百二十九の巻 都市対抗岩手県予選(前編)-第一代表決定戦。フェズント岩手、3年連続の優勝!はこちらからお願いします。
また、この記事も記事中の敬称は略します。ご了承ください。
そして、いつもの社会人野球の記事の書き方と趣向を変えます。
1.一発の応酬からはじまった。
肌寒い朝5時の時点での天気からは見違えるような、透き通るような青空の下、幾度も激戦を繰り広げてきたチームが、岩手からの「東北舞台の切符」残り1枚をめぐって争うことになりました。
赤崎は、前日のJR戦で9回を完封した佐々木慶喜。
駒形は前日山本淳一に投げ勝った佐藤功也。
両投手の先発で、試合は始まりました。
試合はいきなり動きます。
2回表。駒形の4番深井の打球は高い弾道とともにレフトスタンドへと飛び込む。
強烈な一打とともにいきなり記された1-0。
だが、赤崎も負けてはいない。
2回裏。この試合のために遠距離からはせ参じた男の一撃が飛び出した。
出羽の打球は、これも高い弾道を刻みライトスタンドに。
序盤からホームランの応酬。この試合の先行きを暗示していた。
⇒写真左は駒形・深井選手。右は赤崎・出羽選手。
ともに強烈な一撃を放ってくれました。
次に一手を打ったのは駒形だ。
3回、千葉光の四球、さらに佐藤辰哉がレフト前に抜ける安打で1死一、二塁とすると、再び深井が強烈な打球をレフトへぶっ飛ばす。これで2-1。駒形がペースを握った形となった。この後赤崎はバックの力も総動員し駒形の攻撃を止めるが、駒形も赤崎に好機を作らせず、試合は折り返し地点の5回を過ぎた。
2.アクシデントと共に目覚めた『負けん気』。
グラウンド整備で中断していた試合が、再開した。
6回。駒形は「これでもか」と攻めまくる。
新渡戸の二塁打の後、加藤武の犠打を佐々木慶喜が三塁に投げたがタッチ未成立でセーフの判定。菊池譲に四球を出し満塁にしたものの斉藤を併殺に討ち取り2アウトとした。
だが…長らく駒形の9番・ショートを任された男の一撃が、赤崎の「あと一つ」を打ち砕いた。一塁横の打球を山下が抑えきれず、ランナーが帰りさらに1点加えられ1-3とされた。
赤崎も、2試合連続で同じ投手に抑えられるわけには行かない、と主将の生形が意地を見せる。四球出塁後、村上修の内野ゴロで二進。ここで前日にサヨナラ適時打を放った山下が、センター前にはじき返す!生形生還…も、何かおかしい。両脇を抱えられてベンチに帰ってきた。
ここ1、2年はファーストを主に守る生形だったが、今日の試合はレギュラーの村上耕、多田桂三ともにいない。この日は平野と二遊間コンビを組み、5回には深井の強烈な打球を飛びついて止めていたが…とうとう参ってしまったかもしれない。
この日は先に言った「キーストンコンビ」も、3、4番打者も、それぞれ所要があってどうしても来る事ができなかった。その中で一人抜ける、という事は大変な事になるわけで…。そうでなくともサードレギュラーの新沼も負傷しているだけに、大幅な守備の変更を余儀なくされた。
佐々木宏也をショートに、平野をサードに。セカンドには途中からレフトに入っていた投手の古内が回った。レフトには2年目の伊東崇文が入った。
⇒体を張ってチームを支え続けた生形主将(写真左)の離脱は大きかったが、その場にいたメンバーは、それぞれの立場で奮闘を続けた。写真右は外野、二塁に入った古内投手。
一見すれば「赤崎の勝ち目減った」とでもいいたくなる場面だったが、メンバーはここからがんばりを見せる。
