一年前だったか。
こんな記事を書いて、喜びに浸っていた時期もあった。
そして、春になり、新しく始まったリーグ戦。
前年王者にまずまずの試合をし、横浜ダービーでは先制の一点を守りきって初勝利。カップ戦でも予選突破まで後一歩まで迫る健闘を見せ、J1でもいけるんじゃないか、と思った。
だが、甘かった。
今から考えてみてだが、J1でもたたかえるという意味での土台が固まったともいえず、勢いでJ1リーグにあがってきた「負の面」というのが、徐々にこのチームを苦しめていった。一時は勝つ事はおろか、勝ち点も奪えず「下手すりゃ勝ち点最低記録も…」という覚悟もしていた。
チームの最多得点がカズ、難波、平本各選手の3点…。
今まではどんなに少なくても(チーム最多得点者は)5点以上は取っていたはずだから、これには愕然とさせられてしまった。さらにレベルの高い試合をこなす事による心身の調整の難しさ。期待していた大型ストライカーはあっという間にいなくなってしまった。
そして、少しの歯車の狂いが、大きくなるのに時間はさほどかからなかった。
高木琢也さんが監督を解任され、後任となったジュリオ・レアル監督にしたって、こういう悪い流れを一気に変えるというわけにはいかなかった。途中退団し、元のチームに戻ったある外国人選手からは「こんなチーム負けて当然」という言葉まで浴びせられた。
1999年のベルマーレ平塚(くしくも、当時は応援していました)と同じくらい苦しいシーズンを過ごしてきた横浜FC。このまま終わったら、来年J2でもロクなたたかいは出来ないだろう。そう思っていたときに、ある舞台装置が出来た。
「最終戦の相手はアジア王者」
「Jリーグの優勝を左右する試合」。
自分の母校の高校野球の試合ではないが
出来ない事をいくら嘆いたって仕方がない。
できる事を100%やるしかない。
この試合、例え結果が0-10になろうとも
次につながるものを見せ付けてから、J1という舞台から一度身を引こう。
再登場のためにもこの試合、本気を見せてくれ。
そう思った。
開始17分。
ラジオの実況が、カズ選手の突破を鋭く語った。
ラストパスに反応したのは、ここまで地道に存在価値を示していた根占選手。
彼の放ったシュートが、狭い所を切り裂いて浦和ゴールに突き刺さった。
1-0。
1点なんかすぐに返せる…しかし、その1点がはるかに遠かった。
日本シリーズ第5戦ではないが「この試合、1-0でなければ勝てない!」
下手にもう一点取ろうものなら、窮地に陥った浦和が開き直る。
そして、1点取られてしまったら、後は雪崩の様に点を取られてしまう。
だから、カズ選手が絶好機でシュートミスした場面、内心ほっとした。
緊張感切らさずにたたかえるからだ。
以上の場面を、夕勤の配達途中に聴いていたが、後半開始時に配達は終わり、次の場所の配達の準備にはいった。この日は注文も多く、ある程度準備しないとまかないきれない。ラジオ中継を聞く事なく、時間は経過していった。
次の配達に出たとき、皮肉にもサッカー中継は終わっていた。
「5時のニュースを待つしかないな」
そして、5時。試合の結果がニュースに流れた。
「優勝は…鹿島アントラーズ」
配達の車の中で、一人右手をぐっと握り締めていた。
勝ったんだ。横浜FCは。
残念ながら、一年間で勝ち点16しかあげる事ができず、J1リーグという舞台からは、一旦身を引く事となってしまった。
しかし、この最終戦で見せたような試合をしてくれれば、この舞台に戻ってくるのも、遠い日の話ではないだろう。おそらく何人かは、他のJ1チームからの誘いもあるのだろうが、それはそれで仕方がない。
ただ、残った人、いる人たちが強い思いを持って、これから歩み続けなくてはいけないでしょう。2006年が、いい面を残した歴史であったなら、2007年は、日本トップリーグでたたかう辛さ、苦しさを味わった年となった。
「笑いっぱなしの人生がお望みかい」
あだち満さんの漫画「H2」で、普段はおとぼけキャラを演じている古賀富士夫監督が語った台詞だ。
人生何ざ山あり谷あり…って事で。
辛い事もあるから、その分自分達が歩み、積み重ねた物事に対して喜べるんじゃないのかな。そう思ったりするわけです。
来年、またJ2で52試合(ロアッソ熊本が入れば、の話ですが)たたかう事となりますが、そこで色々積み重ねて、近い内にまた、J1リーグでたたかいましょう。J2の多い試合は、そのための修行期間、という事で。
昨日はいいものを見させていただきました。
カズ選手に中山選手、来年も現役続行なようで。
この2人のように魂こもった選手、出てきてて欲しいものですね。
下手に技術がうまいよりも、人の心震わせる事が出来る人。
そういう人を応援していきます。
頑張ろうぜ。横浜FCに関わる全ての皆さん。
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間違えた…でも結構。押していただければ力になります。
