2024年内に記述を書き終えることができなかった9月開催の東北連盟会長旗争奪大会クラブの部岩手県予選に関する記述を始めます。
この東北連盟大会が始まったのは1994年。それまでの岩手県の社会人野球は
・概ね5月に行われる都市対抗野球県予選
・概ね6月後半~7月上旬に行われるクラブ選手権岩手予選(当時は岩手予選で優勝すれば本大会)
・概ね8月下旬に行われる日本選手権岩手予選
…の3本柱で運営されていましたが、そこに9月の連休を使った東北連盟会長大会予選が加わって、当時のクラブチームは4大会が主戦場となったわけです。
2010年に日本選手権が基本企業チームのみの開催となり、一時期は東日本→東北クラブカップ岩手予選に移りもしましたが、その予選がクラブ選手権県予選に併合される形になったので、少なくないチームはこの大会が参加する年内最後の大会となります。近年は県北地区での開催となって私の関わる赤崎野球クラブは残念ながら欠場することが多かった大会で、私自身も球場に行くことができないでいましたが、参加したチームは「最後の決算」とばかりに懸命なプレーを見せました。
情報基は一球速報ホームページ(baseball.omyutech.com)より。毎日新聞、岩手日報ともにイニングスコアの記述がなかったので、今項ではその記述を行います。
▽一回戦 高田クラブ 9-8 矢巾硬式ク
矢巾 2300011010=8
高田 5000200011=9
両チーム激しい点の取り合いとなった試合は矢巾が追いついて延長に持ち込んだが、最後高田がサヨナラ勝ちを収めた。序盤2イニングで両者5得点。その後中盤一旦試合が収まるかに見えたが、終盤細かい点の取り合いで接戦に。高田の最後の一刺しが効いて二回戦進出を決めた。
滝沢 003100011=6
宮古 222001200=9
今シーズン初登場かつ初勝利を目指した滝沢スイカーズは、4点ビハインドの三回に3点を、四回にも1点返し詰め寄るが、宮古が都度都度リードを手放さず逃げ切った。とはいえ滝沢も中盤にも点を取り返すなど手応えをつかんだ試合となった。
▽二回戦 水沢駒形倶 18-0 雫石クラブ
雫石 0000000=0
駒形 2011500A=18
クラブ選手権では手応えをつかんだ雫石だったが、クラブ東北準優勝の駒形では相手が悪すぎた。三、四回に被ビッグイニングをくらい、0失点に抑えた回もあったが攻撃陣も手を出せず。駒形は集中得点で一気にペースを握りまず一勝。
▽二回戦 住田硬式ク 7-6 オール不来方
不来方004000200=6
住田 102020002=7
クラブ選手権東北進出で注目度も増した住田だったが、不来方は三回に4点をあげ一気にリード。しかし住田は三、五回に2点ずつ返すと再び追いつかれたものの、九回裏にひっくり返しサヨナラ勝ち。不来方は惜しい勝ち星を落とした。
▽二回戦 MKSIBC 9-3 黒陵クラブ
MKSI 101030220=9
黒陵 002000010=3
MKSIは三回までに2点をあげるが、黒陵がその裏に同点に追いつく。次の1点を取ったチームが試合の流れを持ってくる展開となったが、それを握ったのがMKSI。中盤にも突き放したMKSIが黒陵を上回り勝ち上がった。
▽二回戦 一戸桜陵ク 10-3 遠野クラブ
遠野 000120000=3
一戸 030060010=10
一戸は二回に3点を先制。遠野は四、五回に同点に追いついたが、五回裏に一戸が6点をあげ大量リード。八回にも追加点をあげた一戸が、後半遠野に失点を許さず一勝をあげた。
▽二回戦 オール江刺 8-4 盛岡球友倶
盛球 011100010=4
江刺 02010203A=8
試合前半は盛球江刺両者ともに3点ずつ取り合い互角の展開。しかし江刺は六回に2点をあげると、八回にも3点を奪い一気に突き放した。盛球は後半1点しか取れなかったのも響いた。
▽二回戦 久慈クラブ 9-1 一関BBC
久慈 10320003=9
一関 00000001=1
試合は久慈が序盤から攻勢をかけ、四回までに6得点。九回にも3点をあげた久慈が終始試合のペースを握り勝ち切った。一関は最終回に1点を返したが、試合通じて後手に回った。
▽二回戦 釜石野球団 15-8 高田クラブ
高田 10100132=8
釜石 10005405=15
