選では決勝の水沢駒形にも大差をつけ6連覇。東北予選でもJR秋田をに勝ち、JR東北にはペースを握り続け決勝に進出すると、第一代表決定戦=決勝戦では日本製紙石巻に競り勝ちチームとして念願の初全国、県勢としても31年ぶりの東北大会優勝を成し遂げました。本大会では長年の歴史を持つ東芝に苦戦を強いられましたが、都市対抗以降もダレず、日本選手権東北予選では日本製紙石巻を返り討ち、きらやか銀行に惜敗も6時間延長18回の熱戦を演じ、年間通じては敗戦数も多かったものの勝負どころで競り勝って大きな経験をえた一年となりました。結成7年、世代交代も図りながらチームのさらなる進化を目指しにいきます。

 水沢駒形はセンターラインのメンバーが若返り、都市対抗県予選準決勝まで昇り調子見せていたもの、決勝でトヨタに大敗、東北予選でも企業チーム相手に苦戦。クラブ野球選手権でも岩手、東北各地域のチームから猛追を受け、第3・第4代表決定戦で弘前アレッズに敗れ本大会を逃し、同大会岩手勢初の不出場という場に立ち会うことになってしまいました。しかしこれで折れる駒形ではなく、松本智広、河野、菅原各選手の成長をもあり毎日旗秋季大会ではトヨタ自東に勝つなど来年へ向けての好材料も作り出しシーズンを終えました。

 岩手県社会人野球のターニングポイントに居合わせた。両チーム最前線で戦うがゆえにそういうそういう部分を担う場面が多くあります 来年も参加各チームの大きな壁大きなライバルであり続けるでしょう。しっかり向き合っていきます。

◆オール江刺 10勝10敗

福島市長旗二回戦、県知事二回戦

都市県4位

ク選県準優勝、東北敗者T一回戦

一関一回戦、毎日秋ク準優勝、北上三回戦

《表彰選手》

 菊地智己(年間新人、ク選県敢闘)

 村岡康仁(年間B9)

 藤野浩明(秋季クラブ打撃)

 菅原 祥(秋季クラブ敢闘)

矢巾硬式クラブ 9勝3敗

都市県四回戦、ク選県三回戦

CC県準優勝、CC東北優勝

《表彰選手》

 去石晴希(CC県敢闘)

 細川 潤(CC東北最優秀)

 斉藤 輝(CC東北打撃)

◆釜石野球団 8勝3敗

ク選県一回戦

CC県優勝、東北準優勝、北海道東北交流大会二回戦

《表彰選手》

 菊池健太郎(CC県最優秀,CC東北敢闘)

 佐々木憲佑(CC県打撃)

◆JR盛岡 6勝9敗

県知事準優勝、県定期戦3位、日本選手権予選一回戦、

都市県3位、東北第2T三回

毎日秋企準優勝、東北会長一回戦。

※JR支社(盛岡、秋田、新潟、水戸、千葉)大会は情報入手ありません。

《表彰選手》

 高橋  敦(年間B9)

 河内山拓樹(知事敢闘)

 三森 寛人(秋季企業敢闘)

◆盛岡球友倶楽部 6勝4敗

都市県四回戦、ク選県三回戦、弘前二回戦、CC県準決勝

《表彰選手》

 千葉奨之(年間「渡邊学」賞)

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 ここでは岩手の二強を追いかけるチームを記します。

 オール江刺は春先の福島大会、県知事春季大会ともに一勝ずつ。シードとして臨んだ都市対抗では二次進出戦で2連敗で東北予選を進出を阻まれましたが、以降去年今年と入ってきた若手投手育成に力を注ぎ、その過程でクラブ選では東北予選3試合、投手では菊池智己、野手では岩城、吉田、高橋比呂各選手とレギュラーに名乗りをあげた若手も。毎日旗でクラブ準優勝となった一方で北上大会では遠野に不覚を取りましたが、再びの西武ドーム都市対抗の東北予選進出を狙いに行きます。

 JR盛岡は県知事大会で準優勝、都市対抗では矢巾にあわや番狂わせの場面もありましたが、関口和磨の2イニング連続満塁ホームランという偉業で江刺をリードし東北進出。東北予選では今季入団した長鈴、村上両投手、三森捕手が活躍。富士通ICにリベンジするなど敗者復活3回戦まで勝ち上がりました。以降の大会では苦戦を強いられましたが『東北六強』を追いかける一歩目となったシーズンといえます。