7回。赤崎は投手を佐々木純一に代えたが、駒形は執拗に攻め、佐藤辰哉セカンド越えヒット→深井、新渡戸四球から加藤武のセンター前ヒットで1点を追加される。まだワンアウト。点を取られる危険性の高い場面だったが、この後の2人を打ち取ると、その裏に佐々木隆浩のセンター前ヒット→古内の犠打→平野の死球→山本武の安打で攻め立て、打者伊東崇文の時に捕手が大きくボールはじき、1点差に詰め寄る。
駒形はここでサードの加藤武をマウンドに上げた。
去年から投手としての登板も増えているチームのまとめ役が流れを断ち切りに行ったが、同年代の佐々木宏也がきっちりと仕事をこなす。ライトへの犠牲フライ。平野がホームに帰り、とうとう同点に追いついた。さらに村上修が四球、山下も痛打を放つが、センターの真正面だった…ものの、試合はとうとう振り出しに戻した。
3.この熾烈な展開でも“序章”。
駒形は代わった佐々木純一を攻め、8回表には千葉光の安打、羽藤の絶妙なバント安打で好機を作るが、深井を何とか打ち取り0に封じる。
8回裏。赤崎は三者凡退。
9回表。新渡戸、加藤武と連続四球を与えたところで赤崎はエース・山本淳一をマウンドに上げた。もうこれ以上は、という場面で試合をエースに託した。
駒形は菊池譲が送りバントを決め一死二、三塁。勝ち越しのチャンスは整えたが、途中から捕手に入っている佐藤剛太の打球はセンターに飛んだが、犠牲フライにするには浅すぎ2アウト。続く千田もセンターフライに打ち取りこの回を0に封じた。
そうなれば、赤崎はサヨナラの好機…だったが、ツーアウト後の伊東崇文の安打も、直後に執拗なけん制に誘い出され、この回を0で終える。
試合開始は正午。
9回終わって、時計は2時を少し回った所だ。
ここからの一時間が、果てしなく濃い一時間となるとは、このとき誰も思わなかっただろう。その一時間の間に起きた事は、エントリを変えてお送りします。
百二十九の巻 都市対抗岩手県予選(後編)10回の攻防の末、赤崎、5年ぶりの“東北”へ-。
また、この記事も記事中の敬称は略します。ご了承ください。
そして、いつもの社会人野球の記事の書き方と趣向を変えます。
1.一発の応酬からはじまった。
肌寒い朝5時の時点での天気からは見違えるような、透き通るような青空の下、幾度も激戦を繰り広げてきたチームが、岩手からの「東北舞台の切符」残り1枚をめぐって争うことになりました。
赤崎は、前日のJR戦で9回を完封した佐々木慶喜。
駒形は前日山本淳一に投げ勝った佐藤功也。
両投手の先発で、試合は始まりました。
試合はいきなり動きます。
2回表。駒形の4番深井の打球は高い弾道とともにレフトスタンドへと飛び込む。
強烈な一打とともにいきなり記された1-0。
だが、赤崎も負けてはいない。
2回裏。この試合のために遠距離からはせ参じた男の一撃が飛び出した。
出羽の打球は、これも高い弾道を刻みライトスタンドに。
序盤からホームランの応酬。この試合の先行きを暗示していた。
⇒写真左は駒形・深井選手。右は赤崎・出羽選手。
ともに強烈な一撃を放ってくれました。
次に一手を打ったのは駒形だ。
3回、千葉光の四球、さらに佐藤辰哉がレフト前に抜ける安打で1死一、二塁とすると、再び深井が強烈な打球をレフトへぶっ飛ばす。これで2-1。駒形がペースを握った形となった。この後赤崎はバックの力も総動員し駒形の攻撃を止めるが、駒形も赤崎に好機を作らせず、試合は折り返し地点の5回を過ぎた。
2.アクシデントと共に目覚めた『負けん気』。
グラウンド整備で中断していた試合が、再開した。
6回。駒形は「これでもか」と攻めまくる。
新渡戸の二塁打の後、加藤武の犠打を佐々木慶喜が三塁に投げたがタッチ未成立でセーフの判定。菊池譲に四球を出し満塁にしたものの斉藤を併殺に討ち取り2アウトとした。
