MBC野球発信局-袖番号96 伊東勉のページ。

17年9月から移籍。こちらでは社会人野球など野球中心の記述をします。

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2005年記述の野球記事−オリンピック競技から野球・ソフトボール落選。現時点の国際野球は?

※該当記事は2005年7月時点での伊東認識を基に記述したものです。歴史的文献としてご覧ください。

 

 見事なまでに五輪から外されてしまいましたね。野球とソフト。確かに、財政上で痛手をくうところは多いだろう−殊に予算の多くをオリンピック関係の箇所に頼る「野球発展途上国」のダメージははかりしれないが、野球そのものはなくならないわけで、野球を広める手はナンボでもあるわけです。各種大会の記事を見ての伊東の推測ですが、各大陸の状況を見てみると…

▽アジア

 プロリーグを持っている日本、韓国、台湾がトップ。近年プロ組織を作った中国、東南アジアの盟主的存在フィリピンが続き、日本人指導者が助力したタイ、近年大会参加が増えているパキスタンインドネシアが更に追いかける。インド、ミャンマー、モンゴル、シンガポールベトナムは、生活できる余裕ができれば、野球人口増える余地あり。

アメリカ大陸

 アメリカ、キューバのトップ争いが激しい。MLBに選手を送り込むドミニカ共和国ニカラグアベネズエラは代表枠が広がれば…。カナダ、メキシコ、ブラジル、ペルー、グアテマラと続くか。キューバは育成システムがしっかりしているのが強み。カナダは国内リーグがコケたのが痛い。南アメリカは日系の多いブラジル除いては軒並み苦戦か。

▽ヨーロッパ

 しっかりしたリーグを持っているオランダ、イタリアのトップ争いを五輪経験のスペイン、日本人指導者も関わったフランス、W杯に出場したロシア、五輪の一過性に終らなければギリシャ、ほかに、ドイツ、ノルウェー、スゥエーデン等でやっている人はいます。オランダは中南米に統治領を持っているのが強み。イタリアは、年60試合の「セリエA」があります。後も各国なりの強化策を持っていますが、まだ歴史が浅い。イギリスは半世紀前強かった時期がありましたが現在は沈黙を保っています。

▽アフリカ大陸

 南アフリカ→ナイジェリア→ガーナ→ウガンダレソトジンバブエが五輪予選参加経験あり。継続的な野球への取り組みが見えるのは南アフリカぐらい。アメリカの援助を受け、ガーナは日本の元プロのアドバイスを受ける。未知数という意味で一番面白い。

オセアニア

 オーストラリアがトップも二番手はグアムとか、トンガとか。オーストラリアでさえ、野球をするのに苦労しているのが現況。ニュージーランドソフトボールとの「兼任」が響いて野球に専念できない事情があります。

 やはり、野球している地域は一握りだけど、発展の余地はあることを示していく必要があります。

 

2005年07月14日午後

 

 午前中に世界各地の野球に触れましたが、アフリカに関しては大分感覚がずれていたようです。改めて文を再構成します。

 アフリカで、野球を主にやっているのは南アフリカ、ナイジェリア、ジンバブエ、ガーナ、レント、ウガンダカメルーンコートジボアールトーゴケニアアテネオリンピック予選には上にあげた名前のうちカメルーンまでがエントリー、他三国はまだ準備が整わなかったものと思われます。

 ところが大会前にカメルーンとガーナも不参加。カメルーンはともかくガーナが不参加なのが意外。シドニー五輪予選の時は、高橋慶彦さんはじめ日本の野球関係者の援助を受け、大国二つを相手に存在感示したガーナですが、スポーツ施策が変わったら「野球知らない」とばかりに冷遇されたようです。

 代わりに成長を見せたのがウガンダ。彼等は日本のプロジェクトを受けながら、ジリジリと実力をつけ、かつては30点差で負けていた相手にも差を詰める成長ぶりを見せました。レント、ジンバブエも同様の健闘を見せつつあります。一方でトップグループのナイジェリア、南アフリカに、伸びがないのが気にかかるいうレポートも。ナイジェリアは南アフリカに詰めきれず、南アフリカも、オーストラリアなど五輪代表決定戦では勝ちきれない現状を変えられていない、と。ある程度のレベルアッには成功するものの、それ以上となると、やはり先進国の助力が要ります。

 前号で「五輪除外で特に予算で打撃受けるだろうと記しましたが、これらの国がまさにそうでしょう。こういう時、力にならなければならないのが日本、アメリカといった大国と呼ばれる国。野球の裾野を広げるのに「投資」してもらえませんでしょうか。

 もちろん、当事者の努力も必要です。どことは言わないが「協会」だけあって、チーム数も実態あっているのか(競技者人口の報告欄がチーム数×10…)実績の見えない協会、ざらあります。スポーツ予算分取りだけの「野球協会」は必要ない。事情の分かった人から立ち上がらないと。五輪復帰どころが衰退に追い込まれたんじゃ話になりませんよ。そこ踏まえて頑張りましょう。

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(ここからは19年2月記述)この記事を書いた媒体がなくなってしまったので、紙に印刷していたのを基に、あまりにひどい書き方だった部分は修正してこの通り再掲しました。オリンピッで競技からはずされていこう、どう取り組まれていたのか知りたいところですが、情報をうまく得ることができません。南アフリカワールドベースボールクラシック一次予選など継続的に国際大会に参加していますが、他の国の動きが見えないことに複雑な思いをもちます。

 社会人野球の調べもので毎日新聞縮刷版を繰っていますが、1980年8月13日の世界アマ野球特集記事に野球連盟の加盟国としてリビア、エジプト、アンゴラザンビアジンバブエ南アフリカの6ヶ国が掲載されていました。リビア、エジプトは近年の実績が見えないのどうなっているか…ですが、西部、南部アフリカ地区での取り組みは見えるので、なんとかそれを続けていただきたい、と願うものです。長文になりましたがおつきあいいただきありがとうございました。

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