MBC野球発信局-袖番号96 伊東勉のページ。

17年9月から移籍。こちらでは社会人野球など野球中心の記述をします。

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CK126-B・SIDE 盛岡南運動公園で行われたもう一つのぶつかり合い。

 本編はこちらからご覧いただきます。

 グルージャとNECトーキンクラブとの激戦が行われていたその反対側のグラウンドで、もう一つの社会人のたたかいが行われていました。
 東北社会人アメフトリーグ。
 全国にいくつかあるプライベート・リーグの一つで、社会人から学生、高校生チームがない地域は、高校生も集ってチームを作り、地域にあるチーム同士で対戦するという形式。東北では弘前、秋田ラムズ、盛岡ラウディーズ、仙台ブラック、福島の5チームで対戦しています。

 Jリーグを目指すたたかいの裏で、トップレベルのリーグに参戦するという意味では遠い所でのたたかい。グルージャの試合が約1300人の観衆を集める中で、50人に満たない観衆の中での試合。
 それでも、アメフトが好きで、アメフト通じて自分高めたいという人達が集まってたたかっている熱意は、反対側のグラウンドでJリーグを目指している選手達となんら変わりありません。

 とは言っても、両面みる事ができるメインスタンドではなく、その反対側の芝生席でサッカーの試合を見ていたので、アメフトに関しては「ああ、やっているな」としか認識できずにいましたが、いつものように試合が終わってからもしばらく余韻楽しむようにボーッとした後、さあ、戻ろうかとメインスタンドを経由した時に、反対側のグラウンドでは秋田ラムズと福島ビッグスキンズの試合がまだ続いていました。

 とはいえ、こちらの試合も終盤。
 黒いユニフォームを着ていたチームが攻撃という場面でした。
 アメフトと言えば、攻撃と守備で出場選手がガラリと変わるというのがイメージとしてあり、このブログでも多々とりあげてきたマンガ「アイシールド21」の泥門高校デビルバッツみたいにほとんど両面出場なんてのはあまりないだろ、と思っていましたが、両チームのチームサークルには10人も選手はいません。つまり、何人かは両面出場をしているという事をさします。

 何度かアメフトの試合をテレビで見させていただきましたが、その全てで選手がケガをして担架で運ばれる場面を目撃しました。
 そのダメージ軽減考えれば、なるほど片面出場やむを得ないな、と思っていただけに両面出場の選手が多いのにはびっくりしました。

 が、ホームページを持つチームの選手名簿を見ると、これも仕方がないかなと。
 盛岡ラウディーズの選手名簿に載っている人数は20人をやや越えるぐらい。社会人だと、どうしても仕事で参加が無理という事態も起きますから、やはり全員が両面出場は難しいか、と。

 当然そんなんだと、最後の方は選手もバテバテになっています。
 ラスト2分。黒いユニフォームを着ていたチームの攻撃。
 クォーターバックからのパス攻撃を中心に攻めていましたが、ファースト、セカンドダウン(それぞれ一度目、二度目の攻撃)ともにパス攻撃が成功せず迎えたサードダウン。(三度目の攻撃)。
 ある程度攻撃(たしかラン攻撃)が進みいよいよ最後の攻撃、という時間に。ただ、時計を見てみたら残り16秒。あと一回しか攻撃できませんし、相手に攻撃権が移れば、その瞬間に試合終了(時間が残っていても、残り96秒以内なら“食いつぶす”事もできます-一つのプレー開始を審判が宣告してから25秒以内に開始しなければならない、というルールの逆用)。

 普通であれば、フォースダウンだとキックを選択して、なるだけ陣地を優位に稼ごうとする場面ではありますが、おそらくは試合最終盤にかかっていたのでしょう。4度目の攻撃でファーストダウンを狙いにいきました。クォーターバックからのパスがランニングバックにつながり、ランニングバックは必死にゴールに向かって走って行きますが…最後は相手ディフェンダーに捕まり、そして試合終了。

 それぞれのスポーツに対して強い思いで向き合っている、という意味では、グルージャも、NECトーキンFCも、秋田ラムズも、福島ビッグスキンズも変わりありません。
 そういうのを、どこかのお菓子CMではありませんが、10月4日に盛岡南運動公園で出会ったスポーツ選手のおかげで、熱い思いを持ったプレーを「一粒で二度おいし」くみられた事に感謝します。

 試合後、スタンド最上段から試合をビデオに収めていたチームマネジャーに「お疲れさまでした」と声をかけ、大船渡へと移動する準備をはじめました。

 祭りの後に似た寂しさをかみしめながら。

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