 クラブ選手権本大会に県勢なし…から1ヶ月、東北クラブカップでは岩手から出場した矢巾ク、釜石野球団が東北他県チーム相手に堂々の戦いぶりを見せます。県大会5試合を戦い抜き優勝した釜石は二十歳のキャプテン菊池健太郎投手がムードを作り 、本命視されていたTFUクラブ、意欲的なスタイルを見せる福島硬友を破り決勝。矢巾クは全国大会の経験を持つ大曲BCに競り勝つと、新庄球友相手にも勝ち、決勝は岩手県2チームで戦うという状態に持って行きました。東北・北海道交流大会は釜石野球団のみがエントリーし一勝をあげ、岩手クラブ野球の存在感を見せてくれました。

 また8月に行われた弘前大会では盛岡球友倶が一勝。キャプテンもユニフォームも変わり、各種大会で安定して上位に進出。次世代レギュラー候補生の中から千葉選手が渡邊学賞を受賞するなど来期に向けての明るい材料をも見えました。     ―◆―◆―◆―◆―◆―◆―◆―◆―◆―

 思ったより文字数が多くなりすぎました。前・後半に分けてエントリすることにしますので、今項は一旦閉じます。

ホークス・攝津正、アントラーズ・小笠原満男両選手の引退の報にふれて。

 プロ野球の引退表明は大抵9月、Jリーグサッカーは大抵10〜11月というのが一般的ですが、そこから外れて年末に、しかも思い入れある選手が二人、引退を表明しました。

 ひとりは秋田出身、社会人野球JR東北を経てプロ野球福岡ソフトバンクホークスで活躍した攝津正投手。もう一人は大船渡高校を経て主にJリーグ・鹿島アントラーズで活躍した小笠原満男選手です。

 攝津投手は秋田経法大付(今の明桜高校)からJR東北に入社。当時の選手名鑑を見ると可愛いあだ名が載っていましたが、長年の経験を経て逞しさを増してエースに成長。07年の都市対抗では代表決定戦で赤べこ野球軍団に惜敗。悔しさのあまりグラブを叩きつけるシーンが印象に。その年にIBAF(当時)ワールドカップ日本代表に選出され、大会優秀投手の表彰を受けると、08年の都市対抗野球第2代表決定戦ではTDK野田正義投手(06年都市対抗優勝投手)と延長16回投げ合い引き分け再試合。再試合では0-1のビハインドで森内壽春投手(のち都市対抗完全試合、ファイターズにも在籍)から交代。この試合を直接見ていましたが攝津投手の投球は凄まじいものがあり、「目の前に立ったら殺される」との恐怖感を覚えましたが、それは熱さの裏返しといえるものでした。

 その年のシーズン後には26歳という年齢ながらもソフトバンクに入団。09年から中継ぎ投手として一軍定着。11年からは先発ローテーション投手に変わり、5年連続の二桁勝利投手を上げるなど押しも押されもせぬ大黒柱に成長。もともと高校時代からドラフトの時期になると注目されていた投手、長年の非指名で「どこまで意識を保てるか」という意味で不安ありましたが、成長を続けプロでも一線級の投手として存在するに至りました。16年以降は苦戦を続け、18年も中盤戦に2勝を挙げた時はまだまだいけると思いましたが、残念ながら戦力外通告受け、年末に引退を決めたとのことです。

 クラブワールドカップ出場後に引退を発表した小笠原満男選手。盛岡市出身ですが、当時岩手県屈指のサッカー指導者が在籍していた大船渡高校に進学。97年の高校サッカー選手権では全国1勝の原動力に。才能は中学・高校時代から定評があり、99年ワールドユース大会準優勝メンバー、ワールドカップにも02、06年大会と2度代表選手として出場。

 ただ、そういう華々しいところとは別に小笠原選手のすごいところがありました。サッカーも詳しいとはいえないので端的に言えば「黙々と自分の役割を貫徹した所」。プロ入り時はどこまでやれるか心配だった部分もありましたが、アントラーズでレギュラーに定着し、イタリアセリエAにも進出。円熟期を迎えて以降「常勝アントラーズに小笠原あり」と言われるほどの存在感を見せました。

