MBC野球発信局-袖番号96 伊東勉のページ。

17年9月から移籍。こちらでは社会人野球など野球中心の記述をします。

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その131 90回選手県大会岩手大会 船東初勝利、専北爆勝、盛附-学院の熱戦…自分が見た夏の光景。(同一コメント多数送付により再製作)

 こんにちは。伊東です。
 これまで「大農野球部」として書いてきたカテゴリですが、当面「大農・船東野球部+高校野球」というカテゴリで書かせていただきますが、後で「プロ野球」とあわせて、社会人野球以外の記事を扱う「その他野球」というカテゴリに再編しようと考えていますが、とりあえずはこれで勘弁してください。

 高校野球岩手大会もベスト4が勝ち残りました。78校が参加して始まった岩手大会も、すでに74高校がたたかいの舞台から降りています。今勝ち残っているのが、盛岡第一高、盛岡中央高、盛岡大附高、水沢高の4つ。センバツ出場の一関学院、前年代表の花巻東、去年準優勝の専大北上も既に敗れ去っています。
 地元気仙地区の4高校は大船渡、大船渡東が一勝したものの、二回戦では住田やシード校の高田とともに4チームそろって敗戦。二回戦で全滅というのは…全県開催(87年までは地区予選制度とっていました)以降でははじめての事になります。

 既に次のステージに走り出したチームがある中で、今をたたかう4チーム。
 準決勝は明日20日、岩手県営野球場で行なわれます。
 その前に、これまでのたたかいから気になった部分をピックアップします。
 まずは…当然最初に来るのが大船渡東高校。
 大船渡農、大船渡工に広田水産、高田の一部学科が合流して出来た新設高校。
 しかし、広水、高田の学科から合流してきた人の中には野球部員はいず、ほとんど大船渡工の部員と新入部員でスタートしました。この中にただ一人大船渡農出身の選手が残っていた。この事が気になり、今年も野球場へ足を運ぶ事にしました。

 大船渡農時代も練習はしっかりしていたシュウ君でしたが、大船渡工と比べると…どうしてもチーム全体での練習を2年間積めた分、彼らの方が「上」と感じさせられる事も多かったようです。新聞記事の中でシュウ君は「足引っ張っているのでは」と不安にも駆られたようですが、それでも存在し続けている事、つまり野球部で頑張っている中で他のチームメイトにも認められ、夏の大会には8番サードで出場する事になったのでした。

 当日。残念ながら試合序盤には間に合わず6-1とリードした7回から試合を見ていました。サードには一年前から更に逞しくなったシュウ君の姿がありました。8回の攻撃、彼の強打から好機をつかんだ船東打線は、相手投手に連打をかまし最後はエース投手のサトウ君のセンター前適時打でサヨナラのコールド。8-1という結果で船東初勝利を飾ると共に、大船渡農業の野球部員経験者としては1992年以来16年ぶりの夏の大会勝利の経験者となったのでした。

 1988年から2007年にかけて大農に入学し、野球部の門を叩いたのは約140人。この中で夏の大会の勝利を経験したのは88年に入学した10人、89年の1人、90年の12人、91年の10人、92年の6人…あわせて39人だけで、残る約100人のメンバーには、夏の大会1勝という成果を挙げる事をさせてやれず、大農野球部を卒業させてしまいました。その最後の勝利を経験し、その後も長く大農野球部を見守り続けた私にとって…シュウ君だけではなく船東ナイン全員の勝利なのですが、格別の思いを抱いた、この日の勝利でした。
 翌日。シード校の盛岡第四と対戦。
 1994年に甲子園に出場し、その後も公立校の中では強く有力私立高校と対峙し続けて来たチーム。07年秋の県大会で優勝した力のあるチームです。
 この日も先発のマウンドに経ったサトウ君。前日はあわただしく球場についたもので、他のメンバー全員の特徴をつかんで試合を見ていたわけではないのですが、この日じっくり見たところでは「コントロールのいい試合の作れる投手」。緩急つけて第四打線に相対しようとしたのですが、残念ながら3回までに3失点。船東打線も、初回に3年のササキ君のヒットなどで好機を作りますが、後続が続きませんでした。

