MBC野球発信局-袖番号96 伊東勉のページ。

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夏より熱い秋のたたかい。-9月27日にこまち球場で見た3試合。【2009社会人野球】

 本当なら、日本選手権の東北大会に関して最初に触れるのが本筋ってものですが、その資料がそろっていません。で、申し訳ないのですが、最初に直接見た9月27日の3試合を紹介させていただきます。
 この日は本来、準決勝の2試合が行われる予定でしたが、二回戦のJR東北ときらやか銀行の試合は延長14回、2-2の引き分けとなり、この日に再試合、という事になりました。一粒で二度おいしい、とはどこかのお菓子メーカーのCMですが、ひとつ多く試合を見られるとは…てな思いを持ちながら、何とか秋田こまち球場にたどり着きました。決して自信たっぷりに八橋球場に行った、何て事はないですよははははは。
 計算間違えて秋田こまち球場に着いたのは夜3時。一眠りしてから、3試合観戦という勉強、言い換えれば「自分とのたたかい」に挑みました(←おおげさな)。それでは、5チームの熱戦譜をご覧いただきます。


JR東北   000100010 2
きらやか銀行 000000000 0
二塁打 鈴木、桂田(J)
【JR東北】D金野 6大西 4鈴木 5長谷部 3大瀧 7堀江 8牧田 2小沢 9桂田 1西野 〔途中交代〕佐藤茂(大西・8回裏から6)
【きらやか】9梅津 6舟田 8土屋 3村上 4武藤 2星 5大向 D増子 7上谷 1石川 〔途中交代〕土谷(石川・5回から1)
 第一試合は前日引き分けになったカードの再試合です。
 きらやか銀行の先発はエース石川投手。JRはルーキー西野投手が先発しました。3回までともにランナーを出しながらも得点は許さないしまった展開ですが、その均衡が破れたのは4回。
 この日、攻守に動きのよさが目立っていた3番の鈴木選手がレフト線の二塁打。4番の長谷部選手が送った後、5番の大瀧選手が外野への犠牲フライ。中継プレーは悪くなかったものの、鈴木選手の勢いいいランニングが勝り1点先制しました。

 きらやか銀行は5回から前日は指名打者として出場していた土谷選手が登板。5、6、7回と無失点に押さえていましたが、8回に桂田選手の二塁打の後、金野選手の送りバント、さらに大西選手が体を投げ出すようなスクイズバントを決め、2点目をもぎ取りました。
 きらやか銀行も西野投手に球数多く投げさせますが、その西野投手は奮投を見せ、ヒットは3回の舟田、9回の村上両選手の2本のみ。最終回に星選手の四球で2人ランナーをためましたが、大向監督がたおれ、2日間にわたった熱戦は終わりを告げました。

日本製紙石巻 000002000 2
T D K  01402200X 9
二塁打 小野寺(石)石井、杉浦(T)
本塁打 阿部博(T・左翼席110m)
日本製紙石巻】8川畑 4小池 9前田 3小野寺 D本山 5舩山 7西尾 2樋口 6菅原 1黒羽 〔途中交代〕本多(黒羽・3回途中から1)白根(本多・7回から1)
【TDK】7石井 6阿部博 4杉浦 D高倉 3菅原 9中大谷 5山本 2新田 8佐々木陽 1豊田 〔途中交代〕谷中(菅原・6回裏代打)玉野(谷中・6回裏代走→3)石井(中大谷・6回裏代打→9)田口(豊田・7回表から1)福田(新田・7回表から2)阿部正(田口・9回から1)

 このカードから準決勝。
 代表決定に進めるか、という試合なだけに両チームとも応援団を繰り出し、必死の応援で選手達を励まし続けていました。今年の都市対抗では最終回2アウトまで石巻がリードするという展開からTDKが逆転するという熱戦。この試合も熱戦の再現なるか、あるいはリベンジ果たすか。天気までも熱くなる中、試合ははじまりました。

 初回、石巻は小池選手四球、前田選手安打で作った好機を生かすことができず、TDKも石井、阿部博明両選手の連打、さらに菅原選手の四球で作った満塁の好機を黒羽投手にしのがれる、という初回から荒れ模様の仕合となりましたが…点が動いたのはTDKでした。
 2回に新田、佐々木陽祐両選手の連打後、石井選手のライトへの犠飛でランナーが進塁、さらに中継プレーのスキをついて新田選手が一気にホームをついて先制すると、3回には2アウトから山本選手が盗塁。新田、石井両選手の適時打で点を加えると、さらに佐々木陽祐選手のセフティーバントが相手の動揺を生み、2つの暴投であっと言う間に2点を失い、黒羽投手をKO。
 代わった本多投手は4回は4人で抑えますが、5回に石井選手の二塁打の後、阿部博明選手に本塁打を打たれ2点、6回にも新田選手の進塁打で1点加えると、石井選手の投手ゴロを本多投手がツーアウトなのに二塁へ送球!余計な失点も与えてしまい、試合の流れをTDKに渡す形になりました。