こんな記事を書いて、喜びに浸っていた時期もあった。
そして、春になり、新しく始まったリーグ戦。
前年王者にまずまずの試合をし、横浜ダービーでは先制の一点を守りきって初勝利。カップ戦でも予選突破まで後一歩まで迫る健闘を見せ、J1でもいけるんじゃないか、と思った。
だが、甘かった。
今から考えてみてだが、J1でもたたかえるという意味での土台が固まったともいえず、勢いでJ1リーグにあがってきた「負の面」というのが、徐々にこのチームを苦しめていった。一時は勝つ事はおろか、勝ち点も奪えず「下手すりゃ勝ち点最低記録も…」という覚悟もしていた。
チームの最多得点がカズ、難波、平本各選手の3点…。
今まではどんなに少なくても(チーム最多得点者は)5点以上は取っていたはずだから、これには愕然とさせられてしまった。さらにレベルの高い試合をこなす事による心身の調整の難しさ。期待していた大型ストライカーはあっという間にいなくなってしまった。
そして、少しの歯車の狂いが、大きくなるのに時間はさほどかからなかった。
高木琢也さんが監督を解任され、後任となったジュリオ・レアル監督にしたって、こういう悪い流れを一気に変えるというわけにはいかなかった。途中退団し、元のチームに戻ったある外国人選手からは「こんなチーム負けて当然」という言葉まで浴びせられた。
1999年のベルマーレ平塚(くしくも、当時は応援していました)と同じくらい苦しいシーズンを過ごしてきた横浜FC。このまま終わったら、来年J2でもロクなたたかいは出来ないだろう。そう思っていたときに、ある舞台装置が出来た。
「最終戦の相手はアジア王者」
「Jリーグの優勝を左右する試合」。
自分の母校の高校野球の試合ではないが
出来ない事をいくら嘆いたって仕方がない。
できる事を100%やるしかない。
この試合、例え結果が0-10になろうとも
次につながるものを見せ付けてから、J1という舞台から一度身を引こう。
再登場のためにもこの試合、本気を見せてくれ。
そう思った。
開始17分。
ラジオの実況が、カズ選手の突破を鋭く語った。
ラストパスに反応したのは、ここまで地道に存在価値を示していた根占選手。
彼の放ったシュートが、狭い所を切り裂いて浦和ゴールに突き刺さった。
1-0。
1点なんかすぐに返せる…しかし、その1点がはるかに遠かった。
日本シリーズ第5戦ではないが「この試合、1-0でなければ勝てない!」
下手にもう一点取ろうものなら、窮地に陥った浦和が開き直る。
そして、1点取られてしまったら、後は雪崩の様に点を取られてしまう。
だから、カズ選手が絶好機でシュートミスした場面、内心ほっとした。
緊張感切らさずにたたかえるからだ。
以上の場面を、夕勤の配達途中に聴いていたが、後半開始時に配達は終わり、次の場所の配達の準備にはいった。この日は注文も多く、ある程度準備しないとまかないきれない。ラジオ中継を聞く事なく、時間は経過していった。
次の配達に出たとき、皮肉にもサッカー中継は終わっていた。
「5時のニュースを待つしかないな」
そして、5時。試合の結果がニュースに流れた。
「優勝は…鹿島アントラーズ」
配達の車の中で、一人右手をぐっと握り締めていた。
勝ったんだ。横浜FCは。
残念ながら、一年間で勝ち点16しかあげる事ができず、J1リーグという舞台からは、一旦身を引く事となってしまった。
しかし、この最終戦で見せたような試合をしてくれれば、この舞台に戻ってくるのも、遠い日の話ではないだろう。おそらく何人かは、他のJ1チームからの誘いもあるのだろうが、それはそれで仕方がない。
ただ、残った人、いる人たちが強い思いを持って、これから歩み続けなくてはいけないでしょう。2006年が、いい面を残した歴史であったなら、2007年は、日本トップリーグでたたかう辛さ、苦しさを味わった年となった。
「笑いっぱなしの人生がお望みかい」
あだち満さんの漫画「H2」で、普段はおとぼけキャラを演じている古賀富士夫監督が語った台詞だ。
人生何ざ山あり谷あり…って事で。
辛い事もあるから、その分自分達が歩み、積み重ねた物事に対して喜べるんじゃないのかな。そう思ったりするわけです。
来年、またJ2で52試合(ロアッソ熊本が入れば、の話ですが)たたかう事となりますが、そこで色々積み重ねて、近い内にまた、J1リーグでたたかいましょう。J2の多い試合は、そのための修行期間、という事で。
昨日はいいものを見させていただきました。
カズ選手に中山選手、来年も現役続行なようで。
この2人のように魂こもった選手、出てきてて欲しいものですね。
下手に技術がうまいよりも、人の心震わせる事が出来る人。
そういう人を応援していきます。
頑張ろうぜ。横浜FCに関わる全ての皆さん。
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