 11年の東日本大震災以降、それまで寡黙と言われていた小笠原選手が中心となり、自らが前面に立って被災地の救援・慰問活動…大船渡市赤崎町のグラウンド設営にあたっていただきました。そのいずれも真摯に向き合っていただいたことに、ただただ頭が下がる思いです。

 こういう存在感を見せた両者が年度末で引退…引退する時にいつも思うことですが、それまで「いて当たり前だと思った人」がいなくなる、そのことに対する寂しさというのはいつも感じていますし、思い入れのある選手だけにひとしおです。これまで長年プロスポーツの一線級で活躍してきたことを糧にしてこれからも先良ぐ生きていただければと強く願うものです。

 攝津君、小笠原君。

 長年の貢献ありがとうございました。

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 あらためて、新年あけましておめでとうございます。岩手県社会人野球の記事は現在制作中で、公開は第2週あたりにアップできれば、と考えています。2019年もよろしくお付き合いお願いします。

2018年社会人野球−この一年も場に居させていただきありがとうございました。

 今日は。2018年も大晦日となりました。まずはこの一年も完走しきれたことに安堵しています。毎年毎年が「一年生き抜けるかどうか」で精一杯というなかで、多様な経験を重ねました。

1)トヨタ自動車東日本都市対抗本大会進出

 岩手で行われた都市対抗東北二次予選。創部以来7年の取り組みを経て県予選を圧勝、東北予選でもJR東北に打ち勝って決勝進出したトヨタ東。私は東北予選を前日見に行くつもりで日程を組んでいて、いつもは日程の替えが聞かない水曜日でしたが、各方面に無理を聞いてもらい岩手県営球場に。

 07年に赤べこ軍団が本大会に出場していましたが、このときは「東北3位」。東北優勝で進出する、という経験は31年間なく、東北の壁に幾度もなくぶち当たられていました。そのしんどさの一端を味わっている(04、05、10年東北予選経験)ので、優勝決定時には感極まるものがありました。その後の本大会は金ケ崎のビューイングで見届けました。来期に向けて報じられているだけでも3人新人の加入が伝えられています。対戦するときは勝ちにいきますが、一野球人としては「チームの進化第二章」どう描くか注目していきます。

2)クラブ野球選手権岩手勢不出場と復権に向けて

 一方で、クラブ野球選手権で岩手勢が43大会目ではじめて全国に届かなかったのもエポック的な出来事でした。76〜98年までは岩手で単独枠、以降は現行の二次予選形式になり各県からの挑戦を越えて本大会進出チームを出し続けていましたが、今年はついに届きませんでした。残念だし悔しいのは言うまでもありませんが、勝負事だからいずれはこういうシチュエーションも現れるのは当然ですし、また挑戦しなおすだけの話です。

 秋の公式戦ではクラブカップ矢巾、釜石で優勝、準優勝を独占。毎日旗争奪戦では水沢駒形がトヨタ東を破るなど歩を進める様子を見せました。富士通、アレッズ、マークス、リバースといった強敵を破り、大和高田、箕島、足利など全国のライバルに挑む戦いはここからです。

3)赤崎野球ク−最強豪に苦しめられた経験を糧に。

 震災後、12年に東日本クラブカップ準優勝を成しましたが、以降は練習・生活環境の変化、選手の入れ換えもあり伸び悩み。しかしもがいてあがいて足跡を刻みはじめた選手たちは「駒形、江刺に一番肉薄するチーム」という評を越えようと、その場その場の戦いに奮闘。佐々木慶喜君の引退、山本淳一君が別な役割もあり様変わりした投手陣は、前年の金野豪君、今年の花崎君、佐々木純一君と故障を乗り越え選手が復活、層を増しました。打線は個々の力を維持し畳み掛ける技量、誰が出ても戦える力は備えましたが、これにプラスして「高位置の安定性」「決めきる力」を得て「より上」で戦う力をつけたいもの。来年も続行は決めましたので、大船渡の後輩により増して助力できるよう努めます。

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 気がつけば来年は社会人野球25度目のシーズン。釜石のキャプテンが二十歳と聞いてたまげましたし、いつの間にか帯同メンバーの中では上から数えて早い位置にいることにもなりました。年取っても熟成には程遠い位置にいる私ですが、2019年もおつきあいよろしくお願いします。2018年もお世話になりました。ありがとうございました。