 日本製紙石巻もランナーを出すものの、ルーキー豊田投手の前に決定打までは行かなかったが、6回についに捕らえ、小池選手四球(3打席連続)小野寺選手の二塁打で二、三塁とすると、舩山選手の2点センター前タイムリーで反撃に出るものの、この後を7、8回を田口、9回は阿部正大両投手の前に得点することができず、悔しい形で返り討ちにあいました。


NTT東北マークス010000010 2
JR東日本東北  00300141X 9
二塁打 只野、佐藤茂(N)長谷部、大瀧、高橋、桂田(J)
三塁打 大瀧(J)
本塁打 江井(N・左翼席115m)
【NTT東北マークス】7只野 D佐藤茂 8伊藤 5江井 6加藤 9松田元 3松田幸 2門奈 4槇 1遠藤 〔途中交代〕大内(松田幸・9回代打)阿久津(門奈・9回代打)海部(阿久津・9回代走)
JR東日本東北】D佐藤茂 6大西 4鈴木 5長谷部 3大瀧 7稲垣 8牧田 2高橋 9桂田 1猪原 〔途中交代〕佐藤政(大西・7回表から6)和田(牧田・7回裏代打)金野(和田・8回から8)堀江(稲垣・8回表から7)増村(高橋・9回から2)中村(猪原・9回に1)

 ともに頼れる成長株を先発に持ってきたこの試合、先手を取ったのは東北マークス。
 2回に先頭の江井選手がフルカウントからの投球を引っ張たいてレフトスタンドに持っていく先制ホームラン。しかし、猪原投手はその後をきっちり抑えると、3回にJRは2連続四球から鈴木選手が犠飛を放ち追いつくと、4番の長谷部選手のサードゴロの送球を松田一塁手が処理しきれず逆転。更に稲垣選手の適時打で3-1とJRがリードしはじめます。
 その後奮闘を見せるマークス遠藤投手。打線も何とか援護せんと、5回に門奈、槇両選手が連打を放つものの、槇選手のチャージ及ばず二塁アウトもあり、得点に結びつけません。
 とうとう6回にJRが桂田選手の二塁打と相手エラーで1点奪い、7回には長谷部選手の二塁打、大瀧選手の適時打とディレードスチール、高橋捕手の二塁打、桂田選手の適時打で一気に4点奪い、ペースを一気にもってきました。

 東北マークスは8回に佐藤茂徳選手の二塁打後、伊藤選手の適時打で1点返し、9回も松田元樹選手の安打、阿久津選手の四球でランナーをためますが、猪原投手の粘りある投球、中村投手のメリハリある投球の前に及ばず、準決勝で敗退、という結果になりました。

 予想外の再試合で、一日3試合を見ることとなりました。
 七十七銀行こそ前日に敗れたものの、東北3強の内の2チーム、「三強」を追いかけるマークス、日本製紙石巻きらやか銀行という3チームを見る事ができました。

 岩手でのたたかいではトップに立つフェズントやJR盛岡。
 それらのチームが大差をつけられる日本製紙や東北マークス。
 更にそれらのチームに大差をつける東北三強。

 頂への道ってのはきついですね。一見。
 でも、一つ一つのプレー見ていると、紙一重なんですね。
 そんなに差があるとも思えないんですね。

 きらやか銀行がJR東北相手に引き分け再試合に持ち込んだ試合ってのが、一つの見本になりそうです。確かに環境などなど見てみれば、差はあるかもしれない。
 でも、持っている力を100%出すって事に関してはどのチームもできる事ではないか、と。
 10回たたかって1度かてるか、という所が相手でも、そういうたたかいをし続ければ、道は切り開ける、と思います。

 身近なチーム、あるいは身近なライバル、身近な後輩達がそうして道を切り開くのを見ていたから。だから、その場に立って、挑み続けていて、何度も何度も跳ね返されて、ゆるくない思いをしている野球仲間に伝えたい。

「挑み続けよう。たたき続けよう。そうしてたたかった足跡は、決して無駄にはならない」と。

 この日“ライバル”チームの強さを目の当たりにしました。
 野球のうまさはすぐに真似できないかもしれないけど、うまくなろう、という心意気はまねすることができる。自分自身、そういう心境になれない状態でいますが、いつか取り戻そう、という力になるこの日の3試合観戦でした。
 この日見たJR東北、きらやか銀行日本製紙石巻、TDK、NTT東北マークス野球部の皆さん、いい試合ありがとうございました。

 あ、最後に。帰りに道間違って盛岡に行くのではなく、北秋田市に向かって走り、あわやガス欠になってしまう所だったなんて、恥ずかしくて言えません…。皆さん、夜車走らせるときは気をつけて走ってくださいね。

 

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