
都市対抗野球東北二次予選は秋田こまちスタジアムで第2代表決定トーナメント三回戦が2試合行われました。一球速報ホームページ(https://baseball.omyutech.com/)の情報を元に雑感を記してまいります。
▽第2T三回戦 七十七銀行 10―0 B-net/山形
山形はこの日もベテラン左腕→右のエースの2人の継投で試合をつくりに来たが、七十七銀行は二回から毎回得点の攻撃力を見せ、六回までで8対0とリード。コールドを防ぎたかった山形だが、あと1アウトというところで守備の乱れで失点し七回で試合を終えた。
そして、注目されたB-net/山形ですが、約1週間5試合を3人の投手でまかないました。そのうちの1人は2007年岩手21赤べこ野球軍団が都市対抗野球に出場した際に補強で来てくれた投手。近年は所属野球部のマネージャーとして尽力されていましたが、今年は主戦投手に復帰。Twitterタイムラインでは「錆びていない」「40歳には見えない」など高評価。その奮闘は大会特別賞を受賞へとつながりました。
この投手以外にも一度硬式のグランドを離れた選手もいましたが、鍛え直してまた東北の舞台で戦ってくれたことに頭が下がる思いです。
では、9日の試合の見どころを記していきます。
《こまちスタジアム》10時開始予定
準決勝敗退の影響を感じさせず、山形にコールド勝ちした七十七銀行は、ベテラン内野手を中心とした攻撃陣が勝負強さをもとにたたみかけることができるか。トヨタは駒形戦の大勝につられず締めるところはきっちり締める野球を展開してここまで進出してきた。投手陣がどこまで試合を掌握することができるか。
▽第1T決勝戦 JR東北 ―TDK
東北王者を決める戦い、両者ともに準決勝は厳しい鍔迫り合いを制してきた。TDKは地元応援団のフォローを受けながら分厚い投手陣でJRの攻撃陣を防ぎとめたい。一方JR東北はトヨタ、七十七と接戦を制して勝ち上がってきた勢いをつなげることができるか。「力量発揮の安定性」に秀でた2チームに注目。
1927年に始まった都市対抗野球ですが、秋田県野球界は大会開催は認識しながらも、景気縮小・不況、凶作の社会状況から参加を見合わせ、全国的に地区予選の環境も整った1932年開催第6回大会から都市対抗野球県予選をスタートしました。
この時期の能代のチームでは能代渟城という強豪がありましたが、都市対抗予選に参加したのは能代実業チーム。さらに両チームが連合して「全能代」という形態で参加した年もありましたが、参加の仕方は断続的なものでした。秋田市から北部地方で盛んだったのは小坂鉱山で、1939年には青森林友に敗れたものの東北準優勝。戦後も全能代で参加した足跡もありましたが、日本社会人野球連盟設立(1949年)後、継続的に活動する硬式チームは創設されてきませんでした。
1987年、能代高校OBが能代松陵クラブを結成。能代高校OBで、社会人野球でも足跡を残した山田久志投手がユニフォームを寄贈したという一文もありました。クラブ野球選手権本大会には1994年、2000年、2002年と3度出場。その後は県内チームとの群雄割拠に巻き込まれる格好となりましたが、北上市長旗大会など県外大会にも積極的に出場し続け爪を研ぎ、都市対抗野球本大会へ補強選手輩出、2019、2022年の東北クラブカップ大会では準優勝を成し遂げるなど力量を上げてきた中臨んだ今年の都市対抗野球予選でついにライバルゴールデンリバースを破り東北大会という舞台にたどり着いたのでした。
東北大会で弘前アレッズに食らいつき、B-net/山形には選手個人の経験値の差で苦杯を喫したりもしましたが、東北予選で戦えたことそのものが、この後のチームの行方に影響を与えて、能代野球ここにありというところをこれからも見せられるように、と願います。
今日もおつきあいいただきありがとうございました。