                   伊東  勉

12月15日で43歳になりました―野球版バージョン。記事制作状況報告と併せて。

 今日は。15日で43歳をむかえました。誕生日が来る度思うのは「次の誕生日まで必死に生き抜くぞ」と、ただそれだけです。09年に倒れてから「どうしようもない部分は悪くしない。どうにかなる部分をどうにかして、苦しまないで、自分に任せられた役割は完遂する」を主な思考回路にして行動してきました。仕事や家庭で役割を果たす―マルチタスクといいますか。さらに社会人野球ができている皆様には頭が下がる思いです。

 現在、社会人野球の記事をいくつか書きためています。丁度、といったらいいのでしょうか、ひとつのチームが強くなって「全国優勝チームと渡り合う」ことができるところまで居合わせたので、その様子をこれから都市を重ねる後輩の参考になればな、と。他にも宿題あるし、資料得るために年内に青森いく予定立てていたりして、年内はクラブ選手権2記事、岩手県まとめ1記事、31日記事と進行する予定とします。

 よほどのことがない限り、来年も野球は続行。今後も別カテゴリと合わせておつきあいよろしくお願い申し上げ、項を終わります。

181208拙稿制作日誌−缶詰めなる機会ないですね…。

 今日は。野球がシーズンオフになって、こちらの方の記述はガッタリ減りました。プロ野球ならストーブリーグ真っ盛りで様々な人事異動があったりしますが、社会人野球はそんな形で華々しく行われるものでもありません。関係するチームも「卒業」する選手もいたりしますが、そこら辺は来年春に記述することとします。

 今冬の記事製作ですが、計画はたてたものの風邪で延び延びになり、下書きコーナーにはたんまりつまっていますがまだ表に出せないのが大多数、という状況です。拙稿は言わば「個人新聞(媒体)」ですが、別カテゴリの媒体と併せて間違わないようにしたいもので、慎重期しています。

 今のところ「伊東の社会人野球記」は96〜01年(95年はセーブミスで消去したためやり直し)、18年高校野球、18年社会人サッカー(なんでよ)、18年社会人野球はまだ未着手です。Twitterは追放されたので、無制限配信の媒体はこれだけ(Facebookは防衛上限定公開にしています)ですが、時々現れたら見てやってください。

2018高校野球 日程のあり方を探る・パート2。年間日程全体見ても詰まっていないか。

※今日は。本来なら9月あたりに流しておきたかった記事ですが、遅れに遅れ、今回のアップになりました。ご容赦ください。

 同じようにすっかり流してしまってるのが高校野球の記述。去年は母校扱いの大船渡東高校が勝ち進んだのも手伝い、結構大幅な記述をしましたが、今年の夏の大会は仕事も重なり、試合そのものは数試合見ていましたが、記事製作に至っていません。こちらも写真含めて書ければと思いますのでもうしばらくお待ちください。

 私も大船渡農業を母校に現役で3年、協力者として10年かかわりまして、基本的には、10代後半の野球において、のそれまで期待できたの姿を凝縮して見せられるか見守る、という視点でモノを見ていると常々書いてきました。

 そして、金足農の吉田君の一件で選手の身体防衛を日程面からも考えないと、というのが突きつけられました。こちらも度々考え記してきましたが、「全試合を甲子園で」から脱却できないかかなあ、いや、甲子園いう舞台。デカイですからね。あそこで野球やりたいと思う。などと旬順。

 もうひとつ考えるポイントとして、夏の選手権だけじゃない年間スケジュール。

 新規チームになって秋の公式戦は8〜10月にかけて近隣地区→都道府県→地域ブロックまでやり、3月に選抜大会。

 4〜6月にかけて同じ行程で春の公式戦をして、7、8月に選手権。

 秋、冬に最終的な選手権を行う他競技と比べて詰まってないかな。春に地域ブロックまで大会するなら、選手権は8月予選、9月に全国大会でした方が間隔空けられていいでしょうし、8月までに選手権を消化したいなら春の大会は県大会で止めるかなくすというのも手、と考えます。要は過密日程を改めてほしい、ということで。

 様々雑多に記してきました。私自身はクラブチーム化(学校の関与は問わない)にすることが必要と感じる者ですが、それ以前の話として、野球に関わる青年たちがキズ負わずに成長していただきたい、先達者はそのために道を均していただきたいと記して、記述を終わります。