 4回。その3年ササキ君がマウンドに立ちました。サトウ君と違うのは力のあるボールで抑えこむというスタイルでしたが、四球から好機を作られ、好機は見逃さない第四打線につかまり2回4失点でマウンドを再びサトウ君にわたしました。
 5回の攻撃。7番のワタリ君が粘りに粘ります。
 12球は投げさせたでしょうか。凡打に終わったものの連れを次のシュウ君が生かせれば、と思ったのですが、カーブを打たされ投手ゴロに終わってしまいました。この日の船東打線は、第四の投手の中屋君のキレのいいストレート、カーブの前に的をしぼれず打たされた格好となってしまいました。

 その後、再びマウンドに立ったサトウ君はエースの意地とばかり力投を見せ第四を2回無得点に。6回には3年でただ一人背番号二桁のキンノ君がヒットを放ちましたが、主将カイ君の強打は真正面。7回も反撃する事が出来ず結果0-7の7回コールドで敗退してしまいました。

 それでも第一歩を記し始めた船東野球部。船工、大農出身者それぞれに大変な思いをしながらの3年間、この日までたたかい抜いた7選手とマネージャーの高校野球は終わりを告げました。
 それでも、この船東野球部を門を叩いた人に居場所を感じられる場所にしていただきたい。その一歩となるために頑張った8人にお疲れ様、と。この日試合に出たワタリ君、2年ササキ君はじめ残った23人のメンバーには「こっから道切り開けよ」とエールを送らせていただきます。
 そして、シュウ君。
 よく残って、続けてくれた。おかげでいいもの見させてもらったよ。
 今年は大農…じゃない船東の試合だけでなく、他のカードも実際見たり、テレビで注目してみたりさせていただきました。では、箇条書きでなんですがゴー。

・大野-岩手
 試合の経過は、ティトさんのブログで見させていただきました。
 岩手の投手は左と右の二本柱。右の体格いい方の高瀬投手は前年も登板。いい資質は持っているのだろうけど、乗り越える課題も多そうだな、と思っていたら今年の選手紹介に「ケガから復活途上」。しかし、彼と張り合った左の畠山投手、更にその張り合いの中で高瀬投手も復活し、2人で前年ベスト8の大野を2失点に防ぎました。試合は1-2で敗れましたがここまで来る道のり考えれば岩手も「敗者」とは言えませんね。

専修大北上-一戸
 船東-第四の試合後道路駆け上って着いたときには1回が終わっていました。
 前日に盛岡商業を破って意気上がる一戸…だったはずですが、専北の強打が初回から爆発。初回に4点、2回にも中井選手に四球を出した所で前日の立役者の寺沢投手はKO。その後左の小保内、右の体格いい田口、一年の山火翔太、同じく一年の川向各投手で防戦を図りますが、そうするにはあまりにも強い所が相手でした。4回は2アウトから更に8人が攻撃に立ちこの回7点。一戸も小保内選手が2安打を放ち、一塁手が前進守備で中井選手の強打を止めるなど一つ一つのプレーには光るものがありましたが残念な結果となってしまいました。

一関学院盛岡大附
 球場到着時には2回裏が始まっていました。
 4回に学院が先制するも、5回に盛大附が追いつき、学院の「2年生3本柱」と盛大附の金澤投手の投げ合いは9回終わっても決着つかず延長戦に。
 終盤に好機を作っては潰しあう、という展開に「15回まで、というのも覚悟せな…」と思っていた11回、盛大附は先頭の金澤投手が安打で出ると送った後で三浦選手がセンターオーバーの打球を放ちついに勝ち越し。その裏の学院の反撃を抑えて激戦を制しました。

 試合の流れを決めたのは「得点の機会をどう作るか」。
 手っ取り早く言えば、送りバントですね。
 実はこの試合、送りバントの失敗も多く…いや、この書き方は適当ではない。盛大附の金澤投手は2回、送りバントでのランナー封殺をしました。案外これは効いたのではないでしょうか。11回の盛大附の攻撃時に「やっと素直に決めたか」と思ったときには、三浦選手の打球が金森選手のグラブの先を越えていました。
 野球は…わずかの差で決まる。その恐さを味わった試合でした。

