MBC野球発信局-袖番号96 伊東勉のページ。

17年9月から移籍。こちらでは社会人野球など野球中心の記述をします。

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No179 都市対抗野球東北大会最終日…夢潰えた者、リベンジ果たした者。

 こんにちは。伊東です。
 都市対抗野球最終日、矢巾町赤べこ野球軍団とにかほ市・TDKの第二代表決定戦が行われ、TDKが赤べこを2-1で破り、東北第二代表の座を手に入れました。
 あれほどの技量を持った選手達でも、全国に行くには足りないものがあったとは…。改めて、野球はチームスポーツだ、というのを思い知らされました。

 後一歩及ばす敗れた岩手21赤べこ野球軍団。準決勝までは、見事な勝ちっぷりでした。その準決勝でのTDKとの試合では、関投手が1安打完投。打線も12安打。このペースなら、JR盛岡…じゃなかった、東日本東北を打ち砕いて東京ドームに進出してくれるだろう、と思っていました。
 が、気になった部分も一つ。12安打放って、得点は3。この非効率さが気になっていました。
 第一代表決定戦。岩手21赤べこ野球軍団2-6JR東日本東北。
 6回に追いついた赤べこ。しかしJRは、7回に先発の前田投手、リリーフした川畑投手を攻略して2-5。球に逆らわず流し打って一気に差を広げた。そして、摂津投手の好投。そして、何よりも、ここ数年東北のトップを走ってきたというプライドや経験が、JRを後押しした。

 試合終了。この時、赤べこの選手たちは、一様にショックを受けた様子を見せていた。プロのリーグ戦を経験してきた選手たち。リーグ戦の中では、一敗は取り返せるものの、トーナメントとなると、そういうわけにはいかない。予想以上の地元の声援も合わせて、強い思いで試合に臨んでいた分だけ、その悔しさも出たのだろうと思う。だが、この「精神の調整」が、次の試合の勝敗を分けるキーポイントとなる。自分は思った。まだ次があるのに、こんなに感情を激しく表していいのか、と。
 「2005・7・3花巻決戦」で、試合に出ないくせに、東北二強とたたかい、チームが存在感を見せ付けたことに精神を異様に高ぶらせ、虚脱状態に陥り、その影響等で体調を崩したまま「911総選挙」に夜勤を務めながらフル参戦で臨み、目標は達成したものの見事にぶっ壊れてしまった私の経験が、赤べこの状態に対して「危ないぞ」と黄信号を出していた。でも、こんなバカ伊東とは違う、やってくれるだろうとも思っていた。

 一日おいて、7月7日。織姫と彦星が一年に一度めぐり合うといわれる、七夕の日。この日、やはり一年に一度の「東京ドーム行き」という「織姫」にめぐり合えた「彦星」は…TDKだった。
 第二代表決定戦。岩手21赤べこ野球軍団1-2TDK。
 先に触れた「7・3花巻決戦」。TDKは、岩手第一代表の赤崎野球クラブとたたかっていた。前日に七十七銀行に敗れてはいたが、この日赤崎に勝てば、予選リーグはまず通過できる。試合数の少ない第一代表トーナメントに出るためには、できるだけ差をつけて勝っておきたい、と考えていたはずだ。が、赤崎は簡単に勝たせてはくれなかった。3-3と追いつかれた6回には、一気に突き放して6-3。勝負ありかと誰もが思った。
 意地と意地とのぶつかり合い。それが、物理的にもぶつかってしまった。そのプレーに、滅多に怒らない赤崎のキャプテンが「これが野球かよ!絶対に負けないぞ!」とベンチで怒鳴ったその回、キャプテン自ら出塁し、8番打者のバックスクリーン横の同点ホームランに結びついた。

 前置きが長くなりました…9回。赤崎の2人の本格派投手が、TDKを6点に抑え、負けはない状態に持っていった瞬間、TDKベンチの空気は凍り付いていた気がした。自力での予選リーグ突破ならず…試合は、野田投手が怒りの投球を見せ付けて引き分けに持ち込み、続く試合で、体力を削られた赤崎が七十七銀行に敗退した事で予選リーグ突破は決めたが、十分なバックアップを受けたチームが、岩手一位とはいえクラブチームに対してのこの結果に、いい感情を抱いた人はいないだろう。結果、第二代表決定準決勝で敗れたTDKだが、この試合で相当白い目を向けられたのは想像に難くない。


 あれから1年。その悔しさというのは、残った選手なら誰でも抱いていたに違いない。予選リーグ、三菱製紙八戸を一蹴し、七十七銀行をも破った。準決勝で赤べこに敗れはしたものの、これにキレもせず、山形しあわせ銀行、再度七十七銀行を破って、代表決定戦に臨み、そして、赤べこに対してリベンジを果たした。6試合中4試合に登板した野田投手をはじめ、選手たちの鬼気迫るたたかいぶりには、恐れ入った、というしかない。

 一方、赤べこ。強い思いそのものは持って当たり前。それがないチームが勝ち抜けるわけはない。だけども、そのコントロールには苦労した。加えて、選手起用が13人という少人数。控えとしてベンチにいたのは、実質佐々木大輔選手一人といっていい。ゆるくない時にカバーできる選手の発掘が、これからのカギとなるだろう。

 どんなチームだって、負けを知らずして成長はできない。そして、この大会も、多くの「敗者」が、ドラマを作ってくれた。その際たるものは福島高専ホープス。移動車両の火事で、大会参加をあきらめかけたときに、同じ福島の須賀川クラブなど各地の援助を受け、試合に臨み、駒形には敗退したものの、NTTに善戦し、見せ所を作ってくれた。
 その須賀川クラブも、日本製紙石巻に10-10で引き分け、リーグ戦をかきまわしてくれた。来年から名前が変わる山形しあわせ銀行は、新戦力が生きのいいプレーを見せてくれ、今後に期待を抱かせてくれた。水沢駒形は、敗れはしたものの若手投手のがんばりで未来につながるたたかいを見せてくれた。
 その一方で悔し涙を流した所も。NTT東北マークスは、今年こそのドーム行きを目指したが、七十七銀行に後一歩及ばず、その七十七銀行もどうにも歯車がかみ合わず代表枠を逃した。三菱八戸や自衛隊といった青森勢は、残念ながらチームとして存在感を示す事ができなかった。

 来年は、東北大会を舞台にどんなドラマが起こるのだろう。先に、赤べこのところで触れた「地元の声援」。スポーツを一生懸命やる選手には、多かれ少なかれ、応援してくれるこ人がいる。支えてくれる人がいる。それにどう応えていくか。そこにドラマがあるように思う。

 たたかいをやめない限り 次はある。
 JRとTDKの全国大会の健闘を願いつつ
 次のたたかいに期待しましょう。


 この一項、TDKのブラスバンドの音楽を口ずさみながら書きました。
 そういえば、雑記ボックスを書く予定でしたが、それは少しお待たせすることになります。題材がイマイチまとまらなくて…。
 今日も長々と失礼しました。また次回お目にかかります。
 


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