社会人野球の「三陸沿岸クラブ野球大会」は、7月4・5日の2日間、宮古総合運動公園(東北ヒロセ球場)をメインに、山田町総合運動公園の2会場で予選リーグ6試合と決勝戦が行われました。当初は予選リーグ上位4チームによる決勝トーナメントが行われる予定でしたが、雨天が予測されたため決勝戦のみの開催となりました。予選リーグは7イニング制、決勝戦は基本9イニング制(7回以降は2時間制限)で行われたこの大会の結果を、ホームページの試合速報を中心に、赤崎野球クラブについては直接の試合観戦をもとに記していきます。
◎予選リーグAブロック
▽住田硬式ク 3対2 宮古倶楽部
粘り強く戦った住田がサヨナラ勝ちを収めた。先制したのは二回表の宮古だったが、直後の三回裏に住田が2点を挙げて逆転。試合折り返しの五回に宮古が同点に追いつき、両チーム守備陣の粘り合いとなったが、試合途中で先発投手が負傷降板した宮古が最後は力尽きた。
▽住田硬式ク 9対8 赤崎野球ク
赤崎:0231020=8
住田:0012105=9
赤崎は終盤、試合をまとめにかかったが、住田が底意地を見せて都市対抗予選の借りを返すサヨナラ勝ちを収めた。試合を優勢に運んだのは赤崎。今シーズン初参戦の選手の長打で二回に先手を取ると、三回には主力打者の本塁打などで得点を重ねた。投げてはベテラン投手が粘り強く投げ、六回にはベテラン外野手の2点適時打でダメ押しかと思われたが、七回裏に住田が赤崎守備の乱れも手伝って1点差に詰め寄ると、当たっている四番打者がセンターオーバーのサヨナラタイムリーヒットを放ち、都市対抗の借りを返した。
▽赤崎野球ク 14対11 宮古倶楽部
赤崎:0039110=14
宮古:7000004=11
宮古が2度の集中攻撃で11点を挙げたが、赤崎が中盤の厚い攻めで宮古を上回り予選1勝1敗に持ち込んだ。宮古は初回、先頭打者のランニングホームランで先手を取ると8打数連続ヒットなどで7点を先制。しかし赤崎は三回に主力打者の2試合連続本塁打が飛び出すと、四回には打者一巡の猛攻で9得点を挙げ逆転した。その後も小刻みに点を挙げて突き放しにかかった赤崎だが、捕手が負傷。宮古はそのアクシデントに乗じて七回に3安打で4得点を返し一気に差を詰めたが赤崎が逃げ切った。宮古は投手が連投で苦戦を強いられた。
◎予選リーグBブロック
▽釜石野球団 5対3 久慈クラブ
大会優勝経験チーム同士の対決は、前回大会優勝の久慈クラブが三回裏に3点を先制し、そのまま試合の流れが進むかに思われた。しかし都市対抗東北の戦いを経験した釜石が終盤に攻勢を強め、六回に2点を挙げて1点差に詰め寄ると、七回に3点を挙げて一気に逆転。四回以降の久慈の攻撃を許さず、勝ち切った。
▽久慈クラブ 7対2 遠野クラブ
高田クラブに代わり出場した遠野クラブだが、試合には気構えを持って臨み、二回に先制こそされたものの直後に同点に追いついた。しかし久慈は二回裏に4点を挙げて逆転すると、三回にすかさず追加点。終盤にもダメを押して快勝した。遠野は五回に1点を返したが、二回の集中失点が響いた。
▽釜石野球団 10対4 遠野クラブ
引き続き釜石野球団に臨んだ遠野クラブだが、初回に2点を失うと、二回には6失点と猛攻を食らった。しかしその後の4イニングは比較的守備陣が落ち着き余分な失点を与えず、五回に1点、七回に2点を挙げて意地を見せつけた。釜石野球団は終盤のディフェンスに課題も残したが、序盤の猛攻で試合を掌握した。
▽準決勝 住田硬式ク 対 久慈クラブ:キャンセル
▽準決勝 釜石野球団 対 赤崎野球ク:キャンセル
▽決勝戦:釜石野球団 5対3 住田硬式ク
雨天日程の都合上、準決勝2試合をキャンセルし、予選リーグ各ブロック1位チームによる決勝戦のみ開催。釜石が二回に2点を先制するも、住田は四回に2点を返して同点に。その直後、釜石がすかさず勝ち越し、七回にも2点を挙げて突き放し試合の流れを掌握した。住田は九回に1点を返したが、3安打に抑え込まれた。釜石野球団が2年ぶり5回目の優勝を果たした。
2⃣ もともとこの三陸沿岸クラブ野球大会は4月下旬に予定されていた大会でしたが、大槌町で大規模山林火災が発生。前日の津波警報の件と合わせ、野球の試合ができる状況にならず大会開催を延期。7月上旬に日程が再編成され開催されました。岩手県内の社会人野球は今週末に「一関市長旗大会」を控えており、これ以上の大会延期は厳しかったものとみられます。
その中で大会を制した釜石野球団は、やはり都市対抗東北予選の経験が大きかったと見ます。かねてから「駒形を追いかけるには力量の安定化が必要」という見解を記してきましたが、大きな力量を安定的に発揮できるというのは強いチームの条件であり、それを体現した結果と思われます。一方で住田もポテンシャルの高さを評価されてきた中で、今大会では結果を出してほしい選手にそれが伴うなど成果を見せた部分もあり、さらなる成長を願いたいところです。
久慈クラブは、成果を見せつつある釜石野球団に迫る戦いができたのが一つの収穫になったと思われます。宮古は長年チームを引っ張る選手が負傷交代するアクシデントがありましたが、新人野手が奮闘を見せました。厳しい状況下で奮戦した主戦投手も含めて、今後の成長に期待です。遠野クラブは、高田クラブがファームリーグ試合の運営協力により不参加となったことを受けての代替出場。急遽の参加ながらも爪痕は残す戦いができたのではないでしょうか。特に昨年全国レベルの戦いを経験した復帰選手が、チーム成長の触媒となればと願っています。
3️⃣ 最後に赤崎野球クラブについて。
以前「社会人野球は3年も経てば選手の参加できる状況が変わってしまう」と指摘しましたが、まさにそれを突きつけられる状況となりました。この日はしばらくぶりに参加してもらった選手や、今季初参加の選手を多数起用。捕手も「学生時代以来」という選手が出場しましたが、思った以上にその立ち振る舞いは立派なものでした。
数年ぶりに参加した選手はバッティングの鋭さは変わらず、今季初参加の選手も相変わらずのチャンスメイクで力を発揮してくれました。強引な陣形を敷いた結果、そこにつけ込まれてしまい残念ながらサヨナラ負けという結果を招きましたが、それでもいるメンバーの奮戦でここまでできたというものは見せられたと思います。
ただでさえギリギリの陣容のところに、不慣れなポジションで起用した選手のダメージもあり、日曜日の試合参加ができなくなりましたが、残る公式戦をしっかり戦っていければ…それを後押しできればと思っています。
4️⃣ 社会人野球はここから8月にクラブ野球選手権、9月にかけて都市対抗野球と大きな大会が続きます。しかし、野球をするという舞台・熱意はドーム球場であっても近隣の海際に近い球場であっても変わりはありません。この時期には一関市長旗のような大きな大会もありますが、各地の地方大会も行われています。それぞれの目の前の試合を頑張った先に大きな舞台があるということで、各チームの戦いに注目したいと思います。
長い文章におつきあいいただき、ありがとうございました。
【おまけ】Instagramで「赤崎ク視点」の約1分動画を作りましたので見ていただければと思います。