・大槌-盛岡北
 先の試合の後、夜勤もあるからすぐ帰ろうと思いましたが、両チームのシートノックの元気のよさがそれを許しませんでした。空席も出来た内野席に移動し(言い忘れていましたが船東-第四、盛大附-学院の試合は外野席で見ていました)この試合5回まで見させていただきました。
 試合は点の取り合いかと思われた2回裏に四球と守備の連携ミスから大槌が先手を奪いました。大槌の選手で目についたのは新田内野手。攻守共に動きのよさでチームに貢献していました。また小松投手もキレのいい球を武器にしていて、まだ2年という事もあり来年にはどういう投手に成長するか、楽しみです。
 盛岡北は3回途中に先発のバッテリーをそっくり入れ替え、流れを変えようとしましたが、結局それは果たせず8回までに大差をつけられコールドで敗退。初回に三ヶ田選手が「これが(打球を)押すバッティングか」という打撃を見せ1点取りましたが、残念な結果に終わりました。

・岩泉-花泉(テレビ観戦)
 結果から言えばコールドで花泉が勝った試合でした。
 岩泉はレギュラーが全員ですか?1、2年生。3年生は全員?が控えにまわる状況でしたが、芦口監督は7回にクリーンアップを迎える所で3年生3人を代打起用。3人とも凡打に終わりましたがいい思い出を作ることが出来たのではないでしょうか。

 最近「力が同じなら下級生を使う。それがチームのため」という流れも出来つつありますが、なんだかんだ言って3年生はこれで最後の大会なのです。最後なのだから、次はありません。勝負なのだから勝ち負けというものがつくのは当たり前ですが、その一方で3年間頑張った選手にその成果を表す舞台を与える、というのも必要ではないかなと思うわけです。

 そういう意味でほぼ同年代の芦口監督(同姓同名の異人でなければ)の決断に密かに拍手を送らせていただきました。テレビ見ながら。

・大槌-花巻東(テレビ観戦)
 先に紹介した大槌は花巻東と対戦。
 大会名簿で2年生の岩間選手が主将、というのに?と思ったのですが事情があり一年遅れて入学したとの事。先に紹介した新田、捕手の佐々木両選手と共にチームを支えつづけたようです。花巻東に最後まで食らい着きましたが、スコアでは0-7の敗戦。佐々木、新田両選手の分まで、頑張ろうぜ、元気者の岩間選手。

・盛岡第一-盛岡第四(ラジオ観戦)
 先手を取り続けたのは盛岡第一でした。
 監督が杉田さん…15年前(伊東高校3年生)には夏の大会準優勝。その時も有力高校を堅実な野球で大差で破り上位に進出してきました。この大会でも久慈にコールド、さらに船東が苦しめられた(安打だけで大量点とられるのは、四死球連発やエラー連発で大量点よりも恐い事です)盛岡第四に4-0。盛岡第四は5点とって逆転しますが、その直後に追いつかれ、9回に2アウトから不用意な守備から2番の3年生選手にサヨナラのヒットを浴びてしまいました。

 例えばですが、実力では10-8の差をつけられていたとする。
 だけども相手に6ぐらいの力しか出させず、自分達は8の力を発揮する。こうすれば実力差をひっくり返す事が出来る。そういうものを見させていただきました。
 さて、思いあたった試合ずらずらと書かせていただきましたが、先日なくなられた水野晴郎さんではありませんが「いや、野球はやっぱり素晴らしいですね」としかコメントは出せませんね。
 高校野球だから、こういう扱われ方もされるのでしょうが、こういう思いを抱くのは、他のスポーツも一緒、ではないでしょうか。こういう「居場所」を作る努力というのが、これからはより必要になるのではないかな、という思いをしています。生徒達の成長のために頑張られるすべての皆様に「お疲れ様です、これからも頑張ってください」とエールを送らせていただいて、この記事の制作を終わらせていただきます。
 長文拙文お読みいただきありがとうございました。


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