1994社会人野球−「社会人野球・赤崎クとの邂逅」。自分の頭になかった社会人野球と、強く意識しはじめたある1日。

 かねて予告していた通り、1994年から2004年までの社会人野球に関する覚え書きを記してまいります。基本1年に1記事。特に思い出深いものがあったら、別に記事を起こしていく予定でいます。今回は1994年。私が社会に出て1年目の年です。

1.「同級生が多くいる赤崎クの試合がある」のを知るまで。

  1993年、私が最後の高校野球の試合。

 0対2で迎えた9回2アウトからの打席を全校応援の背に受けなんとかフォアボールをもぎ取ったが後続が続かず、2塁やや外野よりでセンター横のスコアボードを見ながら思ったことは「これだけ熱い野球に関わることはもうないだろう」。その感慨もあって、セカンドベース上からしばし動けなかった。一学年上の先輩が実業団チームに入っていたこともあり、そうでなくても社会人野球という存在は知っていたが、自分にとっては遠い世界と考えていた。

 この後の野球好きの発露はどこかの草野球でしていくもんだなと、そういう風に思いながら高校卒業までの日々を過ごし、明けて1994年、私は北上市に就職を果たす。ガソリンスタンドに就いたが、車の事など何も分からない。はっきり言って手探りの日々だった。現在、少しばかり車の知識を身につけているのはガソリンスタンド時代の経験があったから。

 働き始めてから約2ヶ月、職場近くのコンビニで勝った毎日新聞に目を通したら、ある記事が。この年から始まった大槌ロータリークラブ三陸沿岸社会人野球クラブ大会(〜2011年以降開催不可能)の記事。赤崎野球クラブのテーブルスコアに目を移すと知っている選手が何人も出場していた。そして職場にあった新聞にも「都市対抗野球県予選は6月開幕」という記事が載っていた。組み合わせ表を見たら赤崎野球クラブは一度勝てば、日曜日になる6月5日に盛岡市営球場で試合、と。隣の金ヶ崎には進学した友人が数人いたが北上では友人と呼べる人が住んでなく、はっきり言えば休みの日は暇。

 「よしそうならこの赤崎野球クラブというのを見に行ってみるか」

 当時車の免許がなかった私は東北本線とバスを乗り継いで盛岡市営球場へ向かった。

2.同級生4人が奮闘の末、サヨナラ勝ち−見つけた「続きの場」。

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 クラブ予選一回戦を10−6でオール不来方に勝っていた赤崎クは、この日3年前にできたばかりという平泉クラブ(01年活動休止)と対戦していた。グランド上には同級生が4人。ピッチャーの田中和友君、キャッチャーの山口友行君、一塁手の泉邦幸君、ライトに佐藤琢哉君。 試合は序盤に3点食らっていた赤崎クが、二、四、六回に1点ずつを返し、3−3の同点に追いついていた。

 野球どころ大船渡のクラブチームではあったが、他にも手強いところはたくさんいると感じさせられたなか、ふと声をかけられた。赤崎ク部長の吉田勝さん。どうも元気だけが取り柄の私の存在を覚えていてくれたようで。現在北上に住んでいることなどを報告して、吉田さんたち後援者と共に試合を見ることに。

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→大体この角度で見ていました。

 後半は特にもつれる展開に。投手は田中君から、高校時代東北大会を進出している長身右投手菅原常元さんがリリーフしたが、勢いに乗る平泉打線を完全に止めきれない。しかし赤崎打線も熊井勝幸さんや吉田忠彦さん、同級生の山口友行君の長打で奪い返しながら進む展開。九回表にも同点に追いつかれてしまったが、その裏に泉君が三塁打を放つと、山口友行君の打順時に相手エラーであっけなくホームインとなりサヨナラ勝ち。県本予選進出戦へと進出した。

◆1994年6月5日 盛岡市営球場

  都市対抗野球岩手クラブ予選2回戦

平泉クラブ 5=300000101 千葉和、岩淵和−小野寺

赤崎野球ク 6=010101021 田中、菅原常−山口友

 試合後同級生あるいは歳の近い選手たちと挨拶をし、卒業後それぞれに頑張っている様子を少し話語りした後、吉田勝さんが本部からパンフレットを一つ持ってきてくれた。「今日よく来たな。お礼にこのパンフレットやっからす」と一つの冊子を頂いた。

 自分がすごいと思った選手たちが集まっていた…言ってしまえば気仙野球のオールスター。それらがまだ知らぬ強敵を相手に戦いを挑む。当該試合の接線もさることながらもらったパンフレットをパラパラと見て硬式社会人チームも色々な個性の集まったチームが集まっているんだなというのを知った。高校野球とは違った新たな野球がそこにある。「生きる糧」に社会人野球が入った瞬間だった。

