MBC野球発信局-袖番号96 伊東勉のページ。

17年9月から移籍。こちらでは社会人野球など野球中心の記述をします。

下記ランキング参加しています。にほんブログ村 野球ブログ 社会人野球へ
にほんブログ村
社会人野球ランキング

2010社会人野球 赤崎野球クラブ優勝!-JABA大槌大会のまとめ。

 この項では、4月17、18日に行われたJABA大槌ロータリークラブ旗争奪三陸沿岸クラブ野球選手権大会のまとめ記事を書かせていただきます。

1.大会全般
◇大会第一日
 ・一回戦
 久慈クラブ 6-2 住田硬式ク
 高田クラブ 5-3 釜石野球団
 ・二回戦
 福島硬友ク 17-3 大槌倶楽部 ※7回コールド
 久慈クラブ 10-1 宮古倶楽部
 遠野クラブ 5-0 花巻硬友ク
 赤崎野球ク 6-1 高田クラブ
◇大会第二日
 ・準決勝
 久慈クラブ 3-2 福島硬友ク
 赤崎野球ク 7-1 遠野クラブ
 ・決勝戦
 赤崎野球ク 6-4 久慈クラブ
 ◇大会最優秀選手 山本淳一投手(赤崎)
 ◇敢闘賞・打撃賞 中村晃竜選手(久慈)


 気温が10度は行かない寒い天気の中、岩手県の社会人野球のスタートとなる大会が開幕しました。大槌球場の開幕カードとなった住田と久慈の試合は、住田が初回に先制も、久慈がその裏に一挙4点で逆転。住田はベテラン高橋投手の力投や、最も若い菊田忠洋選手と、今年50歳の紺野輝男監督の二塁打などで食らいつきますが、7回に奪われた2点が致命傷となり、念願の一勝に惜しくも届きませんでした。
 第二試合は福島硬友クが毎回得点の猛攻を見せ、大槌を圧倒。大槌も3回までは反撃し、若手投手を援護せんとしていましたが福島硬友の攻勢に飲み込まれてしまいました。
 第三試合は三連覇を狙った宮古と、第一試合を勝ち抜いた久慈との対戦でしたが、中盤までの接戦モードを打破したのは久慈。5回、9回にビッグイニングを作り、10-1という予想外の大差をつけ、準決勝進出を決めました。

 釜石平田球場の開幕戦は、地元釜石と高田との対戦。高田クは初回、3回に2点ずつ奪い、ペースを握ると、8回にも1点追加。釜石は若手の田村、大瀬両投手がマウンドを守り、さらに新人の山田太郎選手が長打を放つなど見せ所も作りましたが、高田の山田、伊藤両選手の「投手サポート隊」の継投の前に後一歩届きませんでした。
 第二試合は遠野と花巻の対決。遠野は初回、3回に加点し試合をリードすると、佐々木英、菊地雄両左腕投手の継投で花巻をシャットアウト。
第三試合は赤崎と高田の“隣町ライバル”対決に。
 去年、花巻東を苦しめた三浦颯投手が高田クラブに加入。この日が社会人デビューとなりましたが、赤崎はルーキー清水選手の本塁打などで3回に3点、7回にも3点を奪い攻略。三浦投手にとって苦いでビューとなってしまいました。赤崎は“スイングマン”佐々木慶喜、去年は日程の不運に泣いて参戦機会が少なかった佐々木純一両投手の継投で高田打線を1点に抑え、勝ち抜きました。



 大会2日目は準決勝、決勝戦が行われます。
 第一試合は久慈クラブが4投手の継投で福島硬友クを破りました。お互い得点の機会が1回。その際に奪った得点の差が、そのまま試合結果となりました。
 その福島硬友が、帰宅の途につくバスと入れ替わりに、私は大槌の野球場に到着しました。前日に夜遅くまで、同年代の人と社会の現況を語り合っていた事もあって、次の日の早朝の移動はキツいものがありましたが、それでも何日か前に「今年は新人3人入った」との事と、去年の夏以来没交渉になっているメンバーとの再会を楽しみに、球場に向かったのでした。
 で、準決勝第二試合の結果は以下のとおりです。
遠野クラブ 100000000 1
赤崎野球ク 00002302X 7
二塁打 関根、阿部学(遠)清水(赤)
【遠野クラブ】 5松田 4菊池弘 2阿部学 D関根 9藤原 3宮沢 5阿部勇 7杉本 8宇夫方譲 1照井 (途中交代)菊池雄(照井・5回から1)吉田(宮沢・6回から3)宇夫方隼(杉本・7回代走→7)井手(菊池雄・7回から1)
【赤崎野球ク】4村上耕 5佐野博 6多田 2村上修 9佐々木隆 D平野 3山下 8山本武 7金野豊 1志田直 (途中交代)新沼(佐野博・5回代打→5)古内(志田直・6回から1)生形(山下・6回代打→3)清水(金野豊・7回代打→7)出羽(平野・9回代打→D)佐々木純(古内・9回から1)

