MBC野球発信局-袖番号96 伊東勉のページ。

17年9月から移籍。こちらでは社会人野球など野球中心の記述をします。

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第252号 赤べこ野球軍団、岩手勢20年ぶりの東京ドーム進出! -自分の雑感、色々と。

 太陽から発する突き刺すような光は、遠慮なく私を照らしていた。
 「こんな中ポスターも貼り、新聞も配らなアカンのか…」
 「そういや、今頃終わっているんだろうな。赤べことJRの試合は。」
 カタカタとPCを動かし、日本野球連盟よりは、JR東北の方が早いだろうと思い、ホームページの速報欄をのぞいて見た。
 「頼む、せめてショックを引きずったまま試合に臨んでくれるなよ…」
 前日は、前田さんがまさかの4失点。これで七十七銀行にペースを握られた赤べこは、1-6で敗れていた。代表決定戦での敗北。そして、これまでの歴史の積み重ね。一度勝っているとはいえ、JR東北は強敵だ。
 「何だよ、すぐ出ねぇのか。」
 画面を右にずらす。スコアを見た。どうやらロースコアゲームには間違いないようだ。投手は…JRは当然摂津君だろうな。赤べこは関君か。

仙台市 0010000000 1
矢巾町 0000000101 2

 冗談じゃない…よな。
 勝ったよ。赤べこ
 勝ったんだよな。赤べこは。
 この試合に勝つ事と、東京ドームに進出できる事。その事が、すぐに頭の中で結びつかなかった。

 外に出て、太陽の下に出た時、ようやく、同じ岩手の舞台でたたかってきたチームが、東京ドームに進出した事。その7割嬉しさ、3割は嫉妬に近い複雑な気持ちで、私は空を見上げていた。
 何が嫉妬かって?
 ああいう熱いたたかいの場に自分がいない事に。
 あの場に立てた全ての選手に、うらやましさを覚えていた。

―――――――――――――――――――――――――

 1987年。新日鐵釜石が後楽園で行われた大会に出場した後は、岩手県勢は都市対抗野球の全国大会に出場する事ができないでいた。この間、新日鐵釜石岩手銀行、JA岩手県経済連の「岩手の4強(もう一つは盛岡鉄道局)」から、宮城建設、小野田セメント、アイワ岩手といった「(JAいわても入れて)新・岩手の4強」に復活したJR盛岡。クラブチームでは盛岡倶楽部、水沢駒形倶楽部、一関三星倶楽部、そして赤崎野球クラブが東北の強豪に立ち向かっていったが、その多くは、見せ場は作ることはできたものの、東京ドームに進出するには遠い所で、その歩みを止めさせられてしまっていた。

 一番近かったのは、1993年大会の岩手銀行。岩銀は第二代表決定戦まで勝ちあがっていったが、残念ながらTDKに大差で敗れ、ドーム進出はならなかった。その後はJAいわてが第三代表トーナメントに2度残ったものの、代表争いには絡む事はできなかった。赤崎、駒形が「クラブチームをなめるな!」と奮闘を見せたが…悔しいが、ドームに進むまでには、そのような試合を少なくとも4試合続けなければならない、厳しい現実を見ざるを得なかった。

 そこに現れたのが、2つの新しい野球チームだ。
 「赤べこ野球軍団」「フェズント岩手」。
 片や、色々な地域でもまれてきた選手が、より高いステージを目指して集まったチーム。片や地域の有望選手を、地域の企業がバックアップして「岩手の野球のレベルアップ」を目指したチーム。この2チームの出現で、岩手の野球という“池”に「熱い石が投げられた」。06年のクラブ大会では、黒陵、不来方、江刺、駒形、赤崎と岩手の強豪チームを全てコールドで葬り去った。しかし、これらチームだって、黙って負けたままでいい訳がない、と闘志をさらに燃やしはじめた。

 企業チームが健在だった頃の岩手は、企業チームが優位に進めていても、クラブチームが必死に食らい付き、時には下克上を起こす事もある。そうした中で、クラブチームの実力の向上も図られ「クラブ王国」ともいわれる土壌を作りあげる事ができた。
 今度は先にふれた2チームがその役目を果たすのだろうか。
 いや、黙ってはいない。これまで存在感を見せつけていたチームだって。
 そういう意地の張り合いが、やがて岩手の野球の向上につながる。
 かつての岩手が「4強」に小野田、アイワ等がからみ、時にはクラブチームがその輪に加わって争いを演じていたあの頃を。
 その素となるのは「こいつにゃ負けたくない」という心だ。
 これはいつの時代だって変わらない。

―――――――――――――――――――――――――

 今日、今の所トップランナーを走っている赤べこ軍団が、東京ドームへの切符をつかむ事ができた。その感想は、先にもふれたが「7割嬉しさ、3割は嫉妬に近い複雑な気持ち」。でも、同じ岩手のグラウンドでたたかった野球人が、一つの偉業を成し遂げた。そのことに関して心からお祝いを申します。

 私の応援する赤崎野球クラブは「西武ドーム」で。
 赤べこ野球軍団は「東京ドーム」で。
 久慈クラブは「札幌ドーム」…の近くの円山球場で。
 (これは赤べこも参加しますが)
 それぞれ、自分達に対する思いを受け止めて、グラウンド上で頑張っていきましょう。
 それが、自分達が勝つことによって、その先のたたかいを断たれた選手達への『礼儀』ですから。

 赤べこ軍団とその関係者の皆様。
 東京ドーム進出、おめでとうございます。

 なお、東北大会や、クラブ大会予選に関しては木曜日夜に制作します。政治戦の準備で時間が取れませんのでご了承いただければ、と思います。
 でも、一つだけ。東近畿の決勝進出チームは予想外でした。
 大和高田が負けるとは…。

頑張れ、全国の社会人野球選手。
仕事と自分の成長を両立させようとしている
皆さんを応援します。

俺たちは生きていたい。
生かされて納得のいかない人生歩むよりは…。
自分の思い、今こそ正直に表そう。



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