高校野球、終わりましたね。
金足農は届きませんでしたか。猛暑の中の連日の戦いというのはパフォーマンスがどーしても落ちる。まして吉田君のような投手は「鉛筆の芯を尖らせた」状態に置くわけですから、その芯が鈍ればダメージを負うし、対戦相手をアウトにとれなくなっていく。三人くらいでローテーション組めた大阪桐蔭とそこで差ができたのかな、と思うと残念です。
例年、この時期になると野球に関わっていて強く感じる無力感に襲われるのですよ。投手へのダメージの蓄積。91年大会の沖縄水産大野倫さんや92年大会の一関商工山井さんのケガがきっかけで大会前の診断が義務付けられましたが、二週間そこらの大会中に投じられる球数を考えると…投球数制限や大会日程の工夫などか言われていますが、実効に難儀しているのが実際です。
物事を変える、というにはあまりにも巨大になり過ぎた高校野球・甲子園。その巨大さが生み出す「利潤」に寄る人もいるし、例年の光景と流れるままに…というのが一般的。ただ、今後も「誰も痛まずに野球に向き合う」ためには、痛む原因を見て対応していくことが必要ではないかな、と思うものです。
そういう意味では同じ高校野球でも軟式大会の方に見るものがあります。このあと明石市で全国大会が行われますが、区分けは以下の通り。
◇北海道、北東北、南東北、北関東、南関東、東京、北信越、東海、愛知、近畿、大阪、兵庫、中国西部、中国東部、四国、北部九州、南部九州
と。このように細かく段階踏ませることで負担を減らすこともひとつの手段、と考えます。具体的に図にしてみれば
・6月下旬から7月第三週まで→北海道、東京、愛知、大阪のぞく都道府県大会
・7月末までで→16ブロック代表決定
・8月第二週あたり→北海道〜東海で東日本ブロック一、二回戦(候補、西武ドーム)、愛知〜南部九州で西日本ブロック一、二回戦(候補、大阪ドーム)。
・8月第三か第四週→甲子園でベスト8か4以降を実施
というのも手かと。これは小手先の類いでしかありませんが、関係者には真剣な検討を願うものです。
もうひとつ。高校野球の持つ悪癖や欠点に触れている皆様に考慮願いたいことが。
「相手に届く話し方」というのを考えていただけませんか。“もうひとつの主題”でも感じますが、いまの多数派の悪癖を正そうという想いの発揮の仕方、間違ったら単なるぶっ叩きにしかならない。そこは考慮を願います。