 球場に到着したときには、既に遠野に1点が入っていました。状況を聞くと、阿部学、関根両選手の二塁打で先制した、とのこと。赤崎は背番号18の左腕投手が先発していましたが、どこかで見た投手だと思ったら、去年までフェズント岩手に在籍していた志田直行君でした。他にもファースト、サードが新顔。新聞を見て前日にホームランを打っていた清水選手も含めれば、この日4人の新人選手が出場していた事になります。
 遠野の柱に成長した照井投手を打ちあぐんでいた赤崎ですが、5回に今年から本格参戦の、左3/4、サイドを使い分ける菊池雄太投手からランナーをため、金野豊選手の適時打と相手エラーで逆転。6回には暴投と、代打登場の主将生形選手の適時打で一気に突き放しました。さらに8回には満塁で途中から入っていた清水選手が、遠野の柱の一人・井手投手から2点タイムりーを放ち7-1としました。
 志田投手は2回以降は危なげない投球を見せ先発の責任を果たし、6回から登板した古内投手も大崩れはせず3回を3三振。最後の回には佐々木純一投手が登場し、勢いいい投球で遠野を封じ、いい形で決勝戦に進みました。



 続いて行われた決勝戦。一時暖かくなるか、とも思われた気候ですが、どうにも安定しないまま。観戦する方も防寒には気をつけていたようですが、どうにも難儀していた様子もありました。
 赤崎はエース山本淳一、久慈は投手としてははじめて見る小原。
 両投手の先発で、試合は始まりました。
 先手を取ったのは久慈。
 ツーアウトから巧打者堀崎選手の内野安打後、4番の中村選手の強打はセンターオーバーの大飛球に。堀崎選手が一気に帰って先制しました。
 赤崎は3回に反撃。四球、エラーで一、三塁とするとツーアウトにこそなりましたが、最初の打席でも二塁打を打っている新沼選手の適時打で同点に追いつきました。
 しかし、去年も集中打で強豪を破って来た久慈は、佐々木、金子両選手の安打後、中村選手が今度はライトへの大飛球。複雑な風の流れにも乗せライトオーバーのホームランに。4-1とリードを奪います。
 この時点で雰囲気はだいぶ久慈にグググ傾きかけましたが、赤崎はその直後に反攻を見せます。ツーアウトながらランナー一、三塁とした後、山本武選手がライトオーバーの二塁打で、さらに続く山下選手がセンターオーバーの二塁打で一気に同点に追いつきました。 この後中盤は膠着状態になりましたが、7回に満塁から平野選手が好選球を見せ押し出しついに勝ち越し。さらに8回にも佐々木隆浩選手の適時打でダメを押しました。
 3回こそ3安打を集中されて3点を失った山本投手ですが、その後はランナーを出しても3併殺に打ち取り久慈に点を与えず、最終回3人で切って取り、6-4で接戦を競り勝ち、この大会3年振り4度目の優勝を果たしました。
 決勝戦で奮投見せた山本淳一君が最優秀選手に、一時は勝ち越しになる本塁打を放った中村晃竜選手が敢闘賞と打撃賞を獲得しました。
久慈クラブ 103000000 4
赤崎野球ク 01300011X 6
二塁打 中村、小原(久)新沼、山本武、山下(赤)
【久慈クラブ】6佐々木 4→3回に7金子 8→5回に1掘崎 5中村 3→5回に9大沢 2新田 9→5回に8川尻 1→3回に4小原 7→3回に1越戸 (途中交代)川代朋(越戸負傷・5回から3)
【赤崎野球ク】5新沼 4村上耕 7清水 2村上修 9佐々木隆 6多田 8山本武 3山下 D金野豊 1山本淳 (途中交代)平野(金野豊・6回代打→D)生形(山下・7回代打→3) 



 今年最初の公式戦はこうして、赤崎の優勝という形で終えました。
 優勝した赤崎にしても、新人を加えた新チームで試合をするのははじめて。
 試合の中ではまだ鍛えなおさなきゃならない部分も多く、これから先の大会でフェズントやJRといった支援態勢万全の企業チーム、駒形や江刺といった強豪チーム、今回は破ったとはいえ、高田や久慈などといったライバルを乗り越えるためのたたかいは、これからです。
 それでも登場した4人の新人がそれぞれ見せ所は見せ、高校時代にそのプレーを見た亘理智也選手も、しっかり成長すれば「1/9」としての働きは十二分にできる選手。こういう新人の選手に突き上げられて、比較的若手の選手が頑張っている様子も見えました。クラブ大会の活躍期待したいところです。
 久慈も、ここ1、2年でレギュラーになったという選手がオーダーに並ぶようになりました。越戸さんが試合中負傷したのばかりが残念ですが、それでも住田、福島硬友に競り勝ち、宮古にはビッグイニング2度で大勝するなどその地力を見せた格好となりました。
 遠野は照井、井手、佐々木各投手に菊池雄太選手が投手陣の支え手に入りそうです。高田も新人の三浦投手が登板し、馬場、戸羽両投手と投手陣を形成すれば、侮れないチームになること間違いなし、といえます。住田の善戦とあわせて、この後のたたかいに期待抱かせるものとなったチームは多いはずです。
 ただ一つ、残念なのは各チームの名簿を見て見ると、小人数化が進んでいる事。
 一つの目安を、ベンチ入り登録選手数の25人とすると、選手登録人数が25人以下のチームが10チーム中4チーム。首脳陣・役員が選手を兼ねているチームが大多数なので、実質的な1チームの選手数は、統計はとっていませんが減っているものと推測されます。登録人数はある程度いても、全員が来られる訳ではないのがクラブチームの悲しさ。その証明として、久慈クラブはこの日、帯同選手は11人という厳しい中のたたかいとなりました。
 労働者がスポーツをするというだけでも大変な御時世ですが、それでも走り始めた社会人野球。今年もこの場で走り続ける選手を見届けていきます。

下記ランキングに参加しています。にほんブログ村 野球ブログ 社会人野球へ
にほんブログ村