26、27日に宮古市、山田町で行われていた社会人野球・三陸沿岸クラブ野球大会は久慈市の2度目の優勝で幕を閉じました。この2日間で行われた試合の結果・詳報を感想をお話します。大会初日、山田町総合運動公園で行われた試合は直接、その他試合に関しては一球速報をホームページ(baseball.omyutech.com)を基にしています。
◎4月26日 Aブロック
▽釜石野球団 10─1 宮古倶楽部
釜石が初回に2点を先制。宮古は二回に1点を返したが釜石は中盤に攻勢をかけ四、五回に合わせて8点を奪い10対1に。宮古はコールドは免れたが集中攻撃を避けきれず1敗となった。
▽釜石野球団 2─1 久慈クラブ
延長タイブレークにまでもつれこんだ試合は釜石のサヨナラで決着がついた。序盤3イニングがゼロ行進。四回に釜石が先制するが六回に久慈が同点に追いつき延長戦にもつれこんだ。久慈は八回表の攻撃に悔いを残した。
▽久慈クラブ 15─4 宮古倶楽部
この試合の勝敗で翌日の参加の可否が決まる一戦は久慈が毎回得点の攻撃力を見せ決勝トーナメント進出。宮古は全般的に劣勢を強いられたが、五回裏に4点を返し爪痕を刻んだ。
◎予選Bブロック
▽住田硬式ク 17─1 赤崎野球ク
住田 19250=17
赤崎 00001=1
赤崎野球クラブは先発に社会人初登板選手を起用。活動再開が即先発ということもあり制球に苦しみ二回途中降板。その後も3投手を起用するが1人は改善途上、2人は野手ということもあり4人合わせて20四死球の乱調。住田は適時打を放ち一気に広めた。赤崎はランナーを出すものの点に結べず、五回裏に主将の本塁打で完封負けだけは逃れた。


(右)一矢報いる本塁打を放った赤崎キャプテン
▽高田クラブ 6─4 赤崎野球ク
高田 1100400=6
赤崎 0130000=4
エースが合流した赤崎は最善のメンバーで高田と対峙するも、高田は先頭打者本塁打など序盤に2点を先制。赤崎は二回に適時打でで1点を返すと、三回には2点適時打などで3点を奪い4対2とリード。試合の流れが変わったのはグランド整備終了後の五回。高田は2アウトから2点三塁打で一気逆転すると、その後の赤崎の攻勢を抑え1勝を上げた。赤崎は六回に満塁と攻め立てたがスクイズが併殺打になるなど、あと一歩押せなかったのが悔やまれた。


(右)3回に逆転打を放った赤崎三番打者
▽住田硬式ク 12─10 高田クラブ
一回裏に住田が2点を先制したが、高田は二回に打者一巡の攻撃で7点をあげ試合を掌握したかと思ったが、住田は3点差まで追い上げた四回裏に打者一巡の攻撃で7点を返し逆転。高田はその後も攻撃を仕掛け追いすがったが、四回までの得点が効いて住田が逃げ切った。
◎決勝トーナメント
▽準決勝 釜石野球団 12─8 高田クラブ
前日赤崎に逆転、住田に追いすがった高田は勢いを持ち込みたかったが、釜石が二回までの9得点の猛攻で先制パンチかまし逃げ切った。高田は大差をつけられて以降も諦めず小刻みに点を重ね、4点差まで詰めたが、五回の3失点が響いた。
▽準決勝 久慈クラブ 12─1 住田硬式ク
予選リーグ1位で勢いづく住田だったが、前日長く緊張感を保っていたのが響いたのか久慈が二回までに5得点の攻撃で試合を掌握。その後六回にも7得点を上げ大差をつけると住田は追いきれず、七回試合終了で敗れ去った。
▽決勝戦 久慈クラブ 5─4 釜石野球団
当大会の優勝経験を持つ両チームで争われた決勝戦は、前日の1勝で気持ち優位に立っていた釜石が先制。四回に久慈が1点を返すと試合は乱打戦の様相に。五、六回は両チーム点を取り合ったが、六回裏に3点をあげた久慈がリード。七回終了時に2時間オーバーしていたため試合終了。久慈が逃げ切って優勝を果たした。
上記写真は24年10月の北上市長旗大会より。
久慈と釜石は昨年岩手県を超えた戦いを経験しました。釜石はバッテリーを中心に選手補強を進め、これまでチームを成長させてきたメンバーと共に更なる躍進を目指しましたが、決勝戦六回の「わずかな差」で優勝を逃しました。一方で久慈は前日の苦杯を一晩で修正して優勝旗をもぎ取りました。新聞記事などまだ目にしてないので誰が投げたかというのは分かりませんが、2020年代前半で見せてきた伸長を裏付けた形となりました。
決勝トーナメントに進出した気仙両チームはともに準決勝敗退。高田は1日目、別大会に参加した選手もいて赤崎戦は陣容厳かったところでしたが、その穴を埋めたベテラン2選手が長年活動してきた年季を各々に見せ、それを若手選手がブーストする形で1勝を決めました。住田は大会初日に見せた見事な戦いぶりを2日目では…スコアの上では見られませんでした。高いレベルでの力量の安定性が宿題となりそうです。大会初日敗退の宮古倶楽部は地元開催でいいところを見せたかったのですが釜石には集中攻撃に、久慈には継続的に得点を奪われ苦戦。それでも諦めずに久慈から4点を奪い返したのは好材料と言えるのではないでしょうか。
そして赤崎野球クラブです。住田戦の20四死球はかなりこたえました。先発投手が1年間のブランクを超えて出場がいきなり先発投手で思うように制球できず、2番手登板者も昨年見た欠点を克服途上、「できた部分も見えた」登板ではありました。残り2人は文中に書いた通り元々が野手。無理に投げていただいたことにはただ頭が下がる思いです。エース、野手投手コンビに関しては試合勘以外心配なし。攻撃陣も個人の力量を見せた部分はありますが、チームとしての攻撃力はまだ研ぎ直している最中。どんなことがあったとしてもグランドでは現時点での力が現れるわけなので、結果に関しては言い訳しようがありません。ただ、その課題を克服する機会は2週間与えられたので克服して都市対抗野球に挑みたいです。
アナウンス・公式記録員・一球速報入力者研修併せて、関わられた皆様ほんにお疲れ様でした。
《今後の記事予定》
今後の社会人野球2025年公式戦部分記事制作予定は
・トヨタ自東参加の日立大会
・福島市長杯参加の盛岡球友倶結果
・山梨の南アルプス市長杯の結果はまとめて記述。
・都市対抗野球山形・青森予選
…あとは都市対抗野球岩手県予選に関する記述、組み合わせの記事がアップされていないの思い出したので近日中に装飾つけて出します。3県社会人野球の歴史中間報告は少し前の記事の通り「図表制作」作業を残しています。