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→大会パンフと、94年予選の組み合わせ。

3.赤崎野球クは飛躍の一年/岩手社会人野球の結果。

 すでにシーズンが始まっているから選手登録はできないと思い、職場も月曜日から土曜日まできっちり働き詰めという状況で、社会人野球に向かう体力余力は残らず、気になる様子は社会人野球を見るきっかけになった毎日新聞を通じて情報を得るのみとなった。赤崎クは翌日の雫石クラブとの試合、序盤に攻勢を許したものの、四回に木下清吾さんのホームランから反撃をはじめ、最後は同級生で打順を三番に上げた泉邦幸君がサヨナラヒットを放ち、84年に硬式野球に転換してから初めて県本予選大会進出。11日後に行われた本予選一回戦では、水沢駒形倶楽部に0−7とコールド敗戦。磯谷幸喜さんがツーベースを放ちましたがその一本のみで敗れ去ってしまいました。

 当時はまだ社会人野球=都市対抗という概念があったせいで、他の大会まで目が行き届きませんでしたが、赤崎クは参加して約10年培ってきた力を発揮し始め、クラブ選手権では久慈クラブ(11−9)オール江刺(9−2)を破り、新日鐵釜石など企業出身の選手が多く、前年全国大会進出の釜石野球団に1−10で敗れたがベスト4進出。また前述の大槌ロータリークラブ三陸沿岸クラブ野球大会では遠野クを破って決勝に進出。釜石野球団と5−7と競り合い準優勝。毎日杯秋季大会もクラブの部で遠野クに6−5、平泉クに10−0と勝って準決勝に進出。2年前に全国優勝を経験した一関三星倶に1−3と渡り合った。この年クラブチームで目立ったのは2年連続で西武球場に進出した釜石野球団だったが、赤崎クもクラブの大会ベスト4を2回、地域ブロック大会準優勝と存在感を強く示し始める1年となった。

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2016年撮影の西武第三球場。釜石野球団はフジウンノクラブ(静岡)に10-12で敗れました。

 岩手県全体の部分で話せば、都市対抗野球予選では全国代表権争いには残念ながら絡めず、日本選手権東北予選では岩手銀行、宮城建設が代表決定戦に進んだが、ともにNTT東北(現東北マークス)、ヨークベニマル(99年廃部)の序盤からの攻勢に追いやられ、前年本大会に出場しながら今年は冷害の影響で休部したJA岩手経済連に続く岩手連続出場はならなかった。

 この年社会人野球に関わったのはたったの1日、赤崎野球ク対平泉クの試合だけ。自分自身の野球は職場の近くにあった勤労者ホームの野球部に加わって数ヶ月活動したのみ―しかも大会は雨天中止―。社会人としてもなんだかんだ雌伏を経ながら、また一方では社会活動にも身を置き始め、年末に慣れぬ雪道で骨折をしたり、業務拡張のための新店舗のメンバーに選ばれたりしながら1994年という年は過ぎていった。それまでの学生生活と違った生活リズムを作るのに必死だったから、社会人野球という考えまでは頭が至らなかったが、それを意識するようになり「よし俺も社会人野球チームに入ろう」と行動を起こしたのは翌年の4月のことになります。

 この時に社会人野球をやるという選択していなかったらどういう人生を歩んでいたんでしょうか。そういう意味では本当に貴重な盛岡市営球場での一日でした。

2018社会人野球−毎日旗争奪戦は水沢駒形に軍配!/年間表彰者決定。1チーム14名に。

 こんにちは。しばらく社会人野球の記事が開いてしまっていましたが、今回は10月下旬に行われた毎日旗争奪大会の試合の結果と、発表されていた2018年岩手社会人野球表彰選手の紹介をさせていただきます。

 最初に10月27日に行われました毎日旗争奪大会トヨタ自動車東日本対水沢駒形クラブの試合からです。

◇水沢駒形倶 6−5 トヨタ自東

 5月の都市対抗県予選決勝のリベンジを図りたかった駒形はこの一年で主戦投手に成長した松本智が、トヨタは中盤から復調し始めた中里がマウンドに立った。初回にトヨタが先制するが、駒形は四回までに2対1と逆転。トヨタはすぐ裏に再度逆転をしたが、駒形は五回に一挙4点を挙げ、トヨタのペースを狂わせた。

