MBC野球発信局-袖番号96 伊東勉のページ。

17年9月から移籍。こちらでは社会人野球など野球中心の記述をします。

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クラブ選手権&中日本・西日本クラブカップ大会【2008社会人野球】

※敬称略しています。ご了承ください。
第33回クラブ選手権大会
・一回戦
オール江刺 6-4 岩国五橋ク
北九州市民ク 7-4 OBC高島
富山BBC 9-7 相模原クラブ
松山フェニックス 7-2 浜松KSBC

・二回戦
オール江刺 5-1 熊球クラブ
NOMO・BC 3-0 福井ミリオン
茨城GG 5-1 札幌ホーネッツ
北九州市民ク 4-3 水沢駒形倶
富山BBC 2-1 倉敷ピーチJ
NTT東北マークス 13-0 佐賀魂
全足利クラブ 2-0 松山フェニックス
大和高田ク 20-0 全白河クラブ

・準々決勝
NOMO・BC 12-2 オール江刺
茨城GG 5-1 北九州市民ク
大和高田ク 3-1 富山BBC
全足利クラブ 4-0 NTT東北マークス

・準決勝
茨城GG 11-0 NOMO・BC
大和高田ク 4-3 全足利クラブ

・決勝
茨城GG 9-5 大和高田ク

最優秀選手 佐々木健太 茨城GG
敢闘賞・首位打者賞 藤田利樹 大和高田ク

 注目するトピックを3つばかり。
 まずは、身近なライバル達。岩手の駒形、江刺、直接対決で敗れたマークス、そして11年ぶり出場の白河です。
 一番勝ち進んだのは2勝したオール江刺。
 何回か書かせていただいているフレーズの「向上心の強さ」が、この大会ではフルに発揮されました。緒戦は地元岩国五橋と対戦。藤野、村岡の「FM江刺コンビ」、長年チームを支える沢口、動きのよさが売りの菊地歩、高橋大が適時打をたたき出し、投げては中鉢が6回、寺長根が3回を投げ、安打は許すものの四死球は出さず全国初勝利を挙げました。
 続く熊球クラブとの試合。1-1の同点でむかえた8回、江刺は菊地歩の適時打で勝ち越すと9回に一気3点。岩泉は猛者のそろう熊球打線を2安打1失点に抑え、ベスト8に勝ちあがりました。
 NOMOクラブとの対戦こそ、中盤に大量失点を食らってしまい、6回に2点は返しましたが7回コールドゲームとなりましたが、クラブ球界では特上レベルのNOMOとの試合はともかく、2つの試合で全国に出てくるチームにまず勝てた事が、江刺にとっての「成果であり収穫」ではないでしょうか。後は「特上レベル」相手にどうたたかう道を作るかという宿題にどう挑むか、です。

 水沢駒形は緒戦となった北九州との試合、0-2と追い込まれた9回に四球から好機をつかみ、及川将、大谷と適時打を放ち逆転。しかし北九州もその裏に元カープの横松に適時打が飛び出し延長戦に。その延長10回にアウト1つが奪えず北九州にサヨナラの敗戦を喫してしまいました。
 全国大会準優勝2回の経験を持つ駒形ですが、逆にそれがマークにあうという状態にもなります。ここ何回かは緒戦に強豪とぶつかり、惜敗を喫する事も多い駒形。力があるのは分かっているので、そこをどう打破していくか。見届けていきます。

 NTTマークスは、相手の乱れを突き、得意の破壊力を見せ付けて緒戦の佐賀魂を破りましたが、続く全足利にはわずか2安打、リリーフしたエース吉田投手が3失点を食らい敗退しました。元赤べこの荒川、登板機会の多い遠藤が踏ん張っていただけに残念でした。
 白河は大和高田と対戦。全国屈指のチームにどう立ち向かうか注目しましたが、19被安打はともかく13四死球を出しては…0-20という今大会最多失点で屈辱の敗退を喫しました。再出発頑張ってください。
 東北勢は今年3勝4敗という結果に終わりました。
 さて、先の文章中に「特上クラス」と書きましたが、今のクラブ球界で位置を占めると私が考えるのは4チーム。茨城GG、NOMO、大和高田、全足利です。

 今大会、圧倒的な強さを見せ優勝したのは茨城GGでした。
 大会後のインタビューで「どんな投手が出てきても5回までには崩せる自信がある」とのべた関係者。ホーネッツ、北九州、NOMO、大和高田といずれも強豪中の強豪ですが、それをも破っての優勝はすごいの一言です。特に準決勝のNOMO戦。相手に11安打を許しながら0に抑え、更に11得点奪ってコールドに持っていった…。この大会一のサプライズ選べ言われたら迷わずこの試合を選びます。それほどすざましいモノがありました。

 茨城GGには大敗喫したNOMOですが、福井ミリオンには競り勝ち、江刺には力の差見せ付けての勝ちあがりを見せましたが、準決勝では何が起きたのでしょうか。初回の6点が、得点以上のダメージ与えたのでしょうが、このチーム発足以来一番の屈辱的敗退だったと思います。
 大和高田は、長年のライバル・全足利に競り勝って勢いよく決勝に臨みましたが、茨城のホームラン攻勢の前に防戦一方。しかし、これで黙り込まない所が「クラブチーム創設ラッシュ」前からクラブ球界を支えたチームの意地でした。8回に1点奪うと、9回には元プロのセットアッパー吉田投手から打者一巡の猛攻を浴びせ、3点とって更にって所まで追い上げましたが届きませんでした。地元大和高田市に愛されるチーム。最近は後一歩届かない場面も多いのですが、その一歩乗り越える道程に期待です。