沿岸チーム同士の対決となった一戦。五回途中までは高田がリードを奪っていたが、釜石が五回以降3度のビッグイニングを重ね高田を圧倒。高田は六回以降6得点を返し反撃したが、釜石攻撃陣の猛攻の前に勝機を失った。
▽二回戦 盛友クラブ 6-1 宮古倶楽部
宮古 010000000=1
盛友 00230001A=6
前日の一勝を自信に連勝と行きたかった宮古は二回に先制するが、盛友は三回に逆転、四回にも突き放し、以降宮古の攻撃陣を抑え込んで順当に一勝を挙げた。宮古は反撃がほしかった。
▽三回戦 オール江刺 9-2 MKSIBC
江刺 220103001=9
MKSI 010100000=2
オール江刺は二回までに4得点をあげリード。MKSIは四回まで2点を返し反撃を機するが、江刺は試合折り返しの六回に3点をあげダメを押した。MKSIは試合後半の反撃が利かなかった。
▽三回戦 水沢駒形倶 9-4 一戸桜陵ク
一戸 001020010=4
駒形 25001001A=9
一戸は攻撃陣が東北上位チーム相手に奮戦し4得点をあげたが、試合序盤二回までに食らった7失点が響いた格好となった。駒形は二回の5得点などで試合を掌握。一戸の追い上げをかわし最終日に進出した。
▽三回戦 盛友クラブ 5-1 住田硬式ク
住田 000000010=1
盛友 10300100A=5
投手陣の編成に苦慮する住田は盛友に序盤から小刻みに失点を喰らう。攻撃陣も盛友投手陣の前に得点を奪えず、八回にようやく1点を返したが、流れをひっくり返せなかった。盛友は三回までの4点が効きリベンジを果たした。
▽三回戦 久慈クラブ 8─0 釜石野球団
久慈 0022220=8
釜石 0000000=0
前日の大量得点を自信に戦いたかった釜石だが、この日は久慈投手陣の奮戦の前に得点を奪えず、さらに投手陣は久慈打撃陣に毎回のように複数失点を食らい抑えきれなかった。久慈が最終日進出。
▽準決勝 水沢駒形倶 8-3 盛友クラブ
駒形 510110000=8
盛友 100002000=3
岩手王者の駒形と、東北CCを経験してきた盛友の対決。駒形は油断なく初回5得点をあげ機先を制し、その後も五回までに8得点。盛友は序盤戦のこわばりが取れた六回に2点を返したが追撃が利かなかった。
▽準決勝 オール江刺 5-4 久慈クラブ
江刺 100110101=5
久慈 201010000=4
クラブ選手権で上位進出を阻まれた江刺にとってはリベンジの機会。強い意気込みで臨んだが、久慈もこの後上位大会を戦うプライドから負けられない五分五分の展開に。試合後半に得点を重ねた江刺の逆転し決勝に進出した。
▽決勝戦 水沢駒形倶 8─1 オール江刺
江刺 1000000=1
駒形 021401X=8
不完全燃焼の戦いを続けてきた江刺はこの試合で駒形を上回るリベンジを狙ったが、この大会ここまで強い攻撃力を見せてきた駒形がこの試合もコンスタントに8得点げコールド勝ちで優勝を成し遂げた。
この通り試合の論評を書いてきましたが、正直イニングスコアを書いていると俺の論評なんて必要なのか、と思いますが…まあ形式ということでご勘弁ください。
全国大会を経験してきた駒形が岩手のクラブ野球の中で一枚抜けている存在となっています。だけども、他のチームも全く手も足も出ずにやられっぱなしなのかと言えばそうではない。それでも駒形が相手の反撃を上回る強力な力量を発揮して勝ち抜いている。当面の駒形以外のチームの目標は「駒形にくらい着く」ということになるのでしょうか。
駒形以外のチームでは…クラブ選手権東北予選に進出した住田、釜石は最終日を待たずに敗退。東北CCに進出した久慈、盛友が最終日進出。久慈はこの後北海道・東北交流大会を控えた中での公式戦参戦でしたが、まずまずの成果を見せたものと思います。江刺は文中で書いた通り、近年は上位戦線に跳ね返される部分もありましたが決勝進出。この大会は「まず1歩」ということになるのでしょうか。
この後に北上市長杯大会を控えたチームもありましたが、この大会が2025年シーズンへのスタート地点になるものと思われます。この記事を書いていた2025年1月31日時点で社会人野球の日程は大まかに決定。参加チームの動向については情報が入っていないので、そこら辺は明らかになり次第記述していく予定です。長くおつきあいいただきありがとうございました。
下記写真は今大会決勝戦が行われた野田村の球場です。
だーかーらー これは隣接する「山村広場」だっての。
ライジングサンスタジアムはこちらでございます。