MBC野球発信局-袖番号96 伊東勉のページ。

17年9月から移籍。こちらでは社会人野球など野球中心の記述をします。

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四十六の巻 熱き11日間。2003年6月の10試合 パート4

「パート3」はこちらからお願いします。

7.クラブ大会・最終日に勝ち残るまで

 さて「2003年2週間10連戦」の記述も、今回がラストとなりました。
 都市対抗の6試合だけで3つも記事使っておいて、残り4試合を一つとは、というツッコミがきそうですが、実は6月22日の2試合は別な記事で紹介しましたので、後は最終日の2試合を記せば完成です。
 ただ、その記事では「赤崎野球ク-盛友クラブ」の試合の出場選手の記載がなかったので、改めてここで記しておきます。

盛友クラブ 300103020 9
赤崎野球ク 40003103X 11
二塁打 佐藤琢、村上修、磯谷長(赤)
三塁打 平野(赤)
本塁打 松本(盛)

【盛友クラブ】8伊藤 4→6小沢 6→5川村 3松本 D→4田端 2横山 7坂本 9箱石 5瀬川 1帷子(交代選手)帷子(田端DH解除、瀬川に代わって打順に入る。)小原(箱石・5回から9)佐々木健(帷子・7回から1)小泉(小原・9回代打)
【赤崎野球ク】9大畑 6生形 8佐藤琢 7木下 2村上修 D磯谷長 3泉 5倉本 4平野 1佐野(交代選手)金野豊(生形・6回から6)佐々木慶(佐野・5回から1)山本淳(佐々木慶・9回から1)


 火曜日に都市対抗が終わって、日曜日の緒戦を迎えるまでの4日間。
 わたしの記憶が定かなら、この間は選手達は休んでいた分の仕事をしながら、日曜日の試合に向けてコンディションを調える事を第一に動いていました。都市対抗の大会中も、図らずではありますが、試合が行われていた5日間中、多くの選手が一日か二日、仕事のために欠場。試合のある日も、終了後即大船渡に帰って仕事という選手も多く、仕事と野球との両立に腐心していた様子が伺えます。

 コンディションを調え、大会2日目からの登場。
 前述した記事で記述した様に、手ごわい盛友を、最大のライバル水沢駒形をやぶり、最終日に駒を進めた赤崎。
 最終日は、都市対抗で戦力を消耗した久慈、不来方など強豪チームを破った、勢いのあるチームが勢揃い。東北に進出できる2つの枠をめぐってのたたかいが繰り広げられました。

8.6月23日その1。VS宮古、打撃戦制し決勝&東北大会進出。

 この間、わたしが勤めていた職場の同じ時間帯のメンバーには大変な負担をかけさせてしまいました。当然その分の穴埋めはしましたが、生活の感覚を狂わせてしまった事に関しては、本当に申し訳ない思いでいます。
 このクラブ大会のあった週は、試合に関わる2日間は休ませていただきました。とは言っても、この頃から赤旗日刊紙の配達もわずかながら請け負っていたのでその分だけ大船渡からの出発が遅れ、遠野市営球場に着いたのは7時半。既に赤崎メンバーは練習を始めていました。

 対戦相手の宮古倶楽部は、これまでも幾度もギリギリのたたかいをしてきたチーム。特に98年都市対抗では延長10回の息詰まる試合を展開。佐藤組北上球友に在籍していたときは、96年にあと一回抑えれば都市対抗本大会進出という場面で、4点リードを引っ繰り返された相手。

 赤崎の先発は、16時間前まで熾烈な投手戦を投げ抜いていた山本淳一君。打線がバックアップをと、初回から攻勢をかけます。先頭の大畑悟君が出塁後、2番の生形憲治君が送りバント。3番の佐藤琢哉君が、左中間ややセンターよりに大飛球。そのままホームランにし、2-0と先制。

 が、初の東北大会進出を情熱をかけるのは、宮古も同じ。
 2回に下位打線の3連打で3点をあげ逆転すると、3回表こそエラーで赤崎が追いつきますが、その裏にエラーと4連打で3点をあげ6-3に。
 一気に盛り上がる宮古ととは対照的に、思うような投球ができずにイラついている淳一君の様子が印象に残っています。

 しかし、赤崎はこの後猛反撃。
 4回に泉邦幸君の二塁打後、平野誠君が返しまず1点返すと、5回には琢哉君のこの日2本目のホームランで同点にした後は5安打2四球でたたみかけ、泉君、平野君の適時打などで好投手・吉濱君をKO。代わった梅澤投手(本来捕手なはずですが…)からも6回に村上修君が2点本塁打。梅澤投手も7、8回はよく投げましたが、9回に大畑君の三塁打、生形君の二塁打、佐々木宏也さんの適時打で4点加え16-6。山本淳一君は4回以降、散発のヒットこそ許しましたが二塁を一度しか踏ませず、終わってみれば予想外の大勝ではじめての東北大会進出が決定しました。

赤崎野球ク 201162004 14
宮古倶楽部 033000000 6
二塁打 泉、磯谷長、生形(赤)館崎(宮)
三塁打 大畑(赤)
本塁打 佐藤琢2、村上修(赤)