 地元に愛されるといえば全足利。
 今年は主軸となる選手が次々と“卒業”してしまい、チーム力はどうなのか不安もありましたが、都市対抗北関東予選で日立製作所を破ったのは伊達ではなく、浜松、マークスと破り、因縁の対決ともいえる大和高田との試合に臨みましたが、序盤の失点痛く競り負けてしまいました。
 当初は“同好会的”のチームが多いクラブ球界でしたが、強くなろうと思うと、様々な立場の人の助けを借りる事が多くなります。また、企業チームが撤退していく中で、野球をする人の受け皿を作る、という意味合いで、地元の有力者が中心となってチームをつくる、という事例も多く見受けられるようになりました。

 「特上」4チームに駒形、マークス。江刺もその頑張りが地元の人の協力を得る力となっています。そして、今大会に参加したチームの多くが、そういう周りの人の協力も得て、チーム力をアップしてこの大会にたどり着いてきました。
 その中で注目していたのが、北九州市民。
 同じ福岡のクラブチームが有名人を押し出して注目を集める中で、北九州は準備期間もしっかり置き、地元野球人の熱意を組み込んだ形でチーム作りをしてきました。その道のりに括目した訳です。

 他にも企業チームの廃止からチーム作りを始めた浜松、NPO法人を立ち上げて女子チームをもつくっているホーネッツ、北信越地域で空白地域となっていた福井に種をまき始めた福井ミリオン…。これらのチームが、東京ドームにも進めるようになったときが「都市対抗」の名前を実感できるものになるのかもしれません。

 そういう意味で、この大会はこれからもあり続けていくべき大会。
 どういう“俺達のチーム”が出てくるか。
 そのたたかいの輪に応援するチームが再び立てるように応援するし、同時にそのたたかいを見守り続けようと思います。

 と、クラブ選手権の記述も一先ずとしまして、ここからのクラブカップ大会他2つに関して記述させていただきます。

中日本クラブカップ大会
・一回戦
大富士BC 9-0 佐久コスモ(※没収試合
NAGOYA23 7-6 五泉クラプ
ファイティングスピリット 3-1 静岡硬式倶
HBC金沢 2-1 YBCフェニーズ

・準決勝
大富士BC 3-2 NAGOYA23
HBC金沢 6-2 ファイティング・スピリット

・決勝
大富士BC 3-1 HBC金沢

最優秀選手 仲野真一郎選手 大富士
敢闘賞 百々大輔投手 金沢
打撃賞 土井昭大、笠間威志両選手 金沢

 大会初日に、佐久コスモが登録外選手出場による没収試合という事態が起きました。前年はクラブ北信越予選で野田サンダースと対戦して、野田の同様の事態で勝ったという経験もありましたが、今回はその逆となってしまいました。どこのチームも「対岸の火事」では済ませてはいけないものですね。

 去年の全国経験チームの金沢に新興NAGOYA、新潟で存在感示しつつあるファイティングが勝ちあがってむかえた準決勝。大富士がNAGOYAに競り勝ち、金沢は9回に大量4点を奪いファイティングを突き放して決勝に進みました。
 その決勝戦。大富士が先制したものの、金沢が中盤1点を返す内容に。
 次の一点がどちらがとるか…という流れになった所でその一点を奪ったのは大富士。そのまま優勝の座へつきました。

 ファイティングのホームページ見ましたら…応援の方も沢山来ていて、メガホン叩いて派手に応援していたとの記述がありました。地元に愛されるチーム、ここにもです。

西日本クラブカップ大会
・一回戦
広島鯉城ク 10-2 アークバリア
阪神BBC 5-3 宮崎梅田学園
鹿児島HW 10-0 徳島野球倶
全大津野球団 8-1 山口きらら

・準決勝
阪神BBC 8-3 広島鯉城ク
鹿児島HW 8-2 全大津野球団

・決勝
阪神BBC 5-1 鹿児島HW

最優秀選手 小椋誠士投手 阪神BBC
敢闘賞 竹山徹投手 鹿児島
首位打者 七牟礼慎選手 鹿児島

 最後に西日本大会ですが、大会初日に登場した徳島、アークバリア両地元チームは残念ながら敗退。山口きららも予想外の大敗を喫してしまいました。
 2日目は新興チームVS経験派チームとの激突となりましたが、兵庫県で企業チーム相手でもたたかいになる阪神と、鹿児島がともに8点を奪い、長年経験をつんできた広島鯉城、大津を撃破。決勝もその勢いのまま競り合いとなりましたが、延長10回に阪神は一挙4点を奪いリード。その裏を小椋投手が抑え優勝を果たしました。
 さて、3つの大会に関して勝手縷々書かせていただきました。
 チーム数の増加しているクラブの野球に関しては、その増加に比例して問題や新たな取り組みも始まっています。
 取り組みとしては近畿、愛知、埼玉、関東地区で新たにクラブチーム対象の大会が行なわれ始めた事が上げられます。クラブチームとしてチームをつくったからには試合をしたい、という当然の思いに応えた取り組みとして注目したい所です。

 一方では、色々な事情-金銭面や、選手の招集-でチームを続けられなくなり解散・休止に追い込まれるチームもまた多いという事もあげられなければなりません。
 参加するチームがどう“活きる”か。
 これの追求無しに「クラブ野球の活性化」もないわけです。

 その模索は既に各地で始まっています。
 日本野球連盟でもレポートであげる事が多くなりました。
 私も、馬鹿者の身ではありますが、考えていこうと思います。
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