MBC野球発信局-袖番号96 伊東勉のページ。

17年9月から移籍。こちらでは社会人野球など野球中心の記述をします。

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CK158 東北リーグ入りかけた河川敷での熱いたたかい。岩手・大宮クラブ-秋田・北都銀行。

 遠くに見える東は早池峰山、西にそびえる焼石岳…すっかり真っ白に。
 前日、前々日に降った雨は、山の方では雪となっていた様でして、冬の訪れを感じる光景。内陸地域も朝夜はすっかり冷えていまして…昼間はある程度暖かくもなりますが、普通に語れば「寒みぃ」という言葉が当たり前の時期となって来ました。

 秋スタート、春に終わるサッカーの地域だと、まだまだこっからよ、という所ですが、春スタートの日本では、この時期は既に終盤戦。既にリーグ戦が終わっているリーグでは、次の年をどのリーグ戦でたたかうかをめぐるたたかいが各地域で行われています。
 (岩手県の部分での記事は「CK148 結果はこれか!/FREDGE、高田、岩手教員団、岩手が入れ替え戦勝利。 」で。)

 岩手県・東北地域では大体こうなっていますか。

岩手県サッカー協会に登録しているチームの内、4部各6チーム計24チームがホーム&アウェイでリーグ戦をたたかう。他のチームは次の年の参戦をかけて社会人大会トーナメントをたたかう。
  ↓
・原則として各リーグ1位チームは自動昇格、6位チームは自動降格。
 2位チームは上部リーグの5位と入れ替え線をたたかう。
  ↓
岩手県一部1位は、秋田県青森県の1位チームと「3県チャレンジマッチ」を変則ホーム&アウェイで一回戦リーグ戦でたたかう。1位チームは東北リーグ2部北ブロック昇格。2位チームは同ブロック7位チームと入れ替え戦

 という、複雑な形式となっています。
 近辺の記事でも話しましたが、会場が「奥州市・桜づづみ運動公園」という事で…車で10分の場所にありましたので、どんなん試合だろう、と思い見に行きました。
 グルージャ盛岡-NECトーキンFCの試合が約1300人。ベガルタ仙台横浜FCの試合が約1万人、FREDGE-大船渡との試合が20人。さて、この試合は何人来るのかな、と思って見にきたら…やはり地元だけあって、大宮の関係者の皆様が多く来場されていましたね。
 アントラーズの小笠原選手がサッカーを始めたのが、この大宮のチームと聞きます。大宮ではサッカーの盛んな地域なのでしょう。日本代表選手を生んだのも、その土壌があるからではないでしょうか。

 私が社会人サッカーを取り上げるようになってから数年。
 その最初の記事では東北リーグにも参戦していましたが、残念ながら降格、県一部リーグでも納得のいくたたかいはできていない様に見えました。この状況をよそに、fuji03、紫波といったライバルチームが次々と昇格。それでも、地道に頑張り、今回東北リーグ復活への道筋をつけました。

 しかし、それは北都銀行も同じ事。
 東北2部北リーグに参戦していたもののやはり降格。秋田県のリーグでやり直し、昇格への道筋をつけてきました。この試合開始前までに青森から参戦のリベロ津軽は1分1敗でストレートの昇格はほぼ絶望。この試合の勝者が2部北に昇格という、ある意味わかりやすい構図となっています。

 と、そんなこんな語っている内にキックオフ。
 周りの方から話を聞くと「かつて2部北に在籍していた時は大宮に分があった」と。その言葉どおり、大宮が押してはいましたが、最後のフィニッシュがうまくいきません。一方、北都銀行も機会は多くはないものの、大宮ディフェンスをひやりとさせる機会も多々、ありました。
 そして、この日もうひとつの敵は「グラウンド」。
 芝生ののグラウンドとはいえ、数日間の雨で軟弱な状態に。
 ここぞという場面で足をとられて…という場面が幾度と見られました。

 大宮が押し気味だったものの、得点には結びつかず前半終了。
 後半、大宮は一人選手を変えて臨みましたが、その選手がファーストタッチでの決定機を決めきれず、その後は中盤での競り合いが続きます。
 軟弱なグラウンドに、下がりはじめる気温。
 選手交代は両チーム通じて大宮のひとりだけ。
 当然体力は落ち続けます。

 試合終盤、とうとう北都の選手の足がつってダウン。
 大宮の選手が足を引っ張ります。
 担架という上等なものはないので、周りにいた選手が数人がかりで足をつった選手をピッチ外へ運びます。幸い、大事にはならずにすみましたので、安堵。

 この状態で無理に攻める事はできないのか、大宮は「北都の攻勢は許さない」スタイルに転換します。北都は勝たなければ直の昇格がないので攻めますが、共に押し切れず…。応援に来ていた子供たちの声援をよそに時間だけが無情に進みます。

 そして、90分のたたかいが終わりました。
 0-0。
 寒さと軟弱なグラウンドで、当面のライバルと相対。
 辛抱し続けた大宮が、東北リーグでのたたかう権利を手にすることができた瞬間でした。
 試合終了後、喜びを爆発させる大宮のメンバー。
 記念の写真撮影に、声援を送り続けた子供たちも混ざっていました。
 大宮メンバーと、子供たちとの結びつきが見える、いい場面。

 ベガルタや、セレッソとは規模が違うかもしれない。
 でも、応援するチームが結果を出し、さらに上の部分でのたたかいをする権利を手に入れた。そのことに嬉しさを覚える人がいる。そのチームを支えにし、支える人がいる。
 その部分では、ベガルタも、大宮も、変わりないのではないでしょうか。

 一方北都銀行
 実業団チームが競技を続ける事の大変さは、様々な場面で見えますが、それでも秋田県内では一番に勝ち上がり、この大会に進んできました。
 残念な結果となり、試合後のミーティングも重い雰囲気でしたがまだたたかう場は残っています。相手が紫波になるか、ラインメール青森になるかはわかりませんが、臨まれた試合で全力で頑張っていただきたいと思います。

 正直、寒い中での試合で、最後のほうはブルブルしながら見ていましたが、いいものを見せていただきました。大宮クラブの皆さんには、地域の皆さんとのつながりを元に、新たなたたかいの場で頑張っていただきたいと思います。

 長文、拙文にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
 この部分に関してはここで失礼します。

 
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