【赤崎野球ク】9大畑 6生形 8佐藤琢 2村上修 7佐々木宏 5磯谷長 D金野豊 3泉 4平野 1山本淳(交代選手)佐々木淳(磯谷長・6回から5)出羽(金野豊・9回代打→D)
宮古倶楽部】6千葉 2昆 8宝代寺真 3山崎 7佐々木宏 D館崎 5佐々木智 4佐々木光 9高橋 1吉濱(交代選手)梅沢(吉濱・5回途中から1)小山(佐々木智・7回から5)北村(高橋・9回から8)


9.6月23日その2・そして、優勝。

 この日出場していたチームの中では唯一全国大会の経験をもつ釜石野球団と、近年力を伸ばしつつあったオール江刺が激突した準決勝第二試合。力の差は大きくなかったはずでしたが『10-9も10R積み重ねれば100-90』という格言が、あったかどうか知りませんが、結果としては釜石の若手投手陣を打ち込み、じわじわと差をつけた江刺が、7回コールド8-1という結果で、こちらもはじめての東北大会進出を決めました。

 そして、はじめての「岩手王者」をかけた決勝戦
 赤崎は前日の試合でKOされたリベンジをねらう佐野清隆君が、江刺は様々な場面で登板できる渡部投手が先発しました。
 やはり、早めの援護が求められる場面なだけに赤崎は積極的に攻めていきました。
 初回、ワンアウト一、二塁から修君、宏也さんが適時打で2点先制。渡部投手の調子が今一と見るや、2回から佐々木章投手を投入しますが、3四球→修君の適時打→宏也さんの本塁打でこの回4点。2回ではや6-2とペースを握ります。

 佐野君は初回に2バッテリーエラーから1点、2回に満塁から杉田選手の内野安打で1点失いますが、4回まで試合を作り、5回にピンチを迎え、後藤選手に犠飛を許した場面で佐々木慶喜君に交代します。
 慶喜君はこの大会は2度目の登板。
 ランナーこそ出しますが、大きい傷にはさせない投球を展開。8回こそ杉田選手の犠飛で1点返されますが、何とか踏ん張っていました。

 江刺は佐々木章投手が3回以降は落ち着き、後は投球が慣れたと見極めるや、6回からリリーフした沼崎宏祥君(のち雫石ク)は『完全投球』で3回を抑え、9回は菊地良幸投手(のち水沢駒形)も3者凡退と後半は赤崎を封じ、じわりとムードをもってきましたが、赤崎は前半にあげた6点が大きくものをいい、逃げ切りに成功。
 赤崎野球クラブは、84年に硬式に転換以来19年目にして、全国に進出できる大会としてははじめて、東北大会に進出する事ができました。

赤崎野球ク 240000000 6
オール江刺 110010010 4
二塁打 杉田(江)
本塁打 佐々木宏(赤)

【赤崎野球ク】9大畑 6生形 8佐藤琢 2村上修 5佐々木宏 D出羽 7金野豊 3泉 4平野 1佐野 (交代選手)佐々木慶(佐野・5回途中から1)吉田忠(出羽・5回代打→D)佐々木淳(佐々木宏・9回から5)
【オール江刺】8杉田 9荒井 5高林 3三鬼 4後藤 2沼崎光 D小沢 7計良-けいら- 6今松 1渡部(交代選手)佐々木章(渡部・2回から1)家子(小沢・4回代走→D)及川惇(計良・5回から7)沼崎宏(佐々木章・6回から1)菊池良(沼崎宏・9回から1)


7年後のエピローグ。

 11日間で10試合。
 今から考えると、すごい無茶苦茶なスケジュールで試合したものだと思います。
 この件が影響したのか、次の年から、大会日程を作る作業で、試合・大会の間隔というものもより重く見られるようにもなったようです。

 トーナメントが主体の社会人野球において、多く試合をする、という事は多く勝ち進む、という事。
 ただ単に勝つだけでもなく、ただ単に多くの試合をしただけでもない。毎試合がそうとはいえ、都市対抗、あるいはクラブ選手権は高校生で言えば「甲子園大会」に匹敵する一大大会。どの試合も気を抜けない、どの試合も勝たないと、次に進めないという中でつかんだ「8勝2敗」が、赤崎野球クラブを岩手トップクラスのチームに押し上げたものだと思います。

 7年経ち、赤べこ軍団の破壊力にフェズント岩手の伸長、JR盛岡の逆襲、水沢駒形の変わらぬ強さ、オール江刺の執念、高田のライバル心。さらに赤崎に思い切ってぶつかって、結果を出そう、乗り越えようという強い思いをもった『視線』を受けながら、たたかってきました。
 強くなるのも大変だけど、それを維持しようというのも大変です。
 今年から応援に使用する「横断幕」を用意していますが、その文面には「挑戦者」という言葉を入れました。
 どの試合を取っても、一つ一つの試合に対してはだれもが挑戦者。
 あの時も、そういう思いでたたかって、結果をつかみ取った…その原動力は、無我夢中にそれぞれの試合に“挑戦”したから。その心をもう一度改めて持っていただきたいな、と就活中の分際ですが、思っています。

 何にしても、暑い天気と熱い思い、ギリギリの状況下でたたかったあの日々は忘れられないものになりそうです。そのたたかいに居合わせた全ての皆様、ありがとうございました。
 これにて『03年6月熱戦』シリーズを終わらせていただきます。


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