MBC野球発信局-袖番号96 伊東勉のページ。

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社会人野球制度改革に対応して…拙ないものではありますが一つの提案を。【2009社会人野球】

 では、この項では社会人野球に関して、さまざま出されている提案を、岩手県のおかれている状況を加味して、私伊東が「この方式がいいんでないべか」という思いを持って作りました。何か案を作る際のたたき台、踏み台にしていただければ、と思います。

1.日本野球連盟(以下JABA)が提出した提案についての私見

 JABAは去年秋に「社会人野球制度改革(案)」を発表。08年度で一度中断したクラブカップ大会の復活と、日本選手権大会予選のクラブチーム参加を限定する方針が発表されました。
 この件に関しては、当初「クラブチームの参加を狭めるもので納得できない」という思いを持ちました。全チームオープン参加のはずの大会で排除か、と。

 ただし、文章をよく読むと
 (1)日本選手権をその年度の単独チームチャンピオン、言わば「チャンピオン・オブ・チャンピオン」を決める性質をもつ大会にする。
 (2)現状ではトップクラスの企業チームに太刀打ちできるクラブチームは少ない。
 (3)その一方で上位大会進出という目標をもたせる意味で「クラブカップ大会復活」、試合参加機会を増やすという意味で「クラブリーグ計画」も同時に計画されている。

 という考えが含まれていましたので、とりあえずは「クラブチームの多様な試合参加機会が保証されるなら同意」というスタイルをとります。

 社会人野球も、多くの方の協力があって成り立っているのは承知しています。その中には財政的に大きな力をいたたいている企業もその中の一つです。ただ「政策仕分け作業」でもバッサリ切られてしまったように「生きるか死ぬか」という状況にされてしまった時には、直接は生き死にに関係しない部分がどうしても削られる傾向があります。

 大会開催の合理化も、そういう面があった部分は否定できないと思います。
 どの団体にしても、財政で頭が痛いことと思いますから。
 今回の改革案は「金を節約する」のではなく「限られた力をフルに発揮するという方向性で物事が考えられた」事から出たものでないと…加盟するチームのもつ力を発揮するものであってほしい、と願います。

2.現在提案されている「クラブリーグ5カ年計画」について。

 さて、先のコーナーで触れた「クラブ野球リーグ5カ年計画」。
 2009JABA年報では各県連盟の取り組みが掲載されていました。
 岩手県連盟に関しては以下のような報告がされていました。
(以下「日本野球連盟報2009」の、各県の取り組み・意見のページより要点を引用。)
 ・リーグ構築には賛成、前向きに検討。
 ・岩手では11大会を実施。さらにリーグを行うには日程やチーム負担、球場、スタッフ の手配など現状では無理がある。
 ・チーム数が多く、全チーム参加のリーグ戦は無理。
  チーム所在地別あるいはチーム力クラス分にする方法が考えられる。
  各チーム毎に練習試合などで試合数を補っている部分がある一方で、年間数試合で終  わるチームもある。
  いずれにしても全チームの意見を最優先に考えたい。
 ・自主運営については困難が多い。連盟主導での実施が意味がある。
 ・参加大会が限られる企業チームの試合数不足が懸念される。
(以上引用終了。)


 これに加えて、私が生活の現場見た限りでは…
 ・職場の人数がギリギリで、誰か代わりに出てもらう事も簡単ではない。
 ・所得が多くはなく(最低賃金が低い岩手県、さらに若年労働者の給与の低さ)活動にかかわる支出が出しずらい。
 ・職場が週末休みではない場所をも増えて来た。
  (多くの人が…という事で、岩手県連盟さんには便宜はかっていただいています)
・軟式チームに登録している選手も多く、日程が重なった時にどちらの方で対応するか難儀する事もある。そうでなくとも、軟式大会も含めると、相当数の日程野球の大会が開催されている。
 
 という現状。
 その一方で、連盟の報告にもありましたが、加盟するチームの中での試合経験数には大きい差があります。
 大会開催は月平均1つ、多くて2つですが、勝ち進むと数多くのたたかいに挑む事になります。09年度で一番試合をしたのは水沢駒形とフェズント岩手で27試合。
 一方で4試合以下でシーズンを終えたチームは8チーム、加盟チームの約3分の1と多くあります。この8チームのうち、勝ち星を挙げたのは2チーム。6チームが1勝をあげる事なく、シーズンを終えています。

 正直、この状態でいいのだろうか。
 チームを組んだからには、試合をしたいべし、試合に臨んだ際には勝ちたいと思うのは、ここに書く以前の話でしょう。
 ならば、以上に書かれた事を踏まえたうえで、できるだけ多くの試合経験を用意する、という事が今回「クラブリーグ5カ年計画」に示されたものではないでしょうか。

 そこで、です。
 どうしても野球のリーグ戦となると「全チーム総当たり」か「6チームのリーグ戦」というのが思い当たる形ではありますが、先にも触れた様に、軟式野球の大会も含めれば相当数の大会をこなす実態があることを踏まえたうえで、以下のような提案をさせていただきます。

◇リーグ戦の形式(案)。
 ・大体の日程が2日間で終わるようにする。
  連日でもいいし、離してもOK。
 ・一つのリーグ戦で形成するチームは4チーム。
 ・一つの区分けに6チームある場合は実績別に2つに分ける。
  その場合は1回戦総当たり×2。


 どうしても全チームだと23日、6チームリーグでも5日は日程を取られます。広い岩手県土の事も考えるとそれに対応できるとは言いにくいでしょう。
 大会を2日間で消化、という形にしたのは選手・役員にかかる日程的負担を最小限にしながら、それでも多くの試合を経験していただく、という事で考えた結果が「4チームリーグ&3チーム2回戦」です。