 トヨタは六回に2点を返し、投げては公式戦初登板の千葉や、復調の機会を伺っていた菅原など6人の継投で六回以降は駒形打線を封じるが、トヨタ打線も河野→松本利とタイプの違う左投手を打ちきれず、試合終了。水沢駒形は5年ぶりに毎日旗のタイトルを手に入れた。

 ということで、結果聞きましたがびっくりしました。特に駒形の松本智広君の信頼度合いが高くなっているのがすごいな、と。河野君も後半戦から投げているようで…高校時代に一度見たことありますが(下写真、13年撮影。ピンボケなのは当時のカメラの限界なのでご容赦ください)大学社会人の5年間でどう成長したのか。来年はこの目で見てみたいと思います。

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 一方トヨタ。今回は社会人デビューの千葉投手、あるいは今年はやや登板機会に恵まれていなかった山崎、山本両投手の登板もあり、アピールと行きたかったところですが、都市対抗出場のメモリアルイヤーの最後を語れませんでした。この悔しさをきっかけに這い上がっていただければと思います。

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 さて県社会人野球の表彰選手は以下の通りとなります。

 阿世知暢(トヨタ東・B9投手)

 小野勝司(トヨタ東・B9捕手)

 横倉怜武(水沢駒形・B9一塁手

 北見昂之(トヨタ東・B9二塁手

 玉城宏二(水沢駒形・B9三塁手

 菅原瑛真(水沢駒形・B9遊撃手)

 村岡康仁(オール江刺・B9外野手)

 大谷龍太(トヨタ東・B9外野手)

 高橋 敦(JR盛岡・B9外野手)

 後藤洋祐(トヨタ東・B9外野手)

 三鬼賢常(トヨタ東・監督)

 藤本泰輔(トヨタ東・コーチ兼マネジャー)

 菊地智己(オール江刺投手・新人賞)

 トヨタ自動車東日本野球部(特別会長賞)

 千葉奨之(盛岡球友倶・渡辺学賞)

 僭越ながら私からも。阿世知君は絶対的エースという存在をずっと続けたタフさはお見事。小野君はすっかりチームを勝たせられるキャッチャーに成長しました。横倉君はかねてから言われてきた勝負強さに、更に力が増した印象。

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 北見君は四番打者になった当初は意外に思いました(三番タイプとみていた)が、結果で証明した所に脱帽。サードの玉城さんは捕手、二塁、遊撃どこでもござれ。ボールを拾ってヒットにする技術に長けています。菅原君は二年前からいよいよレギュラーかなという雰囲気を受けました。継続的に活躍できるようにより精進を(伊東はカメラの腕精進しますピンボケすみません)。

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 村岡君は今年もず抜けた力を見せてくれました。福島あづま球場のバックスクリーン直撃にはびっくり。大谷君はコーチ兼任もあり、周りを盛り立てるのに尽力されていました。年間のタイトルは15年DH以来。高橋敦君は四番打者が似合うようになって頼れる選手に。チームとして都市対抗二次予選で見せた実力を年間安定して出せるように先頭切って頑張ってください。

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 シュアーな打撃を見せる後藤君、打順下位ですがつながり考えるとこれほどの適所はありません。三鬼さんは監督7年、大変という言葉だけで片付けるのもしんどいものが。都市対抗本大会進出で花開いたことにお祝い申し上げます。加えて、藤本さんが来てから強化の進み具合が一歩進んだような気がします。

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 菊地智己君は公式戦で最初に相対した時に「右のエース候補」になると思いましたがそれ以上の存在感を見せてくれました。千葉君は残念ながら1試合しか見ていません。直接見た試合では「今後の盛球を背負う人たちだ」と思った中の一人です。着目していきます。

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 今回の表彰おめでとうございます。表彰式は今週後半に行われるようで、表彰式の中でも交流も図られれば何よりです。私の記事ですが、今年まとめの記事を書いていければいいのですが当面お待ちいただきます。次の社会人野球の記事はJR東北と大和高田ク中心にした日本選手権の記事ですかね。他には私が社会人野球に関わってブログに移るまでの94年から2004年までの記事を順次書いていく予定です。すでに94、95年については記述を始めています。今回の記事もお付き合い頂きましてありがとうございました。

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