だが…長らく駒形の9番・ショートを任された男の一撃が、赤崎の「あと一つ」を打ち砕いた。一塁横の打球を山下が抑えきれず、ランナーが帰りさらに1点加えられ1-3とされた。
赤崎も、2試合連続で同じ投手に抑えられるわけには行かない、と主将の生形が意地を見せる。四球出塁後、村上修の内野ゴロで二進。ここで前日にサヨナラ適時打を放った山下が、センター前にはじき返す!生形生還…も、何かおかしい。両脇を抱えられてベンチに帰ってきた。
ここ1、2年はファーストを主に守る生形だったが、今日の試合はレギュラーの村上耕、多田桂三ともにいない。この日は平野と二遊間コンビを組み、5回には深井の強烈な打球を飛びついて止めていたが…とうとう参ってしまったかもしれない。
この日は先に言った「キーストンコンビ」も、3、4番打者も、それぞれ所要があってどうしても来る事ができなかった。その中で一人抜ける、という事は大変な事になるわけで…。そうでなくともサードレギュラーの新沼も負傷しているだけに、大幅な守備の変更を余儀なくされた。
佐々木宏也をショートに、平野をサードに。セカンドには途中からレフトに入っていた投手の古内が回った。レフトには2年目の伊東崇文が入った。
⇒体を張ってチームを支え続けた生形主将(写真左)の離脱は大きかったが、その場にいたメンバーは、それぞれの立場で奮闘を続けた。写真右は外野、二塁に入った古内投手。
一見すれば「赤崎の勝ち目減った」とでもいいたくなる場面だったが、メンバーはここからがんばりを見せる。
7回。赤崎は投手を佐々木純一に代えたが、駒形は執拗に攻め、佐藤辰哉セカンド越えヒット→深井、新渡戸四球から加藤武のセンター前ヒットで1点を追加される。まだワンアウト。点を取られる危険性の高い場面だったが、この後の2人を打ち取ると、その裏に佐々木隆浩のセンター前ヒット→古内の犠打→平野の死球→山本武の安打で攻め立て、打者伊東崇文の時に捕手が大きくボールはじき、1点差に詰め寄る。
駒形はここでサードの加藤武をマウンドに上げた。
去年から投手としての登板も増えているチームのまとめ役が流れを断ち切りに行ったが、同年代の佐々木宏也がきっちりと仕事をこなす。ライトへの犠牲フライ。平野がホームに帰り、とうとう同点に追いついた。さらに村上修が四球、山下も痛打を放つが、センターの真正面だった…ものの、試合はとうとう振り出しに戻した。
3.この熾烈な展開でも“序章”。
駒形は代わった佐々木純一を攻め、8回表には千葉光の安打、羽藤の絶妙なバント安打で好機を作るが、深井を何とか打ち取り0に封じる。
8回裏。赤崎は三者凡退。
9回表。新渡戸、加藤武と連続四球を与えたところで赤崎はエース・山本淳一をマウンドに上げた。もうこれ以上は、という場面で試合をエースに託した。
駒形は菊池譲が送りバントを決め一死二、三塁。勝ち越しのチャンスは整えたが、途中から捕手に入っている佐藤剛太の打球はセンターに飛んだが、犠牲フライにするには浅すぎ2アウト。続く千田もセンターフライに打ち取りこの回を0に封じた。
そうなれば、赤崎はサヨナラの好機…だったが、ツーアウト後の伊東崇文の安打も、直後に執拗なけん制に誘い出され、この回を0で終える。
試合開始は正午。
9回終わって、時計は2時を少し回った所だ。
ここからの一時間が、果てしなく濃い一時間となるとは、このとき誰も思わなかっただろう。その一時間の間に起きた事は、エントリを変えてお送りします。
百二十九の巻 都市対抗岩手県予選(後編)10回の攻防の末、赤崎、5年ぶりの“東北”へ-。