《一例としての図表》◇4チームリーグ
        第一試合  第二試合  第三試合
 大会1日目 高田-駒形 赤崎-江刺 高田-江刺
 大会2日目 駒形-赤崎 赤崎-高田 駒形-江刺

◇3チームリーグ
 大会1日目 第一試合 市立-大槌 
       第二試合 第一試合負け-雫石
       第三試合 第一試合勝ち-雫石
 大会2日目 第一試合 1日目2位-同3位
       第二試合 1日目1位-第一試合敗者
       第三試合 1日目1位-第一試合勝者


 では、その形をどうするかに関しては、岩手連盟報告にもありましたが2パターン考えられます。「クラス別=実績別」と「地域別」です。そちらの方も下の方に思案を作ってみました。

◇提案1
◆リーグ戦の形式 地域毎に分ける。
 ・県北地区 福高、一戸、九戸、久慈。
  (開催候補:二戸、一戸、九戸、葛巻、軽米、久慈、野田)
 ・盛岡地区 盛岡、市立、盛友、不来方、雫石、矢巾
  (開催候補:県営、雫石、滝沢、紫波、八幡平西根、岩手)
 ・中部地区 駒形、江刺、前沢、北上、黒陵、花巻。
  (開催候補:花巻、大迫、江釣子錦秋湖、岩崎、森山、江刺、水沢、前沢)
 ・県南地区 赤崎、高田、住田、一関。
  (開催候補:一関、東山、大東、花泉高田松原、大船渡、新住田)
 ・沿岸地区 釜石、大槌、宮古、遠野。

  (開催候補:釜石、遠野、大槌、山田、宮古、岩泉、普代)

 まず提案1は「地域別」。
 という事で考えられるパターンいくつか考えたところ、上記のパターンでまとまりました。実は「4チームリーグ」にこだわっていた時は盛岡、中部地区でどう組分けするかで悩みましたが「6チームの組分け、入れ替えありの3チーム2回戦リーグ戦」でやれればどうでしょう、と考えた結果この形になったのでした。

 この形の場合、遠征距離は少なくてすみますが、対戦相手のレベルの差がある組み合わせもあり、その部分が課題になるとおもいます。

◇提案2
◆実績別のリーグ戦。
 ・一部 駒形、江刺、赤崎、高田
・二部 宮古、遠野、黒陵、久慈
 ・三部 北上、盛岡、矢巾、一戸
 ・四部 福高、前沢、釜石、盛友
 ・五部 花巻、不来方、一関、住田
 ・六部 九戸、大槌、市立、雫石

 各部の1位は上位リーグ4位と入れ替え。


 続いてはクラス別、実績別のリーグ戦。
 とりあえず09年のポイントランキングを元にして作ってみましたが、一般的に実力の近いチームとのたたかいが、一番楽しめるものではないでしょうか。中々全チーム組み合わせ抽選ではそうも行かないから、このリーグ戦ならそういうのは修正できるか、と思います。年度毎にチームの力も代わりますから、その部分はリーグの入れ替えで対応。

 岩手県の場合は企業チームも試合数が多くはない、という報告も記載されていたので、その事を加味して改めて振り分けすると、以下の様になるでしょうか。
 
 ・一部 F岩、JR、駒形、江刺(錦秋湖
・二部 赤崎、高田、宮古、遠野(釜石平田)
 ・三部 黒陵、久慈、北上、盛岡(岩手or西根)
 ・四部 矢巾、一戸、福高、前沢(滝沢)
 ・五部 釜石、盛友、花巻、不来方(大迫)
 ・六部 一関、住田、九戸(紫波
 ・七部 大槌、市立、雫石(遠野)


 4チームずつ律義に分けると、七部が2チーム編成になるので、六部とあわせて3チームリーグ結成にしました。
 括弧内は各チームのほぼ中間地点の野球場を当ててみましたが、当事者で決めるもよし、将来的には社会人野球チームのない自治体に出掛けて行き『〇〇町Day』として盛り上げるのも一つの策でしょう。
 地域の中学生や高校生に協力していただき、そのお返しに技術などの交流するというのも一つの手ではないでしょうか。(その時間作るために試合7回制もあり。)
 と、いう事で一つのたたき台を書かせていただきました。
 正直、自分のこの一文で完璧だなんて事は思っていません。
 (思っていたら病院行きます)
 何分、経費に関する事や運営に関する事は自分では見当がつかず、全然書けなかった訳ですから。(例えば、審判をのべ168人用意する、ボールの手配、球場利用料…etc)その部分、本当にすみません。

 文中で岩手県連盟の報告にも書いていたとおり「全チームの意見」と言うのを詳細に集める必要はあると思います(※1)この際今の岩手県の社会人野球の実態がどうなっているかと言うのも併せて、アンケートなどを実施する事を提案します。

 実は…一年間あたためていた「課題」でもあったんですね。この記事は。
 ただ、これをどう扱うか難儀して、とうとう書く事もできず、危うく永遠に書く事ができない事態にもなる所でしたが、何とか世に出せた事でホッとしています。
 このたたき台を元に、全チームが参加して、充実した議論、充実した大会が実施されることを願ってこの一文を閉じさせていただきます。

※1 3日に下書きで書いていた時はここで文を閉じていましたが、後に「17日に意見交換会」という話を県連盟のブログで知りました。正直、その議論に耐えられる提案かどうか、という中身ですが、一つの「踏み台」として見ていただければ、と思います。
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